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image0906.png公開年:2007年 
公開国:アメリカ
時 間:87分  
監 督:マイケル・デイヴィス
出 演:クライヴ・オーウェン、モニカ・ベルッチ、ポール・ジアマッティ、スティーヴン・マクハティ、グレッグ・ブリック、スティーブン・マクハッティ 他
コピー:弾丸(たま)んね──
銃弾2万5千発のエクスタシー!



冬のニューヨーク。スミスは、ひょんなことからヤクザに追われる妊婦を助けるハメになるが、応戦するさなか妊婦はショックで赤ん坊を産み落とし、流れ弾に当たってあっけなく絶命。やむを得ず赤ん坊を拾い上げたスミスは、なおも執拗に迫る追っ手をかわして昔なじみの娼婦ドンナのもとに身を隠すが…というストーリー。

未見かと思って観始めたら、前に一回観ていたことに気付いた。とりあえず、ながら観で、最後までみた。

パルプフィクション的なチープなノリで、あえて製作しているのだろうが、そういう作品の場合は独特な雰囲気づくりが重要だと思うが、残念ながら目をひくようなノリも映像センスも見られない。

脚本のセンスもよろしくない。赤ん坊がいるから赤ちゃんプレイをやっている売春宿にいこう、、とか、ヘヴィメタ(スラッシュだっけ?デルメタルだっけ?)を聞いたら泣き止んだから胎児の時にきいていたに違いないとか、酔っ払い客の戯言みないなセリフや展開がまかりとおていて、実に興醒め。冷笑。
ニンジンも道具としてさほど効果的なアイコンにはなっていないし、議員とのからみも、都合が良すぎる展開が目白押し。
アクションシーンというか、ギミックに色々工夫を施して、目新しい仕掛けを目指しているようだが、いまいち(赤ちゃんの精巧な人形とかは、最悪のご都合主義かも)。

こういう作品は、監督の登竜門的作品というか、実力を試すのには、丁度いいレベルだと思うのだが、この監督は、チャンスを逃したのかもしれない(その後、この監督が、なんらかの映画に携わったという話は聞かない)。

軽いアクションを観たいならば、本作もありだろう。ただ、ビールを4・5杯のみながらじゃないと、楽しめないかもね。本当に、たいしたレベルではない。100円レンタルとかしている時にどうぞ。ちょっとそれ以上の、価格では、返却する時にイラっとくるかも。

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image1377.png公開年:2007年 
公開国:イギリス
時 間:100分  
監 督:デヴィッド・シントン
出 演:バズ・オルドリン(11号)、アラン・ビーン(12号)、ジーン・サーナン(10号/17号)、マイク・コリンズ(11号)、チャーリー・デューク(アポロ16号)、ジム・ラヴェル(8号/13号)、エドガー・ミッチェル(アポロ14号)、ハリソン・シュミット(アポロ17号)、デイヴ・スコット(9号/15号)、ジョン・ヤング(10号/16号) 他
ノミネート:【2007年/第13回放送映画批評家協会賞】ドキュメンタリー賞
コピー:それは奇跡の“宇宙”体験

1969年、アポロ11号が月に降り立ってから、最後のミッションとなった1972年のアポロ17号まで、12人の宇宙飛行士が月面を体験。しかし、いまだ月面に降り立った人間はその12人のみ。そんな奇跡の偉業である“アポロ計画”の全貌を、10人の宇宙飛行士の証言と、NASAの蔵出し映像の数々で綴るエンタテインメント・ドキュメンタリー。

私は、アポロ計画モノが大好きである。『ライトスタッフ』『アポロ13』はもちろん『人類、月に立つ』のDVDボックスまで購入して持っている。
今回は、NASAからの蔵出し映像も盛り込んでいるようだし、エンタテインメント・ドキュメンタリーと銘打っているくらいなので、かなり期待したのだが、残念だが“エンタテインメント”の部分は皆無といっていい。単なるドキュメンタリーである。資料映像とそれに対するコメント群である。それが悪いとはいえないが、“エンタテインメント・ドキュメンタリー”という売り文句が反則かな。

これはDVDで観ても感動はイマイチである。いまとなっては劇場で観ることは不可能だがら、ブルーレイで大画面TVで、ビール片手に観るのがいいですな。なかなか新鮮な映像がたくさんなので、酔いと相まって自分も宇宙を進んでいるような気分になること請け合い。

ということで、『アポロ13』のような映画ではないこと、小さい画面で観ても感動は半減なことを注意しておくので、条件の整っている人だけが観ていただければいいと思う(私は14インチの画面でみてしまったので、イマイチだったよ)。

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image1414.png公開年:2009年 
公開国:日本
時 間:112分  
監 督:中村義
出 演:伊藤淳史、高良健吾、多部未華子、濱田岳、森山未來、大森南朋、渋川清彦、大川内利充、眞島秀和、江口のりこ、山中崇、波岡一喜、高橋真唯、恩田括、石丸謙二郎、中村有志、芦川誠、野仲イサオ、大谷英子、田村圭生、草村礼子、上田耕一 他
コピー:きっと、つながる



2012年。彗星の衝突まであと5時間と迫った地球。世界滅亡を目前に、平静を装うレコード店に流れている曲は『FISH STORY』。それは、1975年、時代を先取りしすぎていたために全く売れぬまま解散したバンド“逆鱗”がレコーディングした最後の曲だったのだが、その一曲が…というストーリー。

