忍者ブログ
[1586]  [1585]  [1584]  [1583]  [1582]  [1581]  [1580]  [1579]  [1578]  [1577]  [1576
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

公開年:2013年
公開国:日本
時 間:68分
監 督:大友克洋、森田修平、安藤裕章、カトキハジメ、森本晃司
出 演:早見沙織、森田成一、山寺宏一、悠木碧、草尾毅、田村睦心、浪川大輔、二又一成、檀臣幸、牛山茂、大塚明夫、置鮎龍太郎、春名風花 他






“日本”をテーマにした四編のアニメーション作品。
『九十九』18世紀。山中で道に迷った男が、一夜の寒さをしのぐために小さな祠に潜り込む。すると、使い古された傘や織物が化けてでてくるが、男は次から次へと修理をしていき…。
『火要鎮』18世紀の江戸。商家の娘お若と隣家の松吉は幼馴染で、お若は密かに松吉に恋心を寄せていた。松吉はやんちゃが過ぎて勘当され火消になってしまい、それから疎遠になってしまう。さらにお若に縁談が舞い込み、とんとん拍子に事が進んでいく。そんな中、結ばれない愛に苦悩するお若は、自室の行燈から出火させてしまい…。
『GAMBO』16世紀末。東北地方にある寒村は、鬼のような化け物の襲撃を受け、娘たちが次々とさらわれて、いよいよ残る娘はカオだけとなってしまった。恐ろしさをこらえて山に入ったカオは、そこで巨大な白い熊と遭遇。もう命はないと覚悟するが、熊はそっとカオに寄り添う。やさしい熊と悟ったカオは、村の窮状を訴える。熊は鬼の棲家を発見し、そこで鬼の子を孕まされている女たちを発見。殺してほしいという女たちの懇願を聞き入れた熊は、戻ってきた鬼と死闘を繰り広げ…。
『武器よさらば』近未来の東京。荒廃し砂漠化した都市を訪れた5人構成の小隊は、パワードスーツを装備し探索を行う。すると、一台の戦車型無人兵器と遭遇し、交戦状態となる。徐々に劣性となり…。

借りたDVDでは、一本目が『九十九』。劇場公開時は『火要鎮』が先だったみたいだけど、まあ理由は判る。
正直いうと、『九十九』のCG作画が好みじゃない。もしかするとモーションキャプチャだったのかもしれない。だけど、いかにもCGで書きましたという原画の線をもう少しどうにかできなかったのかと。
ただ、それ以外は悪くない。テクスチャが和風っていうだけなんだけど、でも美しい。ストーリー的にも、民話的な愉しさがあるし、所謂“もったいない”っていう日本らしい感覚が混ざっているので(ちょっとあざとく感じる人もいるだろうけど)、一般ウケ、それも海外ウケするのは本作だと思う。

打って変わって二本目の『火要鎮』は雰囲気勝負の作品。45度くらいの俯瞰画で、屏風絵みたいな感じがずっと続く。“日本”というこのオムニバスのテーマを一番体現している作品だとおもう。
ただ、ストーリーは悲恋を扱っていながらも起伏が少ない感じ。松吉がお若に恋心を抱いていないのと、お若が『八百屋お七』のように、恋をこじらせて付火したわけじゃなく、トラブルによる失火を「もう、どうにでもなれ…」と放置しただけなので、“激情”感がない(まあ、その“薄さ”で無常観を出したかったならば正解なのかもしれないけど)。
#日本において入墨がどういう意味を持っているか、外国人にも少しはわかるかな?(無理か…)

三本目の『GAMBO』は特に感想はない。
アルビノのヒグマなのか、シロクマなのか、フォルムが中途半端…ってのはどうでもいい部分だな(いずれにせよ、東北にはツキノワグマしかいないけど)。そこは気にするところじゃない。
キャラデザインが、いかにもな日本アニメ(貞本義行だもんな)で、もうしわけないが他の作品にくらべて味がない。拉致された村娘が鬼に孕まされている描写とか、グロ表現のセンスが悪い(こういうの嫌い)。諸々ひっくるめて何を伝えたいのかわからない作品。4作の中では一番の駄作だと思う。

『武器よさらば』が舞台こそ東京らしいが、“SHORT PEACE”のコンセプトから外れているように見える。わざわざ、SHORTPIECE に日の丸の意匠を混ぜてるくらいなのに、舞台が東京というだけで、微塵も日本が感じられないものをラストにもってくるのはいかがなものか。
まさかとは思うが、“憲法9条賛美”ではないよな? もしそういう狙いなら、大友克洋のセンスは終わってると思う。

“SHORT PEACE”っていうコンセプトだから、“切り取った”ストーリーになってるのは判るのだが、切り取り方のセンスが4本であまりに差がありすぎると思う。むしろ“切り取り方”に強い関連性というか統一感を持たせてほしかったと。製作者のセンス、コンセプト構成力とか遂行力に疑問を感じる。
結局、まとまりの良い一つの話として切り取った『九十九』が、一番ましなデキだという結果を見ても、“狙い”が外れてしまったことは間違いない。

拍手[0回]

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
プロフィール
HN:
クボタカユキ
性別:
男性
趣味:
映画(DVD)鑑賞・特撮フィギュア(食玩/ガシャポン)集め
自己紹介:
一日一シネマ。読んだら拍手ボタンを押してくだされ。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
リンク
カウンター
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
ブログ内検索
最新コメント
[06/03 離脱ラバ]
[06/03 離脱ラバ]
[06/03 離脱ラバ]
[04/28 ETCマンツーマン英会話]
[10/07 絶太]
最新トラックバック
Copyright © 2009-2014 クボタカユキ All rights reserved.
忍者ブログ [PR]