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image2191.png公開年:2012年
公開国:アメリカ
時 間:91分
監 督:クレイグ・モス
出 演:ダニー・トレホ、ロン・パールマン、チャールズ・S・ダットン、ジョイフル・ドレーク、シャリム・オルティス、パトリック・ファビアン 、ジョン・ダフィ、ハリソン・ペイジ、リチャード・リール、アンディ・ダヴォリ、パトリシア・ドゥ・レオン、ジリアン・マーレイ、クレイグ・シェイファー、クリス・スペンサー、ジェニファー・ブランク、フランク・マハラジ、ウィンター・アヴェ・ゾーリ 他




フランク・ベガはベトナム戦争からの帰還兵。国のために尽くしたはずなのに、社会に受け入れられることはなく、細々とホットドッグ屋で稼ぐ日々だ。ある日、バスの中で老人が2人の不良に絡まれている場面に遭遇、係わり合いにはなりたくなかったが、しかたなく不良共をノックアウトし老人を救った。その様子がYoutubeに流されると、フランクは一躍時の人となる。世の中も捨てたもんじゃないな…と生きる気力が出てきた矢先、母親が他界。母の住んでいた家を相続し、そこに引越し。犬とだけでは広すぎる家に、親友のクロンダイルも住まわせることに。そんなある日、タバコを買いにいったクロンダイルが何者かに襲われて命を奪われてしまう。親友を無くしたフランクは深く悲しみ、警察に犯人を早急に逮捕するように依頼するが、一向にまともな捜査をしてくれる気配がない。フランクは苛立ち、とうとう、自分で犯人を見つけようと行動を起こす。そんな中、ふとクロンダイルが生前にフラッシュメモリーがどうのこうの言っていたことを思い出し…というストーリー。

本作を一言で表すとすれば、“ジジィが暴れる話”それに尽きる。チンピラに絡まれた初老のおじさんが逆に撃退して、その映像がYoutubeにアップされて話題に…ということが、実際にあったらしく、その騒動を元に、この作品が作られたとのこと。確かにありそうなお話。昨今のアメリカではアーリア系のチンピラがエラく煙たがられている様子だ。色んな映画によく登場する。

ベトナムの退役軍人なんていう古臭いネタではあるけれど、真の英雄が評価されず、人の上前を掠めて大金持ちになったようなヤツばかりがチヤホヤされエラそうにしている社会に、みんながうんざりしているんだろう。アメリカン・ドリームってのは、一発のマグレ当たりのことを指しているんじゃないはずだけど。

で、社会からさんざん疎外され続けたフランクだったが、Youtubeをきっかけに生きる意味を見つけていく。マイノリティの気持ちはもちろん、日々の生活で鬱屈とした思いを抱えている人の心をがっちりとつかむ。そして友情と復讐に燃える…という熱くてわかりやすい要素。いくら軍人あがりだからって、ジジィ強すぎる。それも泥臭く強い(これがいい)。さらにちょっとしたロマンス。ダニー・トレホのこの手の作品は、エロ要素が多すぎて邪魔だったが、本作は丁度いい。親友の復讐、社会悪との対峙、ロマンスの3つがうまく廻っているシナリオだね。

どこをどう見ても低予算なのは間違いないが、むしろそれが味になっている。やっとダニー・トレホが主役として生きている作品が登場した。続編と作っていいんじゃなかろうか。お薦め。

 

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image2175.png公開年:2011年
公開国:アメリカ
時 間:93分
監 督:スティーヴン・ソダーバーグ
出 演:ジーナ・カラーノ、マイケル・ファスベンダー、ユアン・マクレガー、ビル・パクストン、チャニング・テイタム、マチュー・カソヴィッツ、マイケル・アンガラノ、アントニオ・バンデラス、マイケル・ダグラス、エディ・J・フェルナンデス 他
ノミネート:【2012年/第18回放送映画批評家協会賞】アクション映画女優賞(ジーナ・カラーノ)





スペイン、バルセロナ。民間軍事企業の経営者ケネスは、米国政府とスペイン政府関係者から、フリーの女性スパイ、マロリー・ケインを指名した人質救出作戦の依頼を受ける。依頼を受けたマロリーはバルセロナに入り、同業者のアーロンらと協力して仕事を完遂。救出したジャーナリストのジャンをスペイン側に引き渡す。マロリーがサンディエゴの自宅に戻ると、そこに何故かケネスが現れ、MI-6からの任務を受けるよう強要してくる。その依頼は、同業者のポールと新婚夫婦になりすまし、スチューダーというフランス人に接触するというもの。不審に感じながらも依頼を受けたマロリーは、任務を遂行しながら現地やポールの所持品を調査。すると、ホテルの一室にバルセロナのミッションで救出したジャンの死体を発見。その手にはマロリーのブローチが握られており、何者かがマロリーの犯行に偽装しようとしていた…というストーリー。