本作を観たのは、『アヒルと鴨のコインロッカー』が、予想外のスマッシュヒットだったから(私の中でね)。

あまり、紹介すると、これから観る人の楽しみを削いでしまうので、ほどほどにしておくけれど、ちょいちょいいらいらする演出がいくつかあるものの、始めの20分を越えると、後はなかなか引き込まれる展開で、非常によろしい。
まず、彗星の衝突というSFチックな設定で、拒否反応をおこす人がいるかもしれないが、その点についてだけは皆さんにご忠告させていただく。SFチックな内容はまったく無いので、くれぐれも気にしないこと。

私は『フォレスト・ガンプ』が大好きなのだが、そのレベルに指先を懸けるところまで到達していると思う。非常につよくお薦めしたい。本年にはいって、初良作である。
意外にも、いままで無かったことで目から鱗だったのだが、最後に、謎解きの体でおさらいするのは、ちょっと新鮮かも。

ただ、ひっかかるのは、この面白さが、監督のおかげなのか、原作者のおかげなのか…。『ジェネラル・ルージュの凱旋』と同じ監督なのだが、本作の面白いと感じる部分は、『ジェネラル・ルージュの凱旋』には無かったように思えるので、やはり原作のおかげだろう(タランティーノばりの時間軸ごちゃまぜ編集も、原作からなんだろう。おそらく。あまり小説を読まない私だが、ここまでいい映画の原作を連続で観せられると、ちょっと読んでみたい気になる)。それにしても、この監督は原作あり作品職人みたいになっていますな(製作委員会方式においては、うまくやれる人なのでしょう。組織でうまくやることと、個性を出すことがトレードオフになっているということだろう)。

もう一つだけ難点を。こんな直球のコピーはいけない。センスを疑う

#それにしても大森南朋はうまい。複数の役を演じているが、別人が演じているようだ。でも、ちょっと器用貧乏なのかもしれないなぁ。

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image0443.png公開年:2003年 
公開国:ドイツ
時 間:135分  
監 督:ラモン・サラサール
出 演:アントニア・サン・ファン、ナイワ・ニムリ、アンベラ・モリーナ、ビッキー・ペニャ、モニカ・セルベラ、エンリケ・アルキデス、ダニエレ・リオッティ、ルドルフォ・デ・ソーザ、ロラ・ドゥエニャス 他
コピー:靴の数だけ,人生がある



高級靴店の店員をしながら靴デザイナーを目指す23歳の女。49歳のキャバレーの雇われママの夢は小説家になることだが、知的障害者の娘の世話に追われている。その25歳の知的障害者の娘は看護士に恋心を抱く。43歳のタクシードライバーの女は、夫が急死してから10年、3人の夫のつれ子ため生きている。高級官僚の妻である45歳の女は、子宝に恵まれず、その孤独を癒すため高級靴を買い漁る。そんな女たちのストーリー。

キャラクターが多数登場するが、あまりキャラクターが立っていなくて(特に若い女が)、いまいち区別がつきにくく、混乱…というか、ちょっといらいらする。
『8人の女たち』には8人の女が出てきたけれど、キャラが立っていたので、容易に区別がつきましたがね。話が進むと、それぞれの女たちが、バラバラではなく、関係性があることがわかってくるが、絡んだからといって、何かおもしろい展開が産まれるわけでもない。
こういう作品は、ほつれたそれぞれの糸が、ストーリーが進むにつれて絡み合って、撚られた糸が次第に独特の色を表してくるものだが、ラスト15分くらいから、急速に撚られる本作の糸は、ぼそぼその糸だ。

単に、悲惨な状況の女達を見せられただけで、ラストでなにか、希望を感じさせてくれて、観ている側が元気になるというようなこともない。

邦題に“靴”をもってくるほど、“靴”は本作において重要ではない。冒頭のキャラクター紹介の時に、足に絡めながら紹介していくが、それが特段いい効果を生み出しているわけでもないし、後々なにかに効いてくるわけでもない。どうも、本作公開時のポスターを観ると、靴を前面に出している様子はなく、原題の『Piedras』も「石」という意味。なんか、日本の配給会社が、ウリ文句を考える際に、それっぽくつけただけのようだね。

こういう作品がつづくと、疲れてきますな。本作は観なくて結構。『女はみんな生きている』の5分の1くらいの面白さしかないと思ってもらえばよい。
 

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image0165.png公開年:2006年 
公開国:アメリカ
時 間:128分  
監 督:スティーブン・ザイリアン
出 演:ショーン・ペン、ジュード・ロウ、アンソニー・ホプキンス、ケイト・ウィンスレット、マーク・ラファロ 他
コピー:善は、悪からも生まれる。




郡の出納官を務める実直な男ウィリーは、小学校建設に絡む役人の汚職を告発して逆に自分が職を追われた。やがてその小学校で欠陥工事が原因の事故が起こり、ウィリーは一躍注目の存在となり、それに目を付けた州の役人に担がれ、知事選に出馬することとなった。しかしそれは、対立候補の票を割るための策略で、ことの真相を知ったウィリーは、演説原稿を破り捨て自分の言葉で聴衆に語り始めると、貧しい人々の心を打ち、勝利を収め知事の座を射止めるのだったが…というストーリー。

どうも1949年に同名の作品があって、それのリメイクらしい。原作はピュリッツァー賞を受賞しているということらしいので、実話らしい(元の作品は観たことなし)。

それにしても、まったくもってピントのボケた作品だ。まず、実直だったウィリーが、騙されていたことを知り、開き直って、自分の言葉で演説しはじめて、当選するまでの流れは理解できる。しかし、実直だった彼が当選した後、なんで、あんな独善的で俗物な人間に堕ちていったのか、そのプロセスがまったく腑に落ちない。単に権力を握ってしまったら変貌したようにしか見えないのだが、理由の説明もないので、元々そういう資質だったと思うしかない。

