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公開年:1975年
公開国:アメリカ
時 間:126分
監 督:シドニー・ルメット
出 演:アル・パチーノ、ジョン・カザール、チャールズ・ダーニング、ジェームズ・ブロデリック、クリス・サランドン、ペニー・アレン、キャロル・ケイン、サリー・ボイヤー、ランス・ヘンリクセン 他
受 賞:【1975年/第48回アカデミー賞】脚本賞(フランク・ピアソン)
【1975年/第1回LA批評家協会賞】作品賞、男優賞(アル・パチーノ)、監督賞(シドニー・ルメット)
【1975年/第29回英国アカデミー賞】主演男優賞(アル・パチーノ)、編集賞
コピー:暑い夏の昼下り 全米の注視をうけて演じられた-- あまりにも突飛な事件……だがそれはまぎれもない事実だった!
真夏のブルックリン。小さな銀行に3人組の強盗が押し入るが、彼らの手口はグダグダで、犯行はまったくスムーズに進まない。おまけに早々に仲間の一人が怖気づいて逃走する始末。残ったソニーとサルは、金庫を開けたものの移送された後で金はわずかしかなく、さらに手間取っているうちに、銀行の様子がおかしいことに気付かれたのか、あっというまに大量の警官隊やマスコミに包囲されてしまう。彼らは、残った人質を取って篭城するしか手段がなくなってしまう。しかし、篭城が続き、警察とソニーたちの膠着状態が長引くについて、何故かあつまった野次馬たちからヒーロー扱いされて…というストーリー。
『十二人の怒れる男』『オリエント急行殺人事件』『デストラップ・死の罠』『その土曜日、7時58分』。私が今まで観たルメット作品はこんなところかな。基本的に大ハズレの無い打率の高い監督だと思う。
狼って誰のことを指してるの?って思った人は多かったのでは。アル・パチーノ演じるソニーは狼って感じじゃないし、仲間のサルだってマッドドッグって感じではない。原題の“Dog Day”はうだるような暑い日を意味するらしい。だから犬とも狼とも無関係。狼なんていうからハードなギャングっぽいものを想像したのだけれど、コミカルというかニューシネマ的というか、印象の違いが甚だしすぎる。この邦題は良くないよ。警察に包囲されちゃってから、人質の行員に「だから、カネ持って早く出て行けと言ったのに」なんて説教されるレベルの強盗のお話なんだもの。
予測していた内容とは違ったが、観すすめるうちにグイグイと引き込まれる作品。小さな銀行だけでストーリが展開していく閉塞間がよい。役者陣の丁々発止のやりとりの緊迫感がハンパないのだが、アドリブがものすごく多いらしい。こういう作品は役者冥利に尽きるんだろう。端役までが何か爪あとを残してやろうとギラギラしているのが、そのまま作品のパワーになっている感じ。もちろん一番ギラギラしてるのは若きパチーノだけどね。
キャラクター描写も秀逸。緊張感がある中で、間抜けな行動が繰り広げられるのは愉しいが、元々不幸な人生を過ごしてきた彼らが、さらに絶望的になっていく様子は、観ていて切なくなってくるほど。
アドリブが多いといいつつ、ストーリーにはまったく無駄が無いと言ってよい。これはルメットの力が大きい。自分が政府や社会に不満があると、反社会的人間を祭り上げてしまう大衆心理。そういう奇妙な空間に響きわたるマイノリティの叫び。1975年とは思えない新しさも感じる。個人的な趣味とは少し外れるので傑作とは言わないが、充分に良作・快作だといえる。お薦めする。
ああ、ちなみに本作は実際の事件を扱った作品。ソニーは20年の刑なので、とっくにソニーはシャバに出ているんだろうね。
でも、いくらモチーフになったからといって、配収の一部が犯人さんに手渡されるのって変じゃね?公になった事件を扱っただけであって、それに著作権や肖像権って発生するかね。やっぱりアメリカってクレイジーな気がする。
#なにか、聞き覚えのある作品名だと思っていたら、『ソードフィッシュ』の中でトラヴォルタが演じるキャラクターが絶賛していたヤツだ。久々に観るかな。
負けるな日本
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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