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image2001.png公開年:2012年  
公開国:アメリカ
時 間:127分  
監 督:ルパート・サンダーズ
出 演:クリステン・スチュワート、シャーリーズ・セロン、クリス・ヘムズワース、サム・クラフリン、イアン・マクシェーン、ボブ・ホスキンス、レイ・ウィンストン、ニック・フロスト、トビー・ジョーンズ  他
コピー:“おとぎ話”は終わった。今、新たなる「白雪姫」伝説がはじまる!
この夏、世界は、初めて出会う。戦う白雪姫と――。


容姿も心も美しい王女スノーホワイトは、幼い頃に母を亡くす。父のマグナス王は、ラヴェンナという女性を新しい王妃に迎えるが、ヴェンナの正体は魔女。マグナス王は殺されてしまい国を乗っ取られてしまい、スノーホワイトは城の塔で幽閉されてしまう。それから7年。女王ラヴェンナは魔法の鏡にいつも問いかけていたが、成長したスノーホワイトが自分よりも美しい存在になることを聞かされる。そして、スノーホワイトの心臓を食べれば、永遠の美と若さを手に入れることが出来ると知った彼女は、彼女を殺そうとするが、闇の森へ逃げ込まれてしまう。女王は、森に詳しいハンターのエリックを雇い、スノーホワイトを追跡させるが、スノーホワイトと出会ったエリックは、女王が嘘をついていることを知り…というストーリー。

シャーリーズ・セロンは、魔法で美貌を保っているという設定なのだが、ノーメイクの写真をパパラッチされて、散々ババア呼ばわりされいるのを逆手に取ったともいえ、その開き直りは、ある意味すごい。メイク技術のおかげだとしても、相変わらずの美貌だし、威厳を感じる演技だと思う。それだけに、小雪の吹き替えのヘタさが残念すぎる。
残念というか単純にヘタクソ。トホホとかそういうレベルではなく、衝撃的なヘタさといってよい。シャーリーズ・セロンにマッチしていないだけでなく、根本的に声優としての力量がなさすぎ。学芸会レベルとはまさにこのこと。声を張り上げたセリフなんか、はずかしくて聞くに耐えなかった。威厳の無さは皆無。シャーリーズ・セロンに苦情を言われても言い返せないレベル。これが、最期まで続く苦痛。そして慣れることすらできないヘタさ。

冒頭、ナレーションで話が進むのも、ちょっと興醒めする。また、この世で一番美しいのは誰…それはスノー・ホワイトといわれても、クリステン・スチュワートがそれというのは、さすがにちょっと納得できない。『トワイライト』の一作目の時くらいならなんとか納得できるのだが…。見た目の美しさじゃなく、やさしさとか心の強さとかトータルバランスで1番なのよ…とか、うまいこと説明するしかないのだが、そこはうまく表現できていない。

ある意味、王子の口付けで目覚めるという展開がクライマックスだといえるのだが、シナリオ上、何やらうやむやに処理された感じ。そしてあれよあれよという間に、童話のはずなのに、いつのまにやら革命劇になってしまう。白雪姫のジャンヌ・ダルクをやらせるとは、『アリス・イン・ワンダーランド』と似た展開だ。スタッフが近いといってもテイストが一緒すぎる。

でも、白雪姫をアクション活劇として立派に仕立て上げている点は評価できると思う(というか、どうにでもしてくれと、観ている側もヤケクソな気分になる)。魔女も、『乱』の楓の方みたいに、実は復讐の鬼だったというのは面白いかも。
ハンターとか王子的な男の子とか、なんか男キャラは適当極まりない。七人の小人は別に小人じゃなくてよかったんじゃないかと思うくらいどうでもいい(いまいちワクワクしなかった)。

あまり真剣に振り返る気がおきないレベル。極めて凡作だと思う。
#途中のロード・オブ・ザ・リング的な展開には、苦笑い。

 

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image0653.png公開年:2005年
公開国:アメリカ
時 間:121分
監 督:ロブ・コーエン
出 演:ジョシュ・ルーカス、ジェシカ・ビール、ジェイミー・フォックス、サム・シェパード、ジョー・モートン、リチャード・ロクスバーグ、イアン・ブリス 他
コピー:終わらせない、未来を。
極秘任務ヲ遂行セヨ。



近未来。アメリカ海軍はテロ対策プロジェクトのメンバとして、ベン大尉、カーラ大尉、ヘンリー大尉の3人を選抜。彼らは最新鋭ステルス戦闘機タロンのテストパイロットとして、成果を挙げていく。ある時、プロジェクトの責任者カミングス大佐から、航空母艦エイブラハム・リンカーンでの洋上訓練と、新たなな仲間が加わることが告げられる。これまでの訓練で強いの絆が生まれていた3人は、メンバーの増員に困惑するのだった。しかし、新たに加わる仲間とは人工知能を持った無人ステルス機“E.D.I(エディ)”だった。しばらくして、3人とE.D.Iに対しテロリストの基地を爆破する任務が与えられる。いくつかのトラブルはあったものの、何とか任務遂行し母艦へ戻る途中、E.D.Iは落雷を受けてしまい…というストーリー。

戦闘機のバトルは非常に迫力があって愉しかった。が、それだけといえばそれだけ。

ジェイミー・フォックス、こんな早くご退場かよ~~って、感じなんだけど、この作品が面白くないのはそのせいじゃない。むしろ、それについては、意外性があってよかったと思う。

何故この作品がノリ切れないのか。それはエディに萌えないから。人工知能だけど、なかなか可愛いヤツ…っていう受け止め方ができれば、ラストのエディの献身を見て盛り上がったに違いない。それこそ、ペットのような感覚になり、そんなエディちゃんが人間のためにいじましく行動してくれたら、感情移入できただろう。ところが、落雷を受けた後の暴走っぷりが際立ちすぎて、観客の気持ちは完全にエディを悪役と見てしまう。狂った理由が落雷という不可抗力だから…と軽く考えたのだろうが、落雷は単なるきっかけにして、悪の心は落雷の影響で成長したエディに無理にプログラムを上書きしようとした副作用…とか、そういう設定にいたほうがよかった。

だから途中で改心(?)しても、観客の頭の中にできあがったスキームは変わらない。ベン大尉が機体の火を消してあげたから、なついたとでも? どこに、友情ができるきっかけがあったのか? ポイントがわからない。このメリハリの無さがどうもいけない。