ところが、リメイク元のストーリーを調べてみると、二回落選することで理想主義に挫折する…という、立派な理由があるらしいのだ。なんで、リメイク版では、こんな風に変えてしまったのだろう。

もう一人の主役級の、ジュード・ロウ演じるジャックだが、このキャラクターにまつわるストーリーが、何の効果を期待して盛り込まれているのか、さっぱりわからない。
これも、リメイク元は、彼の目線でストーリーが語られているようで、狂言回しのような役どころらしいのだが、本作では、純粋に単なる登場人物でしかない。そのせいで、ショーン・ペンに注目すればいいのか、ジュード・ロウに注目すればいいのか、いったいこの作品は何を見せたいのかさっぱりわからなくなっている。ジャックの恋する人物の顛末には、なんの意味があるのか…。アンソニー・ホプキンスのくだりは、結局、ストーリー上、どういう効果をもたらそうと思って入れられているのか…(イライラしてくるなぁ)。

この作品は、ショーン・ペン演じるウィリーが俗物に落ち、傍若無人に振る舞い、悪人のように見えながらも、それが人間の本性かもしれない…と考えさせることが目的の映画だろう。さらに、そんな人物でも、権力者として祭り上げてしまう民主主義の脆さというものを、揶揄したいのだろう。
そういう意味では、今の日本人だって、民主主義とは“多数決”で決めるものと思っている人が大半なのだから、こういう人物の生涯を見ることは反面教師として有益なはずなのだ(ちなみに民主主義とは、とことん議論を尽くして、折り合いがつかない場合は、いつまでもモメていると公益を損ねるので、最終的手段として多数決を行って決定する制度のことである)。

でも、そんなものを表現しようとは、本作からは微塵も感じられない。このリメイク作品からは、何のテーマも見えない。そういう主軸を据えようという意識が明確だったなら、こんなバカで、ボケたストーリーにはならない。『レナードの朝』『ボビー・フィッシャーを探して』『シンドラーのリスト』『今そこにある危機』『ミッション:インポッシブル』『ギャング・オブ・ニューヨーク』『ハンニバル』という名作を送り出したの脚本家なのだが、なんで、本作だけ、こんなに駄作なんだろう。監督/製作/脚本と、色々、やりすぎたことが原因だろうか。

なんで、こんな作品にショーン・ペンは出ちゃったのだろう。おそらく、あの作品をリメイクするという時点で仕事を請けたか、全然ダメな作品なのは判っていたが、逆にオレの演技で成立させたやろうという役者根性はどちらかである。
ジュード・ロウにいたっては、ショーン・ペンが出るっていうから出てみた…くらいのノリかもしれない。

久々だが、本作を観ることは時間の無駄である。駄作の極みである。
#本作の汚名を濯ぐために、『ミルク』に出たんじゃなかろうか。

 

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image0358.png公開年:2002年 
公開国:アメリカ
時 間:109分  
監 督:マイケル・ホフマン
出 演:ケヴィン・クライン、エミール・ハーシュ、エンベス・デイヴィッツ、ロブ・モロー、エドワード・ハーマン、ハリス・ユーリン、ポール・ダノ、、リシ・メータ、ジェシー・アイゼンバーグ、ジョエル・グレッチ、スティーヴン・カルプ、ラフール・カンナ、パトリック・デンプシー 他



長年に渡って全寮制の男子校で歴史学を教えていたハンダートは、引退後の余生を送っていたある日、25年前の卒業生で今では大企業のトップとなったベルから招待を受ける。それは、ベルが生徒の頃に苦杯をなめた同校の伝統行事“ジュリアス・シーザー・コンテスト”の再戦を主催するためだった。ハンダートは、転校生だったベルが徹底的に彼に反抗した、苦い思い出が鮮明に甦るのだった…というストーリー。

私は『陽のあたる教室』が好きである。本作も先生モノなので、同様のテイストの期待をしたが、まったく裏切られた。ありがちな所で言えば、ちょっと他とはノリの違う先生が、問題のある生徒に苦労しながら、諸々の困難を乗り越えて、最後はカタルシスの波があふれるラストで終わるというところだろう。ありがちな展開かもしれないが、基本的に、先生モノに観ている側が求めるのは、そういうところだ(『スクール・オブ・ロック』でさえ、基本的はこれだろう)。

しかし、残念ながら、本作はモヤモヤで終わる。それも実に不快なモヤモヤだ。内容を言ってしまうとネタバレもいいところなので伏せるが、鳥肌が立つようなラストとは程遠い。

一点だけ、参考になったのは、たった一つの失敗でクヨクヨしないで、それはそれとして前向きに進むべきだ…ということだけである。私も、性格的に、一つ失敗すると、すべてイヤになって投げ出したくなるタイプなので、その点については、身につまされたことは認めよう。
だが、そんな教訓まかしいことを表現するために、わざわざ映画を一本つくる必要があるだろうか?

