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image1826.png公開年:2011年
公開国:日本
時 間:103分
監 督:松本人志
出 演:野見隆明、熊田聖亜、板尾創路、柄本時生、りょう、ROLLY、腹筋善之介、清水柊馬、竹原和生、長谷川公彦、鳥木元博、吉中六、重村佳伸、安藤彰則、中村直太郎、寺十吾、石井英明、松本匠、岡田謙、京町歌耶、野口寛、伊武雅刀、國村隼 他
コピー:鞘しか持たない侍とその娘、30日間の戦い──。



脱藩した武士・野見勘十郎は、さやだけの刀を持ち、一人娘のたえを連れて、お尋ね者として各地を逃げ回る日々。しかしついに多幸藩の追っ手に捕らえられ、殿の御前に。しかし、多幸藩には奇妙な“三十日の業”という刑があった。それは、母君を亡くして以来、笑うことができなくなった若君を、一日一芸で30日の間に笑わせられたら無罪放免、できなければ切腹という刑。これまでに成功した罪人は一人もいなかったが、勘十郎はその業に挑むことを決め…というストーリー。

基本的なプロットはものすごく良いデキだと思う。ダメ侍が“三十日の業”を課せられ、トホホっぷりをみせつつも、周囲がそれに協力していく。登場人物の心に変化が生じていくというのは、シナリオのセオリーの鉄則・常道である。本作は、主要な登場人物だけでなく、町の人々まですべての人の“心”に変化が生じる。松本人志のシナリオテクニックが向上したと思いたいのだが、今回は、高須光聖以外にも、数人が脚本協力としてクレジットされているので、その辺りに基本が判っている人がいるのかも(案外、板尾創路だったりして)。松本人志は原案のみに留まって、脚本はおまかせし、他人が書いた脚本で監督をやるという体制が、今後は良い結果を生んでいくかもしれない。

ただ、プロットの良さと松本人志のこだわりに齟齬が生じているかな?という点と、ディテールの甘さ…というか、その甘さを観客に気付かせてしまう点に、問題があるかもしれない。

映画ははじめの10分間での掴みが重要。その掴みで何をやっているかというと、三人の刺客に襲われて、致命傷と思しき傷を負ったにも関わらず、なぜか軽症で生き残っているという姿。薬草が伏線ということは理解するが、あの過剰なヴィジュアル表現に効果があったか否か。これは本作の掴みとして正しいのだろうか。本作の全体の雰囲気を表せてるわけでもないし、スカしにもなっていないように思える。

また、1日であの装置が作れるか?ということが頭をよぎる。それはおかしいという野暮なことをつもりはない。逆に、それを観て「ああ、この作品はファンタジーのつもりでつくっているんだな…」と感じた。でも、ファンタジーなら、それが気にならないような演出や雰囲気作りを、もっと前からすべきだったかと(もしかして、冒頭の暗殺シーンは、これは荒唐無稽なノリの作品ですよ!ってことを前置きするためだったのか?だとしても、失敗してるよな。ならブラックバックにすべきじゃない)。

まさか30日のネタをすべて見せるつもりなのか????まさかな…と思わせておいて、本当に毎日見せ始めたところは、良いと思う。しかし、その割りには、最後の5日間にやったことを端折ってしまうってのが理解できなかったりする(ここは貫くべきなのでは?)。

根本的な部分だが、なんでさやだけなのかって説明が浅い。戦うことを捨てたのはいいが、何で竹光でもなく、丸ごと刀を捨てるでもなく、さやだけを持って歩くのか。そこに至る心情とか過程はものすごく大事なはず。
#まあ、実際のところ、“さや侍”ていう単語が思いついて、まずそれを使いたくなった…ってのと、刀のさやに切腹したドスを収めるイメージが思いついて、それをやりたかったんでしょう。

彼は三十日の業をやろうとする。つまり死にたくはない。すべてを投げ出したくなっているけど死にたくない。単なる臆病者とうことか?現代社会で疲れたおっさんの投影か?(その割に、共感できないのはなぜか)
妻が死んだことで、落胆しきっちゃったのか?でも、娘が彼に問いかけ続けていた“なんで生きているのか?”という問いかけのアンサーがあるようで無い気がする。最後の坊さんが読む手紙の中にも、その答えは無いようにも思える。

まあ、いろいろ文句は書いたけど、前の二作から比べれば、格段に“映画”らしくて、及第点は充分に超えていると思う。最後の“歌”は、評価の分かれるところだと思うが、私はOK。実際に歌ったのか、歌ったように思えるような脳内表現なのか、それこそ受け手の自由であり、立派な映画表現だ。

蛇足だけど、私なら、最後のたえと若君が遊ぶシーンは、たえ一人が蝶二匹と戯れるシーンにする。野見勘十郎だけでなく若君も死んじゃってるのか、もしかして?っていう、クセのある一撃をスパ!っとカマしたい。

#野見さんについては特にコメントなし。案外きちんと演技していた。




負けるな日本

 

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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