工作員が自分をハメた人物を探り出して復讐する…というシナリオが実にありきたりで、謎もシンプル。本当にソダーバーグの作品か?と疑いたくなる。

その反面、主人公マロリーを演じるで女優さんのアクションシーンが、観ているだけでアドレナリンが出まくりになるほど、素晴らしすぎる。

特に、廊下の壁などを利用した狭い場所でのアクションがすばらしい。体のキレと、打撃の重さが伝わってくるムーブで、本当に当ててるんじゃないか?と思うほど。三角締めや腕折りは本当に効いていそう。タイ映画のようなマンガ的な演技ではなく、リアルで泥臭い格闘を観せるってことに徹していて、好感が持てる。コマギレ編集も少なくて、動きをしっかり見ていただきましょうという姿勢。
10回に1回くらい「その動き必要か?」っていうムーブもあるが、まあ、そこはご愛嬌。ビルの階段を逃走するときに、傘を一本もって上がっていくのだが、わざわざずっと持っていたのに結局使わないという場面があったりして、ソダーバーグがそれほど入魂していないのがよくわかる(笑)。

とはいえ、主演女優のお顔がそれほど魅力的じゃない。もしかするとスタントやボディダブルのお仕事をしていた人だったりするのかな? なんて思って観ていたが、どうやら格闘家さんらしい。不美人というわけではないのだが、さすがに主役をはれるほどの花はない。
ユアン・マクレガーやらアントニオ・バンデラスなど主役級の俳優さんで固めているが、彼らもそれほど入魂している様子は感じられず、(実際はそんあことないと思うが手抜き感が滲む。もうちょっと、強烈な悪役がいれば、素人女優も際立ったと思うのだが。

結局、観ていてテンションがあがったのは、格闘シーンだけといってよい。カーアクションもガンアクションも迫力がない。気の抜けかけた炭酸水のような作品。

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image2175.png公開年:2012年
公開国:アメリカ
時 間:93分
監 督:マブルク・エル・メクリ
出 演:ヘンリー・カヴィル、ブルース・ウィリス、シガーニー・ウィーヴァー、ベロニカ・エチェーギ、ロシュディ・ゼム、オスカル・ハエナダ、ジョゼフ・マウル、キャロライン・グッドオール、ラフィ・ガヴロン、エマ・ハミルトン 他
コピー:自分だけ、知らない――



アメリカ人青年ウィル・ショーは、自分の会社がトラブル続きでバカンスどころでは無かったが、休暇中の家族と会うためスペインへとやって来る。空港に迎えに来たのは、大使館関係の仕事をしている厳格な父マーティン。父とは、長年うまくいっておらず、気まずい再会。その後、母、弟、弟の恋人らと合流。一家揃ってのディナーを久々に愉しむはずだったが、そこにウィルの会社が倒産したとの電話が入る。ウィルはショックで粗暴な言動をしてしまい、ディナーの雰囲気は台無しになってしまう。翌日、気まずい雰囲気のまま、家族でクルージングを愉しむことに。ちょっとしたトラブルで、ウィルが街に買出しに行くことになり、用事を済ませて海に戻ると船が見当たらない。やっと船を見つけるが、中に家族の姿はなく、荒らされた様子が。ウィルは、地元警察に飛び込み捜索を依頼するが、なぜか警官たちから身柄を拘束されそうになり、逃げようとすると襲撃を受ける事態に。すると突然、父マーティンが現れ、ウィルを窮地から救うのだった。家族全員が武装集団に連れ去られたと語るマーティンは、自分がCIAの工作員であると告白しはじめ…というストーリー。

スペインの街並みなリゾートはいい雰囲気だったが、肝心のプロットがありきたりすぎで、どうにも。
①一般人が自分の父親のせいで騒動に巻き込まれてしまい
②ヒントを頼りに展開し
③大きな組織とドンパチする
という企画会議で思いついた内容を、そのまま具現化しただけ…みたいな作品。もう一捻り欲しい。結局、こんなあり様になった原因である“情報”とやらが何なのかを一切明かす気なく、且つそれで謎解きサスペンスをする気も無いことに、結構早い段階で気づいてしまう。その“情報”についてミステリー要素を噛ませれば、すこしは厚い話になったと思うのだが…。

(一応、ネタバレ注意…としておく)

ブルース・ウィリスがあっさり拉致されてしまい、「お!?意外な展開」と思いきや、やっぱりあっさり再登場。そして、やっぱり工作員(笑)。ただ、その後あっさりとご退場。きっとまた復活するんでしょ~?と思わせておいて、最後まで出さなかった点は評価する(もしかすると、本作が当たれば、続編での復活…という目論みがあったかもしれん)。

