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image1443.png公開年:2002年 
公開国:アメリカ
時 間:143分  
監 督:ジョージ・ルーカス
出 演:ユアン・マクレガー、ナタリー・ポートマン、ヘイデン・クリステンセン、イアン・マクディアミッド、ペルニラ・アウグスト、アンソニー・ダニエルズ、サミュエル・L・ジャクソン、クリストファー・リー、ジミー・スミッツ、ケニー・ベイカー、テムエラ・モリソン、ダニエル・ローガン、ジャック・トンプソン、オリヴァー・フォード・デイヴィス、ローズ・バーン、アーメッド・ベスト、フランク・オズ 他


第二次大戦末期、劣勢に立たされ始めたドイツ。純粋に祖国を愛するが故にヒトラー独裁政権へ反感を抱いていたシュタウフェンベルク大佐は、アフリカ戦線において瀕死の重傷を負いながらも生還。彼は、やがて軍内部で秘密裏に活動しているレジスタンスたちの会合に参加するようになるが、ある日ワーグナーの“ワルキューレの騎行”を聞いて、国内の捕虜や奴隷がクーデターを反乱を起こした際に予備軍によって鎮圧する“ワルキューレ作戦”を利用して、ナチス政権を転覆させることを思いつく。綿密に計画を練り、暗殺の実行役も任され、ついに敢行する日がやって来るのだが…というストーリー。

『SWⅠ』のときにもグチッたのだが、根本的な問題があるので、面白くならない作品。ヒトラーおよびナチスの顛末は有名すぎるわけで、本作で語られる暗殺計画が成功しないことは、よほど歴史に暗い人でない限り、観終わる前から明々白々(歴史関係の書籍では「ヴァルキューレ」作戦と書かれることが多いですな)。その他にもいくつか暗殺遂行はあったらしいが、ヒトラーが暗殺で重症を追った事実すらない。暗殺計画や遂行のために薄氷を踏むようなシーンを、どれだけ織り交ぜようとも、最終的にはうまくいかないのである。

史実をベースにした話は数あれど、事実をなぞるだけで映画として成立させるためには、その事実が「へえ」なのか「ふうん」なのかで大きく違ってくる。要するに、素人でも「へえ」って感じるほど面白い事件なのか、そんなことがあったんですね「ふうん」で終わるような事件なのかってことである。あまり明るみにでてこなかった「ヴァルキューレ」作戦の詳細が紹介されて、ワクワウしてくるのなんてよっぽど歴史に興味のある人だけで、失敗した暗殺のことなんて、一般的には所詮「ふうん」なのである。

だから、暗殺のプロセスだけでなく、別のストーリーの軸を設けなければいけないところなのだが、それが無い。作中の暗殺計画よろしく、映画制作の目論見もずさん…なんて、しゃれにもならない。

さらに、暗殺側の軍人の台詞やナレーションで、ドイツ国民すべてがナチスなわけではないという趣旨のことが繰り返されるのだが、ドイツ国民はむしろ被害者なんだよ…といいたいのだろうか。もしや、本作はドイツ国民擁護のためにつくられたのか?私には、どうも的外れに見え、空々しい気がして仕方が無い。その考え方って民主主義崩壊のプロセスがどうだったのかを直視しようとしない人間の目線だと思うので、いささか不快である。
『麦の穂をゆらす風』のケン・ローチのように愚直なまでに中立な目線でつくられたならば、逆に鑑賞者が自発的に暗殺遂行者たちの勇気に共感し、すこしは英雄視できたもしれないのだが、作品の方から、英雄視しろと押し付けられているように感じられ、私は興ざめした。

ネット上では「さすがブライアン・シンガー」と評価する人が結構いるので、一瞬躊躇してしまうのだが、私の感覚に忠実になって言えば、お薦めはできない。駄作ではないが凡作中の凡作というのが精一杯。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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