エディ以外もかなりヒドい。ロシア領空に侵入しておきながら、相手を撃墜して当たり前みたいな顔しているアメリカ軍人さんたち。北朝鮮に墜落して、北朝鮮軍に追われるカーラ大尉。近未来だからその時の北朝鮮の情勢とかアメリカとの関係がどうなっている設定なのかわからないけど、まあ、1対多とはいえ撃つは撃つわ。韓国との国境でも、容赦なく爆撃だ。
もう、アメリカの好き放題。いや、これは逆にアメリカの横暴を批判しているに違いない。そう思えるほど。

エディは、『ドラえもん のび太の海底鬼岩城』のバギーちゃんに比べたら、100分の1も泣けない。

もう一つの話の筋になっている、、ベンとカーラの恋愛ネタは、カーラが北朝鮮に落ちた後、救出にいく理由のためだけに存在する。もっと別の仕掛けを考えたほうがよかっただろう。
カミングス大佐の最期も、一応最大の悪役の顛末なのに、まったくカタルシスがない。なんといっても、主人公たちと直接絡まないからね。

巨額の制作費をかけたと思われるが、なんとか“可”レベル。

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imageX0072.Png公開年:1982年
公開国:アメリカ
時 間:121分
監 督:ジョン・ミリアス
出 演:アーノルド・シュワルツェネッガー、サンダール・バーグマン、ジェームズ・アール・ジョーンズ、マコ、ジェリー・ロペス、ヴァレリー・クイネッセン、マックス・フォン・シドー 他
受 賞:【1982年/第40回ゴールデン・グローブ】新人賞(サンダール・バーグマン)



有史時代をはるかに遡るハイボリア時代。ある日突然、平和な集落を騎馬隊が襲撃する。その首領タルサは、コナン少年の目の前で刀匠の父と母を惨殺。コナン少年も多くの子供たちと一緒に捕虜となり、製粉工場の車輪を押す苦役に就かされる。やがて子供たちは力尽き、15年後にのこったのはコナン一人だけとなった。狂人な肉体となった青年コナンは、闘技士として売られるが、戦歴を重ねた後に自由の身となる。その後、モンゴル人のサボタイと仲間になり、タルサがいるというザモラの国へ赴く。そこに建つ蛇の塔に大蛇の目という宝石があることを聞き、盗みに入ると、そこでた女盗賊ヴァレリアと出会い…というストーリー。

東欧と西アジアの交わりあう世界観が、ダイナミック且つ新鮮。ハスキー犬のみたいな、アホっぽいつぶらな瞳のシュワちゃん演じるコナンの魅力がハンパない。シュワちゃんの魅力だけで引っ張っるB級作品かと思いきや、実はそこそこお金はかかっていて、大蛇のマペットのデキは良いし、コナンを蘇らせるときに襲ってくる、悪霊の合成もなかなかウマい。そして、こんな筋肉ファンタジー作品なのに、脚本にオリヴァー・ストーンが名を連ねているという驚き。

シナリオのセクションごとに目的がはっきりしていて、小難しいところが一切なく、頭を使わず気楽に観ることができる。親の敵であり、愛する女の敵でもある邪教集団への復讐はどのように結実するのか。なんとも判りやすい。
だが、逆に言えば行き当たりばったりな部分も多いといえる。あの人並みはずれたマッチョボディで普通に潜入しようと思う発想とか、タルサの軍勢が何千人もいるとかいわれていた割にはラルサが普通に馬で走っていて簡単に襲えちゃうとか、コナンの親を殺した頃はちゃんと中世の騎士みたいな風貌だったのにいつのまにか革ジャンきた荒くれ者みたいになっていたりとか、ヒロインは一人の法則が発動して王女を救った瞬間に一人死んじゃうとか、風呂敷を広げるだけ広げた末にナレーションで終わるという、荒業。けっこう都合主義すぎて、微笑ましい失笑が満載である。
一回も観たことが無いと思っていたが、お蛇様に精神を乗っ取られ、行き着くところまでいくと化身してしまうという演出で思い出した。この蛇に化身しちゃうシーンの記憶はあったね。

「コナンはキンメル族だから泣かない。かわりに俺が泣く」こういう、ヒロイックファンタジーにピッタリなノリがとても面白い快作品。まあ、わざわざレンタルして観るほどか…といわれると微妙だけど。

#マコ岩松が亡くなって、もう6年も経つのだな…。

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image1994.png公開年:2011年
公開国:香港、中国 
時 間:115分
監 督:ピーター・チャン
出 演:ドニー・イェン、金城武、タン・ウェイ、ジミー・ウォング、クララ・ウェイ、リー・シャオラン 他
コピー:挑むは、偽りの真実。




1917年の雲南省の小さな村で、両替商に押し入った2人組の強盗が、紙職人ジンシーともみ合っているうちに死んでしまうという奇妙な事件が発生した。事件を担当する捜査官シュウは、死んだ強盗の一人が名手配中の凶悪犯イェンだと気付く。イェンは武術の達人だったことから、いくらジンシーが必死に抵抗したとしても、丸腰の彼が偶然倒してしまうことがあり得るか?と疑問を抱く。さらに死体をくまなく調べると、高度な殺しのテクニックが使われている可能性が上がる。シュウは、真面目でおとなしいジンシーの素性を疑い始めるのだが、ジンシーは村を救った英雄として祭り上げられ…というストーリー。

金田一耕助の中国版かな…と思ってレンタル。金田一耕助の世界観である、因習が残る地方の村と、戦後まもなくの何でもありの舞台っていうのは、中国にもマッチするに違いない。いや、むしろ中国のほうが面白くなるかも…。

大変期待したのだが、原題は“武侠”なんだな。ここがその作品にポイントだった。
前半は予想したとおりに、派遣されてきた捜査官が、比較的近代的な捜査技術を用いて、真犯人を捜してく流れ。身なりも特徴的で、物腰はやわらかく、そのくせ鋭い考察力で、金田一耕助に近い。ちょっとく薬でやられちゃってるところは、原作の金田一耕助に近い。きっかけとなった事件は解決したものの、ジンシーの行動や死体の状況がどうも引っかかり、村の英雄に祭り上げられたジンシーを、個人的に調査をする。この流れはなかなか興味深い。