本作には、虫の好かない腹立たしい教え子が登場し、憎まれっ子世にはばかるといった具合に扱われており、その生き方を批判している。人間とは本来、実直であるべき…という、主張である。
では、言わせてもらうが、本作は、“映画”の本来あるべき姿を見据えて作られていますか?と問いたい。“映画”とは本来、人を楽しませたり、心を動かしたりするものでないだろうか。本作には、そういう根本的な映画の使命をまっとうしようという姿勢が欠如している。そこそこ面白い原作を映画という形にしただけであろう。人間のあるべき姿について説教をたれる前に、自分がつくっている映画が、どんなものか見つめなおすべきである。どの部分を、観客に「おもしろい!」と感じさせようとしているのか、さっぱりわからない。

TVドラマとして世に出して、受け入れられるかどうかのギリギリの線といったレベルである。
本作は観なくてよい。ストーリー構成、選出、演技、どれを取っても、特段に評価できる部分はない。“味”の無い映画だと思う。こんなことを言うのは失礼かもしれないが、才能のある監督とは到底思えない。

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image0561.png公開年:2001年 
公開国:アメリカ
時 間:203分  
監 督:フランシス・フォード・コッポラ
出 演:マーロン・ブランド、マーティン・シーン、デニス・ホッパー、ロバート・デュバル、フレデリック・フォレスト、アルバート・ホール、サム・ボトムズ、ラリー・フィッシュバーン、G・D・スプラドリン、ハリソン・フォード、スコット・グレン、コリーン・キャンプ、リンダ・カーペンター、シンシア・ウッド、トム・メイソン 他
受 賞:【1979年/第52回アカデミー賞】撮影賞(ヴィットリオ・ストラーロ)、音響賞(Walter Murch、Mark Berger、Richard Beggs、Nat Boxer)
【1979年/第32回カンヌ国際映画祭】パルム・ドール(フランシス・フォード・コッポラ)、FIPRESCI[国際映画批評家連盟賞](フランシス・フォード・コッポラ)
【1979年/第14回全米批評家協会賞】助演男優賞(フレデリック・フォレスト「ローズ」に対しても)
【1979年/第37回ゴールデン・グローブ】助演男優賞(ロバート・デュヴァル)、監督賞(フランシス・フォード・コッポラ)、音楽賞(カーマイン・コッポラ)
【1979年/第33回英国アカデミー賞】助演男優賞(ロバート・デュヴァル)、監督賞(フランシス・フォード・コッポラ)
【2000年/アメリカ国立フィルム登録簿】新規登録作品
コピー:魂を揺さぶる 2時間30分の旅(1970年時)
戦争。アメリカ。これはコッポラが産んだ生きものだ。

ベトナム・サイゴンにて、特殊行動班員のウィラード大尉に、特殊部隊の将校であるカーツを殺せという命令だった。カーツは数々の叙勲歴を持つ最高の人物であったが、ジャングルの奥地で原地人を支配し、軍と連絡を絶ち、自らの王国を築いているとのこと。この密命を受けたウィラードは、4人の部下を連れ作戦を遂行。道中、彼らは幾多の異常な世界を体験しながら、ついに、カーツ大佐が潜伏する“王国”へと辿り着くのだったが…というストーリー。

まず、上記には2001年となっているが、これは60分の未公開シーンを足した再編集版で、初公開は1979年である。私は、元編集版を観たことがない。初見である。
どうも、タイトルの仰々しさと、伝え聞いた評判による先入観から、敬遠し続けて今に至る(本作だけじゃなくって、この手の戦争映画はあまり観ていない。プラトーンもシン・レッド・ラインも観ていない)。

それにしても、3時間半以上は、いくらなんでも長すぎである。元を観ていないので、足された部分がどこかわからないのだが、プレイメイトとのからみや、フランス人入植者とのやりとりのあたりがそうらしい。戦闘が絡まない部分はカットされていたということだろう。
どうも、翻弄されて壊れていった人々の姿や、正義を振りかざして戦争に参加しているが原因をつくったのはアメリカでしょ?とか、そういう主張を、再編集版では盛り込みたかったようなのにみえる。

たしかに、ベトナム戦争の相手のベトコンだって、始めはアメリカが支援していたんだし、アルカイダだって(厳密に言えばその母体となった組織だが)アメリカが支援していたのは事実。すべてCIAが独断でしかけて、この結末で、同じことを何度も繰り返しているのだ。さらにアメリカ国民は、この事実に気付いているんだかいないんだか、厚顔無恥に相手の非ばっかりあげつらってみっともないったらありゃしない。だから、言いたことは非常によくわかる。

日本は中国から律令制度を始め、色々なものを輸入してきたが、宦官制度だけは輸入しなかった。国民性に合わなかっただけかもしれないが、これを取り入れなかったことは、結果として正しい。
同じように、将来、アメリカから大統領制を輸入したとしても、CIAのような暴走する機関だけは、日本に取り入れてはならない(公安に必要以上の権限を付与するのも厳禁である)。

それはそうなんだけど、やっぱり増長すぎで、そういうテーマ云々を考える以上に眠くなるのだ。目的であるカーツ大佐に出会うまでに2時間半が経過し、目的を達したところで、その後、特にひねりもないので、カタルシスも盛り上がりもない。遠慮なしにエグい戦闘シーンなどあって、目は飽きなさそうなものなのだが、何度も寝てしまって、結局、何度も観かえして、結局5時間以上、観ていたと思う。

もしかすると、ヨハネの黙示録に詳しかったら、所々に散りばめられた寓意を読み取ることができて、楽しめるのかもしれない。残念ながら、私は、四騎士と7つのラッパくらいしか知らないので、眠気は抑えられなかった。

これは、1979年版を観てからじゃないと評価できないな。とても、この特別完全版といわれるもので、この数々の受賞ができるとは思えないからだ。機会があったら観てみることにする。
とりあえず、時間があまりない人や、映画を観ている最中に寝てしまいがちな人はやめたほうがよい。
 

