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image0210.png公開年:1984年 
公開国:日本
時 間:80分  
監 督:出崎統
出 演:斉藤惇夫、野沢雅子、水城蘭子、堀絢子、大塚周夫 他






町ネズミ・ガンバたちのもとに、冷酷でズル賢いノロイが率いるイタチたちによって全滅の危機に瀕しているノロイ島から忠太が助けを求めてやってきた。ガンバたち6人は忠太の求めに応じて、ノロイ島に向かうが…というストーリー。

有名な名作アニメであるが、私はきちんとみたことがなかった。なつかしアニメを紹介する番組で見た程度で、実はよくストーリーを知らない。
見始めてすぐに、出崎監督らしさというか東京ムービーらしさが全開。とてもとてもいい味である。最近の日本アニメには、この味が欠落している。

特にアニメでなくてもいい作品が散見されるが、本作は、アニメでなければ表現できない。とことんアニメらしいアニメだ。世界的に日本アニメは評価されているのだろうが、今こそ、本作のような、(原点とまではいわないが)いい時代のクオリティに戻るべきである。いい味さえ確立できていれば、内容の不条理など、すっ飛ぶ。本作ではそのいい例がある。ノロイ島に上陸するために鳥の協力を得るのだが、いざ上陸する際、ネズミたちは自作のパラシュートで落下していく。鳥に地面に降りてもらえばいいのにね。でも、作品独特のノリのおかげで全然アリだし、それをツッコむこと自体がヤボなのだ。それが作品の味。作品のノリ。作品の力だ。

本作は、アニメ映画のお手本だと思う。昨今の何か深い意味がありそうに見せかけて、ただただ思わせぶりなだけで、小難しいノリのアニメ作品にうんざりしている方々は、本作をみて、よき時代の風を思い出してもらいたい。お薦めする。

#ちなみに、DVDには本作の7年後に製作された『ガンバとカワウソの冒険』(1991)が収録されているが、いい味は失せかけている。ある意味、日本アニメのクオリティ(というか作り手側のクオリティ)が下がっていく過程を見せられている感じ。


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