しかし問題は、推理劇からアクション劇にシフトするところの、違和感がハンパないことだ。そして、その間、主人公と思っていた金城武演じる捜査官シュウが、お留守になってしまう。というか、前半に作り上げたキャラが台無し状態に。
所詮香港の作品なので、カンフーアクションを差し込まなければ観客も満足しないは仕方が無いにしても、ジンシーが主役に踊り出るのはまずい。この構成のマズさが、敗因だと思う。
#というか、こういう内容なのに、“捜査官”にスポットをあてる邦題ってのが騙す気マンマン、悪意満載なんだよね。

過去に発生した猟奇殺人で、二人に繋がりがあったというのは、悪いシナリオではない。しかし、肉屋での猟奇殺人が、個人による犯罪ではなく、組織犯罪だったという流れは興醒めする。日本人にはこういう集団での猟奇殺人がピンとこないから。中国人は日本人こそ、軍でおぞましいことをやったではないか! というかもしれないが、残念ながらそれはほぼ中国側の捏造である。日本でこういうことが起こるのは、個人もしくは少数での犯行。金田一耕助で猟奇殺人の犯人が集団だったなんてことないでしょ。桐野夏生の『OUT』でせいぜい4人だもんね。日本人のメンタリティにはそぐわないんだ。自分たちにそういうことができるから、相手もできるだろうと勝手に思い込んでいるのだろうが、集団行動で抑制が効かなくなるのは中国人の特徴である。文革も反日デモでも証明済だろう。

犯人にリアリティが感じられなければ、サスペンス物はつまらなくなる。というか、後半は謎解きなんかどうでもよくって、単なる、1対他のアクション物に変貌してしまう。冒頭で紹介されていた猟奇殺人犯の例は、個人だったのにね。なかなか練られているな…と思ったのに、“七十二地刹”って…、実にがっかりさせられた。

捜査官シュウがジンシーを助ける理由が、中途半端な贖罪意識というのもいただけない。彼を助ける強固な理由が欲しかった。そして最後は落雷で解決って、いくらなんでもさ。凡作以上の評価を出せる要素がない。期待していただけに残念。

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image1993.png公開年:2011年
公開国:オーストラリア、アメリカ
時 間:117分
監 督:ゲイリー・マッケンドリー
出 演:ジェイソン・ステイサム、クライヴ・オーウェン、ロバート・デ・ニーロ、ドミニク・パーセル、エイデン・ヤング、イヴォンヌ・ストラホフスキー、ベン・メンデルソーン 他
コピー:彼らは、実在する。



1981年。殺し屋に嫌気がさして引退し、オーストラリアで恋人と静かに暮らしていたダニー。しかし、彼の元に、殺し屋の師匠だったハンターが人質にされているポラロイド写真が送られてくる。ハンターは、オマーン族族長の息子達を殺害した三人のSAS隊員を暗殺するというミッションに失敗し拘束されていたのだ。ダニーはハンターを救うために、そのミッションを引き継ぐことに。ダニーは、デイヴィスとマイアーというかつての仲間に協力を依頼し作戦を遂行するが、彼らの前に“フェザー・メン”という元SAS隊員で構成された謎の組織が立ちはだかる…というストーリー。

車を見て、かろうじて数十年前の話なんだな…ということが判る。クライヴ・オーウェンが演じた役が原作者に当たるのかな?話自体どこまで、真実かどうかわからないけど、イギリスの中東での暗躍っぷりはヒドいものだったからね。いくらイギリス政府が否定しても、まあ、このくらいのことはあっただろうな…というリアル感はある。今の中東問題の原因の半分以上はイギリスのせいだといって過言じゃないから。

ただ、中盤までは、どうにも引っかかる所が多くて、いまいちノリ切れない感じ。
なんで、殺された息子の報復のために、罪の告白の証拠が必要なのか。適当に誰かを殺して復讐しました…じゃ許されないってのは何となく理解できるけど、そんな自供なんか拷問で強要できるだろうし。また、なんで事故に見せかけて暗殺しなければならないのか。イギリスとオマーンの間で揉め事が表面化すると、政治的に不都合があるってことなんだろうが、拉致して秘密裏に処分したっていいじゃないか(実際、そういうことになるし)。なんで、オマーンのじいさんは、無意味にハードルを上げているのか…。

また、“フェザーメン”がSASを守るための組織だっていうのも、いまいち判りにくかった(フェザーメンって常識?)。また、旅行代理店を装っている黒人の行動の真の目的も、その立ち位置も、判りにくい。

正直、百戦錬磨のSAS相手に暗殺を遂行していくというスリリングな展開のはずなのに、演出が地味で眠くなる。画面を良く見ていないと見落としそうになる演出も多くて、ヨソ見していたせいで、それってどういうこと? って感じで何回か巻き戻した。
ミッションも完了して、ああ、凡作だったな…とあきらめたところで、残り40分。ここからは、急にアクションも派手になるし、出てる意味あるのか? と思っていた彼女も、やっと機能してくる。別の監督か?ってくらい、テンポが良くなる。こういう追い詰められてからのブチ切れ展開は、ジェイソン・ステイサムのお得意。

それ以前に、デニーロ演じるハンターが、強いんだか弱いんだか。そんなに凄腕なら、捕まるんじゃねえよっていう思いが湧いてくる。だから、きっとハンターも裏切ってたりするんだろうな…なんて思っていたのだが、全然そんなことはなかった。なんか、イマイチな役柄。

単なる悪役だと思っていた、クライヴ・オーウェン演じるスパイクも、信用していたSASから裏切られることになるのだが、最後の最後まで、ダニーと敵対し続ける。せっかく、メイン級の役者を三人揃えたんだから、協力プレーをする展開も観たかったような気がする。
まあまあの作品。

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image1977.png公開年:2012年
公開国:アメリカ
時 間:88分
監 督:モンス・モーリンド、ビョルン・スタイン
出 演:ケイト・ベッキンセイル、スティーヴン・レイ、マイケル・イーリー、テオ・ジェームズ、インディア・アイズリー、チャールズ・ダンス、クリステン・ホールデン=リード、ジェイコブ・ブレア、アダム・グレイドン・リード、キャトリン・アダムズ 他
コピー:新たな敵は、<人類>。



信頼していたビクターに騙されていたことを知り、その怒りから彼を粛清するセリーン。ハイブリットとなったマイケルと共に逃避行を続け、ヴァンパイアからもライカンからも追われる身となっていた。その後、人間社会は両種族の存在を公表し、明確に弾圧を開始。ヴァンパイアからもライカンの数は一機に減少することになった。セリーンも、結局人間に捕らえられ、以後バイオ企業アンディジェン社に冷凍監禁されるのだった。12年経ったある日、突然眠りから覚めたセリーンは、施設から脱走。マイケルの存在を捜したが、その過程で、生まれながらの混血種の少女イヴと出会い…というストーリー。