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image1224.png公開年:2000年 
公開国:アメリカ
時 間:110分  
監 督:デビッド・フィンチャニール・ラビュート
出 演:レニー・ゼルウィガー、モーガン・フリーマン、クリス・ロック、グレッグ・キニア、アーロン・エッカート、クリスピン・グローバー、プルート・テイラー・ヴィンス 他
受 賞:【2000年/第53回カンヌ国際映画祭】脚本賞(ジョン・リチャーズ、ジェームズ・フラムバーグ)
【2000年/第58回ゴールデン・グローブ】女優賞[コメディ/ミュージカル](レニー・ゼルウィガー)
コピー:きっかけは無邪気な憧れだった・・・

町でウェイトレスをしているベティは、夫・デルがいながら、昼メロ“愛のすべて”に夢中。そんなある日、デルが殺し屋に殺され、現場を目撃したベティはショックで現実とドラマの区別がつかなくなってしまい…というストーリー。

いくら優秀なシナリオでも、流れの方向性くらいは予想がつくものなのだが、本作は、まった展開が読めなかった。ここまで先が読めない映画ははじめてかも。たぶん私とまったく脳の構造が異なる人間か、ブッ飛んでる人が作ったストーリーに違いない。面白いとかそういう次元ではなく、読めないこと自体に、ショックを覚えた。

まるでコーエン兄弟の作品をみているよう。荒唐無稽なストーリーでありながらも、個々のキャラも立ち具合や、なかなかセンスのいいセリフによって、うまくまとめられている。
ただ、事件が終息に向かう展開だけが、ちょっとむりやり収めた感というか、ヒネリがないというか、もっと突飛にしてもよかったと思う。オチだけは予測がつく展開だったのが、実に残念。

…とおもって、本当のラストシーンで、テロップが…。え?これって実話ベースなの?本当にそうなのか?それとも、それも含めて仕掛けなのか?調べてもよく判らないのだが、誰か教えてほしい。実話だったとして、どこまでが実話でどこまでがフィクションなのだろう)。
#実話がベースだったら、展開が読めないのも、終息のさせかたも、納得できなくもないけれど…

とはいえ、かなり新鮮な衝撃があったので、私はお薦めする。もしコーエン兄弟の作品が好きならば、多分OKだと思う。
#コピーは的外れも甚だしいので、無視してよろしい。コメディ作品にカテゴライズされる場合もあるようだけど、コメディではないので、それも捨ててよし。

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image0980.png公開年:2008年 
公開国:アメリカ
時 間:91分  
監 督:スティーブ・ヒックナー、サイモン・J・スミス
出 演:ジェリー・サインフェルド、レネー・ゼルウィガー、マシュー・ブロデリック、ジョン・グッドマン、クリス・ロック 他
ノミネート:【2007年/第13回放送映画批評家協会賞】長編アニメ賞
コピー:小さなハチが初めてみつけた世界を変える大きなヒミツ



新米働きバチのバリーは、毎日ハチミツを作り続ける仕事にウンザリして、巣の外へ冒険に出る。そして、人間世界で心優しい花屋の女性ヴァネッサと出会い友達になるが、ある日スーパーで大量のハチミツを発見。やがて、自分たちが必死で集めたハチミツが人間に横取りされていると知り…というストーリー。

まず、誰もが思っただろうが、キャラクターがかわいくない(というか、ちょっとコワイ)。ワーナーのCGアニメの中で、群を抜いてかわいくない。別に日本アニメみたいに、むやみにかわいくすることに執心する必要もないんだけど、もうちょっとナントカしないと子供の喰いつきがねえ…。ツカミに失敗してますな。

ストーリーは、色々な要素を盛りこみすぎ。人種問題、社会問題、環境問題、階級闘争、自然科学教育から、芸能ネタに、オーガニックバカやヘルシー思考を揶揄したりと、なんでもかんでも放り込み。逆に言えば、これだけ盛り込んで、よく成立させているとも言えるのだが、やっぱりとっ散らかっている感は否めない。脚本家が複数クレジットされているが、まさにブレーンストーミングでホワイトボードに出したものを、ガンガン盛り込んだのが目に浮かぶ。
その結果として、ストーリーの主筋が不明確で、荒唐無稽といわれても仕方ない展開が続き、観て欲しいターゲットもよく判らない作品になってしまった。

主人公がもっともらしい主張を振りかざし、訴訟で勝利し、そのために取り返しのつかないことを引き起こすわけでが、そんな主人公に共感ができるわけもなく、挙句の果てに「こんなことになるとは思わなかった」なんていわれても、ムカつくだけ。訴訟に勝ったあと、ハチの弁護士が、よくない状況になると予測するのだが、その理由が「長年、そうしてきたから」っていうのも、いかがなものかと思う(そんなこといったら、世の中は変化しようがない)。この物語に出てくるキャラの意見は、すべて狂っているように私には思える。仮に、すべてが狂っているシナリオを狙って書いたのかもしれないが、それをシニカルでウィットに富んだ味付けにできているかというと、そこまで達していない。

さらに、気になるのは、生き物の生態について正しいところと正しくないところが混在していて、中途半端。そこはうまいこと処理してほしかった。マーガレットの花粉をバラにかけて、受粉するか?とか、ちょっと子供がみたら誤解をまねくような部分が、散見される。
さらに、米国の芸能ネタもよくわからなかった。芸名がハチミツに関係するのってだれ?