で、その後を引き継いだのがシガーニー・ウィーヴァー。悪役を演じることは少なくないが、『穴/HOLE』を思い出させてくれる飄々さとエキセントリックが共存した役柄が良い。というか似合ってる。彼女がいなければ、本作は完全崩壊していただろう。
ウィルの奮闘の過程で、一人のスペイン美人と遭遇。ロマンス展開が普通だが、実は異母兄妹とか。アレ?もしかすると、シリアスに見せておいて実はコメディ作品にしたかったのか?という疑いもあるが、それならそれで踏み込みが甘いといわざるを得ない。

CIAとモサド、敵か味方か? どっちも敵か? みたいな展開にもなるが、さすがにモサドを出すと、一切笑えなくなる…というかちょっと冷める。それに、最後のモサドに救われるという流れ。まるでモサドが正義の味方みたいで、さすがにこれは如何なものかと思う。

なんとか救出された家族と、愛人の娘とご対面というシーンで、おしまい。夫は死んでしまったけれど、家族が増えたよ!みたいな感じ? なんか気持ち悪くもある。
これ、もっと直球コメディにしたほうが良かったと思うよ。そしたら続編もあったかも。続編では、つらっとブルース・ウィリスが生きていて家族から責められるとか、あの時は拉致から解放されて異常な心理状態だっただけで、よく考えたらなんで愛人の娘と和気あいあいせなイカンねん!と改めてモメはじめたりとか。

可も無く不可もなく…と評価してあげたいところだが、逆に無理して観なくてもいい作品だともいえるわけで…。

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image2121.png公開年:2012年
公開国:アメリカ
時 間:105分
監 督:ティムール・ベクマンベトフ
出 演: ベンジャミン・ウォーカー、ドミニク・クーパー、アンソニー・マッキー、メアリー・エリザベス・ウィンステッド、ルーファス・シーウェル、マートン・ソーカス、ジミ・シンプソン、ジョゼフ・マウル、ロビン・マクリーヴィー、エリン・ワッソン、ジョン・ロスマン、キャメロン・M・ブラウン、アラン・テュディック 他
コピー:昼は大統領 夜はハンター
 あの大統領には、若き日から挑み続けた誰も知らない戦いがあった――。



開拓農民の家に生まれリンカーンは、地元の名士であるジャック・バーツが自分の母を不治の病にするのを目撃する。以降、母の命を奪ったバーツを探し続け、いよいよ追い詰めるものの、異形の姿に豹変し尋常ならざる身体能力により逃亡を許してしまう。その場に居合わせた青年富豪のヘンリー・スタージスから、バーツがヴァンパイアであると知らされる。リンカーンは、ヴァンパイアの生態を良く知るヘンリーの元で、斧使いのヴァンパイア・ハンターとしての修行を重ねていく。1837年、ハンターとして独り立ちしたリンカーンはイリノイ州スプリングフィールドに移住し、昼間はの雑貨店に勤めながら、夜はハンターをする二重生活を始める。彼は、ヴァンパイアたちが、奴隷制度を活用して黒人たちを食糧供給源としていることを知り…というストーリー。

ティム・バートン製作だが、お馴染みのキャストは一人もいないし、演出には微塵もティム・バートンらしさはない(それが悪いわけではない)。ヴァンパイアのバトルシーンなど、どこかで見覚えのある演出だなと思って観ていたが『ナイト・ウォッチ』のロシア人監督だった。ふわっと煙を残して消える演出とかね。確かに、ティム・バートンが持っていないセンスだとは思うが、じゃあ、それが革新的か?効果的か?と聞かれれば、“微妙”と答えざるを得ない。
ただ、本作は3D公開で、今回は2Dで観たので、その映像的面白さをすべて堪能したわけではないが…。
#『リンカーン弁護士』『リンカーン vs ゾンビ』そして『リンカーン』と、2012年はリンカーンだらけ。なんでやねん。

『ナイト・ウォッチ』の時もそうだったのだが、テンポはいいが緩急がないので一本調子でメリハリが薄い印象。そっちの世界に踏み込むときの、苦悩とかそういうものを描くのがにがて…というか描く気がない監督らしい。感情の機微とかそういう味付けがない。ヘンリーがヴァンパイアなった経緯などはわかったが、その後のリンカーンとの軋轢や彼自身の苦悩なども掘り下げが甘い気がする。キャラ設定だけが存在して、キャラが成長したり変化したり…が薄く感じるのはシナリオ上の欠陥ともいえる。

リンカーン大統領の史実とヴァンパイア・ハンターの生き様については、うまくまとめている。南北戦争あたりの雰囲気の再現ははすばらしいと思う。アメリカ人は学校の歴史の時間に必ず習う部分なので、ゾクゾクする人も多かっただろう。ハリウッド作品にしてはめずらしく子供が餌食になるな…と思ったが、史実だからできるわけだ。でも、こういううまい部分は原作からうまいのであって監督の力ではない。