第4弾だけど、前作はビギンズ物だったので、実質3作目といってよい。2作目の『~ エボリューション』で自分の出自だけでなく、ライカンもヴァンパイアも同じ血筋だったという、なかなか無茶な展開を見せてくれた。そしてハイブリットの男を逃亡するというオチ。両種族から追われる展開で続けることもできなくはないが、さすがにつまらない(むしろ、そこで終わってくれたほうが潔かった気もするが)。
そこで、12年の眠りにつかせて、その間に両種族とも絶滅の危機に瀕する状態という、パラダイムシフトをおこして新展開に突入。むりやりな引っ張り方が『バイオハザード』シリーズを彷彿とさせる。

前作から妙に間が空いてしまったので、本作の冒頭では、1作目と2作目のダイジェストが流れる。たしかにこの説明がないと、思い出せないだろう。

対象としているターゲットの違いだけあって、基本設定は『トワイライト』シリーズとさほど変わらない。なんで、アメリカ人は、狼男一族とバンパイア一族の争いという構図が好きなのか。そして、その間に禁断の愛が生まれる展開が好きなのか。
おそらく、長らくアメリカ社会に横たわってきた、白人による黒人の迫害という構図が、無意識に投影されているからだろう。個々人の間では、うまく折り合いをつけていることもあるし、好意が生まれることすらあるが、公式には両陣営は立場を分かつべきものとされており、生まれた親和や愛情も、そういう社会構図によって最終的には霧消していく。ライカンもヴァンパイアも同じ血筋だったという展開も、これも、白人も黒人も同じ人間で、その間の争いなんてものは、実に空しいもの…という主張を遠まわしに表現したものだと思う。

蒼黒い世界の中に、凛と立つセリーン。そのケイト・ベッキンセイルのはっとするような美しさが、異常なほどに際立っていたのだが、本作では、美貌の劣化が否めない。その分、アクションで…と思うわけだが、ライカンの動き(フルCG)も劣化してしまっている。興醒めするくらい動きが悪い。
太陽に当たっても大丈夫になっちゃっているので、以前の耽美というか陰湿というか、そういう世界観の中にあるスリリングさも薄れてしまったし。

ライカン、バンパイア、人間の三つ巴になるのかと思いきや、直接的なバトルという意味では、人間はあまり登場せず、結局は人間に化けたライカンと、生き残りバンパイアといういつもの流れに。まあ、こんなもんだろうという諦めはつくのだが、何をどうひっくり返しても、各種族が破滅する以外の道は、想像しにくく、最終的にこの“サーガ”はどうなっちゃうんだろう…という興味が涵養されないのが、本シリーズの弱いところだ。『バイオハザード』シリーズの6割くらいのおもしろさ…という評価が妥当かと。

もう、こんなに中途半端になるのなら、そんなアホな!ってくらいの、ムチャクチャな展開で終わってくれないものだろうか…と。

 

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image1987.png公開年:1986年
公開国:イギリス
時 間:117分
監 督:ラッセル・マルケイ
出 演:クリストファー・ランバート、ショーン・コネリー、クランシー・ブラウン、ロクサーヌ・ハート、ビーティ・エドニー、アラン・ノース、シーラ・ギッシュ、ジョン・ポリト、ヒュー・クァーシー、クリストファー・マルコム、ピーター・ダイアモンド 他




1536年、スコットランド。コナー・マクロードが率いる高地の民“ハイランダー”は、黒い騎士“クルガン”が率いるフレイザー一族と戦う。コナーはその戦闘で死亡してしまうが、しばらくして蘇生する。村人たちはコナーが悪魔の力で蘇ったと考え、コナーを村から追放するのだった。その後コナーは、山奥に逃げ込み、そこでヘザーという女性と結婚し、幸せな生活を送る。5年経ったある日、コナーの前にスペインからやってきたラミレスという男が現れ、コナーも自分と同じく“不死の者”だと告げる。世界には複数の不死の者がおり、首をはねられない限り永遠の時を生きる存在で、かつてコナーを殺したクルガンもその一人だという。そして、未来のいつか“集合の時”が訪れたとき、不死の者たちは“究極の宝"を手にするため、最後の一人になるまで殺しあう運命にあると。その日から、コナーはラミレスから剣の手ほどきを受け、戦士として鍛え上げられていくが…というストーリー。

週刊少年ジャンプの匂いがする。剣を持った正邪の戦士が終結し争うという内容は、まるで『風魔の小次郎』の聖剣戦争編みたいだし、ラミレスとコナーの関係は、『ジョジョの奇妙な冒険』第二部のツェッペリとジョセフみたいだ。
ちなみに、『風魔の小次郎』の小次郎は、本作の製作年より前だけど、ジョジョの二部は本作より後(どっちがパクったとかパクってないとか、そういうことを言いたいわけではない)。

紀元前600年前に、マサムネという男が作った日本刀とか、いくらなんでもアホ設定すぎる~と思ったけど、後で、古美術に造詣の女性キャラが、「日本刀の歴史はせいぜい中世以降…」というセリフがある。判っていて、わざとトンデモ設定を放り込んでいるわけだ。そういうところも少年ジャンプ臭くていい(まるで民明書房だぜ)。

展開は、現代のニューヨークで“集合の時”に引き寄せられた戦士たちのバトルと、コナーを取り巻く女性たちの物語。そして、彼がこれまでどのように生きてきたのかを、交互に観せる。現代側だけだとかなり凡庸なのだが、この現在⇔過去の振幅が、なかなか味わい深い。第二次大戦で救った女の子のくだりは、もっと膨らませてもよかったと思うが、まあ、ロクサーヌとの兼ね合いもあるし、あんなもんだろう。

何故、音楽がクイーンなのか。なんでこんな所にショーン・コネリーを持ってくるか。それもエジプト人の役で。おもしろきゃそれでいいじゃないか。その勢いがものすごく楽しい。
後にTVドラマ化したようだが、まだいる不死の戦士をユニークな姿で出せばいいわけだし、そりゃ作りたくもなる。マンガチックな展開がお嫌いでなければ、とても愉しめること請け合い。

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image0557.png公開年:2001年
公開国:フランス
時 間:138分
監 督:クリストフ・ガンズ
出 演:サミュエル・ル・ビアン、ヴァンサン・カッセル、モニカ・ベルッチ、エミリー・ドゥケンヌ、ジェレミー・レニエ、マーク・ダカスコス、ジャン・ヤンヌ、ジャン=フランソワ・ステヴナン、ジャック・ペラン、ヨハン・レイゼン、エディット・スコブ 他
受 賞:【2001年/第27回セザール賞】衣装デザイン賞(Dominique Borg)
コピー:18世紀フランス・ジェヴォーダン地方、100人を越える女と子供が忽然と姿を消した……。残された死体の傷跡。狼の仕業か?それとも呪いか?フランスの歴史における最大の謎、<ジェヴォーダンの野獣>の伝説が遂に明かされる!!