観ても時間の無駄とまではいわないが、凡作のエリアからちょっと落ちかけのレベルだと思う。少なくとも、子供向けのアニメではないので、その点はご注意を。

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image0685.png公開年:1995年 
公開国:アメリカ
時 間:127分  
監 督:デビッド・フィンチャー
出 演:ブラッド・ピット、モーガン・フリーマン、グウィネス・パルトロウ、ケビン・スペイシー、ジョン・C・マッギンリー、リチャード・ラウンドトリー、グウィネス・パルトロー、ジョン・C・マッギンレー、リチャード・ラウンドトゥリー 他
受 賞:【1995年/第62回NY批評家協会賞】助演男優賞(ケヴィン・スペイシー)
【1996年/第5回MTVムービー・アワード】作品賞、悪役賞(ケヴィン・スペイシー)、魅惑的な男優賞(ブラッド・ピット)
【1996年/第39回ブルーリボン賞】外国作品賞
コピー:注意、本当に恐い!

退職まであと1週間のサマセットと新人ミルズの両刑事は、汚物にまみれ、食べ物の中に顔を埋め、極限まで肥満した男が殺された現場に向かう。何者かに、死ぬまで食べ続けるよう強制させられていたことが死因で、現場には、犯人が残したものと思われる〈GLUTTONY=大食〉と書かれた文字が残されていた。その後、凄腕で名高い弁護士の死体が発見され、現場には〈GREED=強欲〉の文字が…。サマセットは、犯人がキリスト教における七つの大罪に基づいて殺人を続けていることを確信するが…というストーリー。

もう、今回で、観るのは5回目くらい。特段、好きな作品というわけではないんだけど、ちょいちょい観てしまう。

本作は“銀残し”手法を使った作品として、映画検定の問題では定番(市川崑の『おとうと』と本作と合わせてね)。
始めのショットで、他のハリウッド映画とはちょっと違う雰囲気なのにすぐ気付く。イメージとしては、70年代後半から80年代前半に日本映画の質感に近いかも(ただ、残念なことに、この効果はさほど持続しなくって、慣れちゃうんだけどね)。監督デビューの『エイリアン3』は、コアなファンから批判は受けたけれども、それでも当時から画質の統一感や雰囲気作りには長けていたと思う。銀残しの手法を使い続けたわけではないけれども、こういった意識は、その後の作品でも大事にされていて、映画は世界観の統一や雰囲気作りこそ大事だと思ってる私は、デビッド・フィンチャーを非常に評価している。

シナリオ的に着目したいのは、ラストシーンの場所に向かう車中の「街中に許しがあふれている」というケビン・スペイシーのセリフ。これは、ある意味、カトリック批判ともいえる。七つの大罪を曲解して反抗を繰り返す犯人なのだが、カトリック特有の“許し”つまり懺悔すれば許されるという思想を批判しており、自己矛盾しているところが非常に興味深い。そして、その点については、刑事二人は指摘できず、どちらかといえば言いくるめられているような感じで、ラストシーンに向かう。
カトリック社会が許しにあふれているといいつつ、カトリックからの大きな支持をうけたブッシュ大統領が、9.11の復讐で戦争を仕掛けちゃったりするわけで、どこに“許し”に精神があるんじゃ?といいたくもなるアメリカ社会の根底を、シニカルに語っているのかもしれない(もちろん本作は、9.11より全然前の作品ですけどね)。

当時の私は(当時といってもレンタル開始当時だけど)、コピーにあるとおり、かなり「怖い!」と思いながら観た記憶があるが、今となっては、この手の猟奇的かつサイコ的な作品に慣れてしまった(世の中にはもっと怖い事実があふれているということかも)。15年も前の作品なのに、今みても新しい。なかなかの秀作だと思うので、未見の人はどうぞ。
 

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image1402.png公開年:2009年 
公開国:日本
時 間:123分  
監 督:中村義洋
出 演:竹内結子、阿部寛、堺雅人、羽田美智子、山本太郎、尾美としのり、貫地谷しほり、正名僕蔵、林泰文、中林大樹、並樹史朗、河原さぶ、中村有志、黒瀬真奈美、伊藤正之、山田スミ子、長江英和、岡安泰樹、市野世龍、大塚幸汰、古川りか、朝田帆香、根本美緒、吉井歌奈子、浜近高徳、千葉誠樹、谷藤太、加藤雄二、小林きな子、高嶋政伸、佐野史郎、玉山鉄二、平泉成、野際陽子、國村隼 他
コピー:シロか、クロか。

不定愁訴外来医師・田口は、倫理委員会の委員長に任命されてしまうが、そんな彼女のもとに、“救命救急の速水晃一センター長は医療メーカーと癒着しており、花房看護師長は共犯だ”という告発文書が届く。すると間もなくして、告発された医療メーカーの社員が院内で自殺する事件が発生。田口は、院長から再度、事実を探るよう指示をを受けてしまう。さらに厚生労働省の役人・白鳥が骨折で運び込まれ、彼にも同じ告発文書が届いていたことを知る。こうして2人は再びこの一件を独自に調査することとなるが…というストーリー。

前作『チーム・バチスタの栄光』の続編で、前作は観ている。前作より、サスペンス色は無いけれど、面白さはパワーダウンしていない。なかなか楽しめた。でも、前作を観ていない人は、ノリもキャラも掴めないだろうから、本作をいきなり観るのは厳禁。
疑わしい人をちりばめてキャスティングする手法は、前作と同じなのだが、貫地谷しほりの扱いはちょっとぞんざいすぎるかな(笑)。ネタバレだが、犯人のキャラが前作と同じタイプなのが気になるところだが、まあ、あまり犯人が誰かは、本作のおもしろさと関係ないから、まあ、いいだろう。

