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公開年:1979年
公開国:日本
時 間:100分
監 督:宮崎駿
出 演:山田康雄、小林清志、増山江威子、納谷悟郎、島本須美、石田太郎、宮内幸平、永井一郎、山岡葉子、常泉忠通、梓欽造、平林尚三、寺島幹夫、野島昭生、鎌田順吉、阪脩、松岡重治 他
コピー:生きては還れぬ謎の古城でついにめぐり逢った最強の敵!
ヨーロッパの小国カリオストロ公国へやって来たルパンは、悪漢に追われる少女クラリスを助けようとするが、結局、彼女は連れ去られてしまう。クラリスはカリオストロ大公家のひとり娘だったが、強引に結婚を迫るカリオストロ伯爵によって城に幽閉されているのだ。ルパンは既に城内に忍び込んでいた不二子の手引きで城に潜入し、クラリス救出を試みるのだが…というストーリー。
いわずと知れた日本アニメの金字塔だけど、私は手放しで賞賛するほど好きってわけではない。なーんていいながら、今まで7・8回は観ているけれどね。この前、『ルパンVS複製人間』を見て、実に“ルパンらしい”作品だと思ったわけだが、逆に一般的に名作といわれている本作のどの辺がルパンらしくないのかな…と考えて、なんとなく観てみた(ルパン随一の作品という人が多いけれど、ルパンはその後の作品のデキが悪すぎて、比較できるものがないんだけどね)。
まあ、そんなことは確かめなくても判るでしょってツッコまれると思うんだけど、結局、宮崎駿色が強すぎるってことだよね。今回はいつもとは違って、客観的に“いい所”がどこか確認しながら見てみようと思う。
まず、風景のカット割り。彼の心に残った風景がふんだんに盛り込まれているのだろうけれど、なかなかアニメの背景カットで、「いいなぁ、この風景」って思うことって少ない。他の宮崎作品も背景には力が注がれているけれど、非現実的だったり影が強かったりすることが多い。対して本作は明るい牧歌的な風景で、むしろ『アルプスの少女ハイジ』的で、実にほっとする。
次は、だれもが指摘するところだけど、非現実的ながら躍動感バリバリの動作。ほぼ『未来少年コナン』と同じ。単に現実離れしているというだけならば『ルパンVS複製人間』だってそうなのだが、ディズニーの『バンビ』が実際のバンビの動きを研究したのとは違い、こちらはまるで夢の中で動いているような浮揚感。本作のほうがよっぽどファンタジーだと思うのだ。ディズニーとも手塚アニメとも違うアプローチは実に白眉だと思う。
じゃあ、その動きが宮崎アニメがパイオニアか?というと、ある部分でその答えに気付く。それは城のデザイン。宮崎駿が若いころ感銘をうけたというフランスアニメ『やぶにらみの暴君』がモデルなのだ(今、日本では『王と鳥』というタイトルでリリースされている。前にレンタルして観た)。で、キャラの動きにも、結構共通点が多いことに、今回改めて気付いた。
それから、昨今のアニメや日本映画では“本当にオチを考えてつくってるのか?”って言うようなのが散見されるけど、本作はしかりう終わっていること。当たり前のことのようで、これすらできていない作品ばかりになっていることは忌忌しきことである。
ただ、これだけいいことを並べたが、もう、これを宮崎アニメとして観ることはもうないだろうなと、悲しくなるi一面ある。実は、私の中で宮崎駿が終わった境目がある。それは『千と千尋の神隠し』の電車に乗って銭婆のところへいくシーン。具体的に何がどうだとはっきりいえないのだが、あそこを境に私がよいと感じていた宮崎駿は失せてしまったと感じている(なにか、味が失せたよう。もしかすると彼の灰汁みたいなものが抜けてしまった瞬間かもしれない)。とにかく、それ以降、私の琴線に触れる宮崎アニメは皆無である。
取り留めなく書いてしまったが、ルパンらしさには欠けていても、全世界の映画の中で、ほっとする感じと躍動感と小粋な感じがここまで綺麗に渾然一体となった作品はないと思う。わざわざお薦めする必要もないと思うが、いまいち物事がうまく行っていない時なんかには、観返してみるとさっぱり気分転換ができるいい映画だと覆う。2年に一度は観なおしてしまう作品。
#ラストの銭形のセリフは名セリフといわれているけれど、私の中では、「とんでもないものをみつけてしまった~。どうしよう~」がお気に入り。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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