18世紀、ルイ15世統治下の啓蒙思想が広がりつつあるフランス。ジェヴォーダン地方にて、女子供ばかり100人以上が謎の獣によって惨殺される事件が発生。ルイ15世は、獣の正体を突き止めるため、王室博物学者のグレゴワール・ド・フロンサックを派遣した。フロンサックは新大陸にて義兄弟の契りを交わしたアメリカ先住民モホーク族のマニを伴い、ジェヴォーダン地方に赴く。しかし、二人の懸命な捜索にもかかわらず、獣を発見することができないだけでなく、惨劇も止まらず…というストーリー。

この話は、18世紀のフランスで実際にあった事件が元になっているとのこと。オオカミに似た生き物が人々を襲ったというのは、史実らしい。でも結局、獣の正体は不明。狼や外国の犬系の生物との交雑種という話もあるし、この獣騒動自体が陰謀だという説もある。本作は、そういう虚虚実実の諸説があることを、そのまま謎解きサスペンスにした感じ。

フランスのこの手の作品は、倒錯した血縁関係、因習がはびこる地方の村、得体の知れない村人を襲う何者か、というパターン。もう、そのパターンばかりといってよい。『クリムゾンリバー』だってそうだよね。フランス映画のフィクションのサスペンス作品って、面白いのはこのパターンだけっていう話もあるけどね。

舞台設定は、『スリーピーホロウ』に似ている。
その村が、相当な郊外の村であること。主人公が異文化を持ち込むことも観ている。獣は誰もみたことがなくって、実はいないんじゃないか?村人の思い込みなんじゃないか?という線も残しながら、謎解きが展開するのも似ている。村の教会の関係者や有力者がどうやら鍵を握っていそう…という展開も似ている。その関係者の娘が、主人公とよさげな関係になるのも似ている。
大きく違うのは、コミカルなノリが一切皆無であることと、中世ヨーロッパの重厚さ効いている舞台。そして、主人公にネイティブアメリカンのお供がいるっていうこと。でも、このキャラクター、観終わってから考えると、必要があったのかちょっと疑問になる。すごい武術の達人で、無双状態なんだけど、前半でやられちゃうのだ。
もっとネイティブアメリカン部族の秘術とか言い伝えとかが、獣の謎の解明に役立ったとかなら理解できるのだが、それほど重要な鍵になったわけでもない。とてもいいキャラクターで、キリスト教社会の埒外にいる存在というのは、生かせたと思う。獣退治に加担する若侯爵のキャラクターが良かったので、そいつと主人公とはまた別の友情が芽生える流れでもよかったと思う。

で、後半どうするのかな…と思ったら、主人公もそのネイティブアメリカンと同じ、というか何ならそれ以上に無双状態だった。そこまでできるんなら出す必要なかったんじゃないかな。
このあたりから、結構グダグダになっていく。主人公に恋心を抱く娘さんの顛末も、身も蓋も無さも相まって、せっかく、謎解きに向かって盛り上がっていくはずなのに、ダレてくる。眠くすらなってくる。ヴァンサン・カッセル演じるジャンがアフリカに行っていた件や、彼の腕が壊死しかかっているという件など、獣の正体と関係があるのかと思ったが、関係なかった。題

材もいいし、アクションも良かったので、終盤をブラッシュアップしてから、もう一度観たいくらい。何なら、この事件を題材にもう一度作り直しても…。

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image1130.png公開年:1979年
公開国:オーストラリア
時 間:93分
監 督:ジョージ・ミラー
出 演:メル・ギブソン、ジョアンヌ・サミュエル、スティーヴ・ビズレー、ヒュー・キース・バーン、ティム・バーンズ 他
受 賞:【1980年/第8回アボリアッツ・ファンタスティック映画祭】審査員特別賞
コピー:今!バイオレンス・ヒーロー誕生
もう許せない 今!恐怖の暴力に復讐の戦いが始まる


近未来の世界。警官のマックスは、同僚のグースから無線連絡を受け、逃走中の“ナイトライダー”と呼ばれる警官殺しを追跡していた。恐れ知らずのマックスは、ナイトライダーを追尾するが、その執拗さに恐怖心を抱いたナイトライダーはブレーキ操作を誤り、そのまま工事現場に突っ込み死亡してしまう。悪人を退治したことは良かったのだが、自分のやっていることは、バッヂのあるか無いかだけで悪人と変わらないのではないか…と思い始める。そして思い悩む彼を見る妻ジェシーも、彼の危険な仕事に不安を抱く。一方、ナイトライダーの死を知ったグループ“アウトライダー”のメンバーは、復讐のために町の者を脅かし始める。そしてエスカレートした彼らは、マックスの同僚であるグースを焼き殺すのだった。その死に様にショックを受けたマックスは、上司に辞表を出すのだったが…というストーリー。

アメリカじゃないのはすぐわかる。右ハンドルだし、所々ハエが映り込む。いかにも、オーストラリア。

それぞれの陣営の立場を明確にして、その対立を煽る事件や、敵役に直感的に憤慨するような出来事を流し込んでやれば、自然とキャラが動き始める。そういう基本はできているシナリオ。低予算の映画らしく、転倒シーンなんかは普通に転倒させてそれを撮影しているだけ。これ結構ヤバいんじゃね?っていうシーンもある。ローテクが産むリアル感がハンパない。

ヤられ方も身の蓋も無い。奥さんは森で襲われちゃうんだろ?と思いきや、なんとか逃げ切る。逃げ切ったと思ったら、納屋でまちぶせ。そこで襲われちゃうんだろ?と思いきや、ばあちゃんが救出。さすが女と赤ん坊は殺さねーんだな…と、思ってたら、道路で轢死とか。女子供も容赦ない展開っていうのは、ありそうで案外ない。