ちょっとストーリーとは無関係なことに気がいってしまったのだが、本作は、興行的に成功したのだろうか。おもしろいに違いはないのだが、劇場で観たいような質の作品ではないと思う。かといってTVスペシャルでは興醒めだと思うし、微妙なラインの作品だ。私は、これは、ペイパービューが適していると思う。ただ、よくあるお金を払うとスクランブルが解除されるタイプではなくって、インターネット配信タイプ(最近、DMMとかでCMしているやつね)。軽い気持ちで、好きな時間で見たい。
こういう、小屋にかけるよりも配信したほうが、見て貰えるタイプの映画もあると思うのだ。本作の場合、劇場公開は10日くらいの限定にして、その後の一ヶ月は配信するとかね。そろそろ社会的インフラも整備され、通信料金も固定になっているので、こういうサービスを拡大すべきだろう。そういうカンフル剤になる作品を、業界は仕掛けるべきである。ふつうレンタルしているような作品では、配信ビジネスは拡大しませんよ。
こういう、続編映画を安価でつくってね(そういうコンテンツは、日本の場合、多いでしょ)。
 

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image0950.png公開年:2006年 
公開国:ドイツ、フランス、スペイン
時 間:147分  
監 督:トム・ティクヴァ
出 演:ベン・ウィショー、レイチェル・ハード=ウッド、アラン・リックマン、ダスティン・ホフマン、アンドレス・エレーラ 他
受 賞:【2007年/第20回ヨーロッパ映画賞】撮影賞(フランク・グリーベ)、エクセレント賞(ウリ・ハニッシュ プロダクションデザインに対して)
コピー:それは、昨日まで人だったもの。

18世紀のパリの魚市場で産み落とされ、危うく捨てられかけた赤ん坊は、グルヌイユと名付けられて育児所に引き取られる。グルヌイユは孤独だったが、超人的な嗅覚の持ち主。青年となった彼は、ある少女の体から匂い立っていた香りに魅了され彼女を追ったが、怯えて悲鳴を上げようとした少女の口をふさぎ、誤って殺してしまう。以来、彼は少女の香りを再現することに執着し、香水調合師バルディーニに弟子入りするのだが…というストーリー。

ここのところソフトな作品ばかり観ていたが、大晦日にエグいのにいきました。本作を観るのは、今回で三回目。

金銭欲やら名誉欲や性欲やら、世の中色々欲があると思うが、本作の主人公のように特異な肉体に宿った能力の趣くままに突き進むのも、人間の業、煩悩である。除夜の鐘で祓っていただきましょう(笑)。

香りという目に見えないものを表現しなくてはいけないところが、本作を制作する上で難しい点だったと思うのだが、CGを極力使わずに、風や演者の表情などでうまく表現できており、私は評価する。

香りに執着する主人公に目がいってしまうけれど、処刑シーンで香りに翻弄される民衆の姿が、本当に描きたかったシーンではなかろうかと私は思っている。人間は、自分の意思で行動できていると思っているだろうが外的要因によって、実意識にコントロールされ、コントロールされていることに気付きもしない。それは、現代であっても同じで、実は何かの熱に犯されているだけなのに、それをもっともらしい言葉で正当化している馬鹿な人間を、笑っているのである。
#私は、強烈なキャラの主人公だが、所詮は狂言回しだ…くらいに思っている。

ラストは好みが別れるところだとは思うが(知り合いは生理的に受け付けなかったようだ)、私は好き。社会性が欠如していた主人公が、社会と自分の関係を始めて意識して、自分の存在意義に絶望したということだろう(元々、世界を支配できる香りなんて、香り自体に興味があっただけで、世界の支配に興味なんかなかったわけだし)。

未見の人は是非観て欲しいと私は思う。エグい表現でコーティングされているが、その裏で語られているものが、覗ければ幸いである。

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image1349.png公開年:2008年 
公開国:日本
時 間:128分  
監 督:西谷弘
出 演:福山雅治、柴咲コウ、北村一輝、松雪泰子、堤真一、ダンカン、長塚圭史、金澤美穂、益岡徹、林泰文、渡辺いっけい、品川祐、真矢みき、鈴木卓爾、東根作寿英、三浦誠己、海老原敬介、青木一、福井裕子、小松彩夏、リリー・フランキー、八木亜希子、石坂浩二、林剛史、葵、福井博章、高山都、伊藤隆大 他
受 賞:【2008年/第32回日本アカデミー賞】話題賞[作品]
コピー:その謎を、愛そう。
ガリレオが苦悩する、その謎とは?

顔が潰され指紋も消されている男性の死体が発見され、その別れた妻・花岡靖子が容疑者と目されたが、完璧なアリバイがあった。内海と草薙は“ガリレオ”こと湯川学に相談を持ちかける。そこで偶然にも、靖子のアパートの隣に住む冴えない男・石神が、湯川の学生時代の無二の親友だったことが判明し、湯川は石神がこの事件に深く関わっているのではないかと疑念を抱き始めるが…というストーリー。

昨日、TV放映されていたようだが、それを観たわけではなく、ちゃんとDVDで観た。
#やっぱり年末は軽めの作品を選んでしまうなぁ。

私はほとんど、日本のTVドラマを見ない(米ドラマはDVDをレンタルしてみる)。複数の理由があるが、毎週おっかけて観るのが基本的に面倒くさいことと、期待を裏切られることが多いというのが大きいだろう。最近では、『ガリレオ』と『BOSS』だけは見た。後者は、米ドラマの『クリミナル・マインド』と『クローザー』と『CSI』と『BONES』を足して10で割ったような作品で、最後のほうは閉口してしまったけど、『ガリレオ』のほうは最終回のヘンテコな装置のセット以外は、とても楽しめて観れた。