“ヒャッハーッ”状態の悪役どもに対して、違法改造した車や武器を駆る復讐鬼となった主人公。バッヂがなければ奴らと大差ないと悩んでいた主人公が、そのリミッターをはずすと…。メル・ギブソンは、デビュー作からぶちギレキャラなんだね。お似合いだ。

ただ、どんどん追い詰めていくんだけど、それほどブチ切れた感じでもなく、淡々と始末していく。いや、始末というか悪者のほうが自滅してクラッシュしていくので、やっつけた感とか、追い詰めるハラハラが案外少ない。なのであまりスカっとしない。もうちょっと派手な演出をしてもよかったかも。

大体にして、舞台が広範囲なのに、どこにいっても“アウトライダー”がいて、彼らとしかモメないってのは、シナリオとしていかがなものか…(笑)。

まあ、この荒削りが味なわけだし、その辺を卒なくしちゃうとここまで記憶に残る作品にはならなかっただろう。この荒削りゆえに、続編が作りたくなったんだろうし(でも続編は似ても似つかないテイストになったけどね)。昨今の作品にはない雰囲気の作品で、たまに観ると物凄く新鮮だった。

 

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image1937.png公開年:2011年
公開国:アメリカ
時 間:129分
監 督:ガイ・リッチー
出 演:ロバート・ダウニー・Jr、ジュード・ロウ、ノオミ・ラパス、ジャレッド・ハリス、レイチェル・マクアダムス、スティーヴン・フライ、エディ・マーサン、ケリー・ライリー、ジェラルディン・ジェームズ、ポール・アンダーソン、ウィリアム・ヒューストン、ウォルフ・カーラー 他
コピー:もう一人の天才、現わる。


19世紀末、世界各地で不可解な爆破事件が続発。シャーロック・ホームズはこれらの事件の裏に、表向きは数学教授だが、天才的な犯罪者という裏の顔を持つモリアーティ教授がいると睨む。しかし、こんな世界の危機を前にして、助手のワトソンは、結婚して新婚旅行へ向かうという。ところが、なぜか新婚旅行のワトソンがモリアーティ一味の襲撃を受ける。ホームズの機転でなんとか命は助かるが、新婚旅行は台無しに。事件の調査を開始した二人は、ジプシーの女シムが事件の鍵を握っていることを突き止める…というストーリー。

ガイ・リッチーのお約束である爆破シーンのスローモーションは、前作よりもますます凝った感じに。だけど、相変わらず、アクションシーン以外の画に魅力が薄い。軽く眠りに落ちちゃった箇所もあるくらいで、何度か巻き戻したわ。

シャドウゲームってなんやねんと思って観ていたら、格闘シーンの先の読みあいみたいなことを指してるらしい。『グラップラー刃牙』のノリ。まあ、おもしろいっちゃあおもしろいんだけど、結局同じアクションを二回見ることになるのが、なんだかね(笑)。まあ、ラストのモリアーティ教授とのライヘンバッハでのバトルに、意味を持たせる趣向なんだろうけど。
ただ、先読みってよりも、そこまでいっちゃうと、もう超能力なんじゃねーの?ってレベル(電車内でバトルとかね)。やりすぎだね。

モリアーティは死の商人として暗躍するどころか、戦争を勃発させるために地位も名誉も得ているという、ガチガチの悪魔。理路整然とした思考を持っていながらテロ行為に一抹の罪悪感も感じない様子は『ダークナイト』のジョーカーを彷彿とさせる。その巨悪っぷりとは裏腹に、見た目はただのうすらハゲのオッサン。その部下も凄腕スナイパーなんだけど、貧乏臭いオッサン。敵の戦闘員(笑)がみんな同じ顔って、最後のほうに説明されるまで全然気付かない。とにかく敵がビジュアル的に魅力なさすぎ。

子供にもわかりやすい伏線(バレバレという意味ではない)や、戦争前夜のヨーロッパという小難しい情勢を扱いながらもシンプルな対立軸。特に、羊から取ったホルモン剤、特注の酸素吸入器など、小道具関係はうまく配置できていると思う。
ただ、作為がすぎて、まともな推理物であることは完全に放棄しているように思える。アクションに絞ったのだな…と。まあ、その割りきりのおかげで面白くなっているとは思う。
それにしても、パート2にしてモリアーティ教授との最終決戦である。パート3は心置きなく、オリジナルストーリーにするつもりか。まあ、いずれにせよ、このパート2は、前作を見なくても十分に愉しめる内容になっている。

『ドラゴン・タトゥーの女』のときにはちょっと気持ち悪いくらいだったノオミ・ラパスは、整形したの?って言いたくなるくらいキレイに仕上がっている。わざわざジプシーの女を謎解きのキーにしたのだが、別に彼女を放っておいても作戦遂行の障壁になることはなかったようにも思える。それに、狙いはワトソンっていっていたけど、それって何のことだか思い出せないし。やっぱり、シナリオの無理やり臭がハンパない。

その後、戦争が勃発するのは誰もが知っていることなので、モリアーティの策略が成功することは明らか。さて、シナリオ上カタルシスを得るためにはどうするか…。で、彼の財産を奪うっていう展開。ちょっとは溜飲は下がるのかもしれないが、基本的に負けだよね。モヤモヤ。彼を死の商人とした設定の功罪だな。

でも、ただのアクション映画としては十分に娯楽になった。所詮はガイ・リッチー。大きな期待をしてはいけない。彼は戦闘シーンだけ監督して、あとは別の監督に撮らせればいいんだよな。
#もう、ワトソンの足が悪い設定はどうなったんだか。全速力で走ってるがな。

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image1915.png公開年:2011年
公開国:イギリス
時 間:97分
監 督:エリオット・レスター
出 演:ジェイソン・ステイサム、パディ・コンシダイン、エイダン・ギレン、ゾウイ・アシュトン、デヴィッド・モリッシー、マーク・ライランス、クリスティーナ・コール、ルーク・エヴァンス、ロン・ドナキー、ネッド・デネヒー、ニッキー・ヘンソン 他
コピー:この刑事、凶暴。ゆえに天職。



サウスロンドン警察のブラント刑事は、暴力的な捜査手法のせいで何人もの犯罪者をブチのめしてきたが、そのせいでマスコミに取り上げられ、非難の的となっている。しかし、その正義感と同僚を想う気持ちは人一倍で、自ら刑事は天職だといって憚らない。そんなある日、警官ばかりを襲撃する連続殺人事件が発生。プラントは新任警部のナッシュと協力し、捜査に当たる。犯人は大胆にも、自らの情報をマスコミにリークし“ブリッツ”と名乗っていたが、やがて、その正体がバリー・ワイスという男であることが判明するのだったが…というストーリー。

ジェイソン・ステイサムのクレイジーなキャラってのは、ありがち。はみだし刑事役は似合ってるけど、そいいう役が多すぎで食傷ぎみ。

チンピラには容赦なく鉄槌を下し、その後、どうなろうと知ったこっちゃない直情的な人物なのはいい。でも、日頃の素行を攻められてクビになりそうになったら、“天職だからクビにすんな”ってスゴむ。それって、言い方の問題だけで「クビにしちゃイヤよ」ってことじゃないか。なんかな情けないと思うんだけど。キャラが練りきれていないと思う。

ゲイの警部にも、なんだかんだで近づいていって、バディになる。別に彼が実はい刑事なのでは?っていうきっかけがあるわけでもないし、彼を組まなければいけないということもない。どういう心境の変化なのか、よくわからない。
ゲイの刑事とは最後まで共同で捜査に当たるんだけど、べつにゲイであることが、その後のストーリーに生きるわけではない。同僚から、ゲイと行動していることを茶化されることすらない。そのデコボココンビの様子が特段おもしろいわけでもない。

同様に、妻を亡くした刑事のキャラも生きていない。二人の間に強い友情があったのかと思いきや、彼が死んだことに対して、我を忘れるような行動を取るわけでもない(怒りはするけど)。

薬物中毒の女性警官も、仲の良かった少年が殺された後、自暴自棄になって証拠の薬物を横流ししてラリっちゃうだけで、それ以上なにかがあるわけでもない。犯人がわかってるんだし、復讐くらいするのかと思ったけど、錯乱するだけ。だから何?って感じ。その女性警官を慮る男性警官なんか、彼女が襲われたことを知って動揺して、ベッドの側に座ってるだけ。必要がない。
とにかく、キャラの味付けはしてみたけど、味見もしてないし整えもしていないって感じ。全部の登場人物がそんか感じ。雑なこと極まりない。

また、決定的に犯人探しの面白みが欠けている。犯人が誰なのかは観客には早々に明かされているので、犯人探しの要素はない。それならば、犯人と刑事の騙し騙され、丁々発止のやりとりを見せるべき。でも、犯人は襲って殺すだけ。犯人の正体に気付いた後は、けっこう普通に捕まるだけ。その後は、捕まえるけど証拠不十分で釈放されるだけ。

その先、凝った演出でもあるのかと思ったら、結局、ブチ切れて殺しちゃうだけ。つまらないオチにもほどがある。すべてが、たたそれ“だけ”。

どう考えても駄作なのに、とりあえず凡作かな…というところまで盛り返すのは、ジェイソン・ステイサムのパワーだろう。何だかんだで力のある役者ってことだな。ただそれだけ。

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image1911.png公開年:2011年
公開国:アメリカ
時 間:111分
監 督:ターセム・シン・ダンドワール
出 演:ヘンリー・カヴィル、ミッキー・ローク、ジョン・ハート、スティーヴン・ドーフ、フリーダ・ピント、イザベル・ルーカス、ルーク・エヴァンス、ケラン・ラッツ、ダニエル・シャーマン、ジョセフ・モーガン、ロバート・メイレット、スティーヴ・バイヤーズ、コリー・セヴィエール、マーク・マーゴリス、スティーヴン・マクハティ、アラン・ヴァン・スプラング、ピーター・ステッビングス、ロマーノ・オルザリ、グレッグ・ブリック 他
コピー:すべての運命は、神が握っている。


太古の昔、光の神と闇の神による争いで、ゼウス率いるオリンポスの神々は、タイタン族をタルタロス山の地底に閉じ込めた。時は流れ、地上は人間たちの土地になった時代。邪悪な野望を抱くイラクリオン国王のハイペリオンは、地上を支配する手段としてタイタン族の解放を目論む。タイタン族の封印を解き放つためには、神の武器エピロスの弓が必要なため、その在り処を知っている巫女パイドラを捕らえるため、強大な軍隊を率いてギリシャへの侵攻を開始する。パイドラは、ゼウスが人類を守る救世主と見定めた人間テセウスの運命を見抜き、彼と行動を共にするのだったが…というストーリー。

IMMORTALSってどんな意味だ?って調べてみたら、不死とか不滅だって。ばったばった死んでるじゃん。神まで死んでるじゃん。

神の戦いと、人間の戦いの境目もよくわからん。ゼウスはテセウスに神の力を借りずに自分の力でやれと恫喝。なら最後まで手を出さなければいい。タイタン族が開放されそうにななったら颯爽と登場。ゼウスの剛力で周囲を崩して封印なんだか壊すんだかするわけだが、その程度で始末できるんなら、エピロスの弓が見つかってピンチになる前にやっときゃいいじゃねえか。馬鹿なのか。
結局、何の戦いなんだか、さっぱりわからんのだよ。

劇場公開前は、役者の肉体美と石岡瑛子の衣装押しの宣伝がなれてたけど、役者たちはほとんど鎧きてるから肉体美なんかたいしてわからん。風貌が似たようなひとばっかりなので、石岡瑛子の特徴的な衣装でかろうじて区別できる感じ。神々は兜をしてるから、数人いっぺんに登場するとだれがだれだかさっぱりわからず。前に素顔で出た人なのか、新登場なのかもわからない。ゼウスなんかはじめは素顔で登場してたけど、次の登場では兜していたので脱ぐまでわからなかった。親娘設定だから、アテナと似た兜だったりするんだけど、同じ兜だからきっと親のゼウスだろうって、戦闘シーンのさなかでそんな見方できる人なんかいないし。とにかくひとりよがりな表現ばかりで、うんざりだ。

せめて、迫力のある白兵戦を披露してくれるんだろうと思ったが、全然インパクトがない。カット割というか画の切り取り方に工夫がないから。『300』は、オリジナルがコミックだったせいか、格好いい魅せるアングルが多かったが、本作にそれは無い。『「ザ・セル』や『落下の王国』のターセム監督は、色彩センスとか引きの構図とかでは目を引く画をつくっていたけど、こういう動きの多いアクションはダメだめ。
『300』のスタッフなので、全体の色合いがコントラストを落とした例の感じだし。ターセムは羽をもがれたようなものでしょう。全然、作風とマッチしていない。彼をもってきたプロデュースの失敗。

こういう作品にありがちだけど、子作り百発百中とか馬鹿馬鹿しいし、巫女パイドラの夢に出た、テセウスがハイペリオンを抱いていたシーンも、何だったのかわかんないし。ストーリー上、燃えるポイントも一切無いし。
駄作。時間の無駄と言い切ってよい。

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image1875.png公開年:2010年
公開国:ポーランド、ノルウェー、アイルランド、ハンガリー
時 間:83分
監 督:イエジー・スコリモフスキ
出 演:ヴィンセント・ギャロ、エマニュエル・セニエ、ザック・コーエン、イフタック・オフィア、ニコライ・クレーヴェ・ブロック、スティッグ・フローデ・ヘンリクセン 他
受 賞:【2010年/第67回ヴェネチア国際映画祭】男優賞(ヴィンセント・ギャロ)、審査員特別賞(イエジー・スコリモフスキ)
コピー:逃げろ!!