そこまで楽しめたなら、本作だって劇場で観たのか?といわれると、残念ながらそれほどでも。東野圭吾ファンとか柴咲コウファンとかだったら観にいったかもしれないのだが、如何せんどちらでもない。

正直に告白すると、じつはフィギュアの着色をしながら観たので、あまり画面はしっかり観ていない(特に前半は)。ラジオドラマ状態だったが、それでもかなりおもしろかった。それは、スペシャルTVドラマがよいデキだったと同等の評価と思ってもらっていい。残念ながら、TVドラマを観ていなかった人が、いきなり本作を観て、素直に楽しめるかといわれると、おそらくそうはならないだろう。

むりやりまとめれば、TVスペシャルはもちろん、前後編くらいにすればTV版のエピソードとして成立しそうなのだが、おそらく、他のエピソードとはいくらか色が異なるからあえて映画のほうにもっていったということだと思う。まず、内海(柴咲コウの役)は、TVのような丁々発止の掛け合いがなく、狂言廻し的でもなく、ただの一刑事の範囲に留まる。

勧善懲悪的でもないし、物理学のトリックを楽しむわけでもない。湯川は自分のポリシーで突き進むか?といえば、かなり人間臭かったりする。ラストも大団円なわけでもないし、カタルシスがあるわけでもない。
東野作品のことはまったく知らないのだが、もしかして、原作としては始めのほうのキャラが固まっていないあたりのエピソードだったりするのかな?

等々、考えると、単作では微妙な作品といえるだろう。

TVドラマを観た人で、観忘れている人は観て!とは言うけれど、そうではない人は、観なくてよい(ありきたりな批評でスマン)。

 

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image1406.png公開年:2008年 
公開国:アメリカ
時 間:122分  
監 督:キャサリン・ハードウィック
出 演:クリステン・スチュワート、ロバート・パティンソン、ビリー・バーク、ピーター・ファシネリ、エリザベス・リーサー、ニッキー・リード、アシュリー・グリーン、ジャクソン・ラスボーン、ケラン・ラッツ、キャム・ギガンデット、エディ・ガテギ、レイチェル・レフィブレ、アナ・ケンドリック、テイラー・ロートナー、ジル・バーミンガム、サラ・クラーク、クリスチャン・セラトス、ジャスティン・チョン、マイケル・ウェルチ、ホセ・ズニーガ、ネッド・ベラミー 他
ノミネート:【2009年/第18回MTVムービー・アワード】作品賞、女優賞(クリステン・スチュワート)、キス・シーン賞(クリステン・スチュワート&ロバート・パティンソン)、格闘シーン賞(ロバート・パティンソン vs キャム・ギガンデット)、ブレイクスルー演技賞[男優](ロバート・パティンソン、テイラー・ロートナー)
コピー:世界中がハマった究極の純愛映画!!
「これ以上好きになると、君の命まで奪ってしまう」

母の再婚を機に父親と暮らすため、アリゾナからワシントン州フォークスの小さな町に引っ越してきたベラは転入した高校でミステリアスな雰囲気の5人の男女と出会う。彼らは町医者のカレンに養子として育てられていた。そして、ベラはそのうちの一人のエドワードに惹かれ始めていく。素っ気ない態度を見せていたエドワードもまた、周囲に染まることのないベラの不思議な魅力に密かに惹きつけられていくのだったが、彼とその家族がヴァンパイア一族であることを突き止めてしまう…というストーリー。

二日連続ロマンスものとは、私らしくもないのだが、さすがに年末年始はハードなものはみたくないということだろうか。

まったく期待はしていなかったのだが、これはなかなか興味深い作品であった。なんといっても、いい意味で裏切ってくれるシナリオに注目。まず、ミステリアスなバンパイア家族が登場したところで、主役カップルが家族から孤立して、逃走の末に悲恋の結末…といったものを想像したが、そうはならず、あっさり家族は受け入れる。なんといってもバンパイヤ家族によるベースボールレクリエーション(笑)。なかなかいいセンスだと思う。
根本的に、バンパイアと人間のロマンスなんて、今まであるようで無かったと思うしね。

ターゲットは若い女性層だと思うが、少女漫画チックといってもいいだろう(MTVムービーアワードしか受賞していない所でなんとなくわかるでしょ)。これを軽い気持ちでテキトーにつくったら、マンガに毛の生えたような陳腐な作品になってしまうところだが、マジメにしっかり作りこんでいるので、男性の鑑賞にも耐えるものになっている。設定的にも、充分、シリーズ化が可能だし、続編を匂わす終わり方だが、実際に『ニュームーン/トワイライト・サーガ』が製作されている。今後も、ステレオタイプなロマンス展開から、あえて外すようにもっていければ、一つの大きなうねりになりうる、キラリと光る何かを感じる。

でも、調子こいて、日本でドラマ化なんてしたら失敗すると思うよ。雰囲気づくりが興醒めさせないマスト条件だと思うからね(ドラマにしちゃぁドン引きでしょ)。

是非に観るべき!とまではいわないが、ハードなものは観たくない、だけど、ハリーポッターみたいなファンタジーちっくなのも観たくないな…というときには、本作を選んでみてほしい。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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