アフガニスタンで米兵を殺害したことで拘束されたアラブ人テロリストのムハンマド。収容所で拷問された後、移送されることになったが、護送車が事故をおこした隙に脱出し、そのまま逃走する。彼は雪深い森の中へ逃げ込んだが、どこへ逃げてよいのかもわからず、たくさんの追手からひたすら逃れようと、山野を進み続ける…というストーリー。

神々しく感じるほどの、雪景色の中を、“ただ逃げる!”思想とか主張とか、そういうものは一切省いて、“ただ逃げる!”。主人公のバックボーンは、所々アフガンの家族らとの生活のフラッシュバックが挟まれるのみ。民間人を躊躇無く襲っているところから、テロリストなのかな?と思うけれど、それ以上に何かが語られることはない。

ヴィンセント・ギャロ演じるムスリムの男は、収監された状態、つまり裸一貫で、何の武器も道具も持たない状態から、ただ“生きる”という生命の欲求にだけ正直であり続ける。身も蓋も無いが、それ以上でもそれ以下でもない作品。

前半は、生きるために容赦なく無関係の人間も殺害。とにかく生き抜くために、人間性が排除されていく。何とか生き延びているものの、冬の森の中に食べ物があるわけでもなく、空腹と衰弱から、蟻塚のアリや木の皮をむさぼり喰うようになる。
しかし、後半になると、より“生”と向き合ったためなのか、逆に狂気が薄れていくように見える、この不思議さよ。

先日観た『テトロ 過去を殺した男』と同様に、本作でもヴィンセント・ギャロの眼光は鋭い。いや、よく考えたらセリフ無しじゃないか。彼のセリフは眼光のみってこと。こんな動物と人間の中間みたいな目、彼にしかできないかもしれないな。

さて、観終わった後、あなたは何を感じた?戦争の空しさ?反戦?いやいや、私はそんな裏に潜んだ何かなんて感じなかった。“逃げる”そして“力尽きる”ただそれだけ。

作為的なアクションやトリックはない。本当に生身の人間が逃げるということだけをリアルに追求したという、そのコンセプトに対してヴェネチアは賞を与えたのだと思う。なかなかトンがった秀作かと。

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image1886.png公開年:2011年
公開国:アメリカ
時 間:89分
監 督:ロバート・ロドリゲス
出 演:ジェシカ・アルバ、ジョエル・マクヘイル、アレクサ・ヴェガ、ダリル・サバラ、ローワン・ブランチャード、メイソン・クック、ジェレミー・ピヴェン、ダニー・トレホ、リッキー・ジャーヴェイス 他




OSSの敏腕スパイ、マリッサは出産を機に引退。自分がスパイであることを秘密にしたまま、夫とその双子の連れ子レベッカとセシルと赤ん坊の五人暮らしを送っていた。しかし、引退して1年後、結婚して2年経ったが、レベッカはマリッサに心を開かない。二人の間の溝を埋めようと、マリッサはレベッカに赤い宝石のついたネックレスをプレゼントする。そんなある日、世界中の大都市で時間が早まるという事件が発生。悪党チックタックとタイムキーパーを名乗る謎の男が、世界中の時間を奪う“アルマゲドン装置”を発動したと犯行宣言。マリッサのもとにOSSから「アルマゲドン装置を停止できる秘石“クロノスサファイア”を持ってくるように指示が入る。その秘石とはレベッカにプレゼントしたネックレスの宝石だったのだ。何も知らない双子は、襲撃してきたタイムキーパーの手下にネックレスを奪われてしまう。スパイロボット犬のアルゴ犬と一緒にOSS本部に逃げた双子たちは、マリッサの正体を知ってしまい…というストーリー。

“4”でもなんでもないじゃねーか…、原題にも4なんて入ってねーし…、って思ってたらカルメン登場。正統な続編だぁ。ドヒャー!ラテン系は老けるの早いな。ジュニがいなくなってて、カルメンもいなくなった理由をいわないし、もしかして敵の正体はジュニ?とか思ったけど、さすがにそれはなかったか。
3のときは、は赤青メガネかけて3Dでございますっていってたんだよな。8年での技術進歩はすごいと思うと同時に、そりゃ老けもするかと思う。
カルメンの老け顔に対してジェシカ・アルバの童顔は際立つ。妊婦姿のジェシカ・アルバを見て、なぜかせつない気分になってしまったのだが、出産後は魅力爆発。ジェシカ・アルバのファンならそれだけで十分に楽しめるだろう。

監督もこれまでと一緒でロバート・ロドリゲスなのもすごい。このシリーズを愛してるのが良く判る。しっかりとファミリー&アクションという路線もしっかり継承しているのも敬服。でも、3がポンコツ作品で、有終の美を飾れなかったことを考えると、この4は非常に面白い。とにかく一作目のオモシロさが復活した感じ。このメンバーでの続編は十分にありえるね。

時が奪われたっていうけど、世の中全体の物理法則に変化があるわけじゃなくって、時計がぐるぐるまわるだけってどういうことよ!とか、そういう野暮なことに引っかかってはいけない。マンガのレベルだからね。オチがグダグダだと思うかもしれないが、このシリーズはすべてそんなもん。

個人的には一瞬だけダニー・トレホが出ていて笑った。こりゃあ一瞬でも写真でもいいからアントニオ・バンデラスが出てるのでは?と目を皿にしたけど、出てないみたい。

こう考えると2011年ってアメリカ娯楽映画の当たり年だったのかもしれないな。ここ3日で観ている作品は、基本的に当たりだった。

 

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クボタカユキ
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一日一シネマ。読んだら拍手ボタンを押してくだされ。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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