“銀”の効能が不明瞭なところは、いまいち気に喰わない。ヴァンパイアにとって近づくのも危険なのか、さわらなければ問題ないのか、体に埋め込まれるくらいの傷でなければ効果がないのかいずれなのか。また、銀を運ぶには他の線路もあるのさ…といっていたが、別の坑道でもあったのか?それとも女性によるハンドキャリー?(さすがにそれはないよな…)。結局どうやって運んだのか、さっぱりわからない。ヴァンパイアの中ボス的な女をリンカーンの妻があっさり殺したのも、違和感あり。

細かいところは気にせずに、ノリだけで観るのが正解なんだろう。絶対深く考えちゃだめ。そうすれば楽しめる。極めて凡作だけど。

最後にひとつだけ苦言を言っておこう。リンカーンの妻の吹き替えをやった相武紗季の棒読みはひどい。小雪、剛力彩芽、眞鍋かをりに並ぶ。

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image2117.png公開年:2012年
公開国:アメリカ
時 間:92分
監 督:オリヴィエ・メガトン
出 演: リーアム・ニーソン、マギー・グレイス、ファムケ・ヤンセン、ラデ・シェルベッジア、リーランド・オーサー、ジョン・グライス、D・B・スウィーニー、ルーク・グライムス、ケヴォルク・マリキャン、アラン・フィグラルツ、オリヴィエ・ラブルダン、ルネル 他
コピー:迷宮の街 イスタンブール。
 悲しいほどの父の愛が、再び暴走を始める。



娘キムを誘拐した人身売買組織を一人で壊滅した元CIA秘密工作員のブライアン。現在は、事件のトラウマを払拭しようとするキムを、車の運転を教えるなどして援助する生活を送っているが、娘の恋人との交際に鑑賞するなどして鬱陶しがられている。ブライアンは元妻レノーアが現在の恋人とうまくいっていないことを知り、二人を海外旅行に誘う。その後、イスタンブールでの仕事を終えたブライアンと、レノーアとキムが現地で合流。しかし翌日、バザールに出かけたブライアンとレノーアは、謎の男たちの襲撃を受け拉致されてしまう。男たちは、二年前の事件でブライアントに息子を殺されたアルバニア人のムラドの部下たちだった。ブライアントは密か携帯電話でキムに緊急事態を告げ、部屋のクロゼットに隠れるようにと指示するのだったが…というストーリー。

前作は非常に愉しませてもらった。しかし冒頭の展開をみると、どうせ、また娘が誘拐されちゃうんでしょ?という二番煎じがプンプンする。さすがにそれはマズいのでは?という感じ。あれだけ海外でイヤな目にあっているのに海外旅行、それも中東って…と。おまけに夫婦だけ別行動とか…。

ああ、ダメかも…と思わせておいて、さらわれるのは夫婦の側という展開に。これは、なかなかのスカしっぷり。さらに娘に救出の手助けをさせる流れに。おまけに手榴弾を街中でブッ放つように指示するとか~。何とか、無理やり続編として意味のある域まで持っていった感じ。

ただ、敵に問題がある。敵のアルバニア人だが、自分の息子が殺されたことで怒りに震えるのはいいが、息子が犯罪組織、それも人身売買組織というみっともない行いをしていたことは完全無視で、復讐の鬼になる。あまりの理不尽さに呆れるレベル。その理不尽さを狂気のレベルまで発展させれば、逆にとてつもない恐怖に繋がるのだが、普通の武装集団以上に描けてはいない。

さらに、妻救出のために、単独行動をしなければいけない理由はない。娘の身柄確保だけでなく、支援を要請することに何の問題もないはず。前作では、バックアップ協力をしてくれた相棒は、今回は電話しても不在か、大使館への連絡しかしていない。このあたりもうまく活用すれば、もっと盛り上がったかもしれない。

結局、敵のボスの小物っぷりを発揮して終焉。盛り上がりに欠けてしまった。復讐の連鎖…というオチ以上に、もう一枚、ストーリー上の仕掛けが欲しかった。

リーアム・ニーソン演じる引退したロートル工作員というキャラクターは、結構魅力的なので、これが最後というのはもったいない気がするのよ。娘のマギー・グレイスも妻のファムケ・ヤンセンも老けすぎだし、続編をつくるなら家族から離れたストーリーにしたほうがよいのかもしれないが、かといって、このキャラクターが家族のピンチ以外に力を振るうとも思えないし。そうだ、次にさらわれるのは孫だな(笑)。
でも、孫が先天性の病気で96時間以内に治療しないと云々…っていうのはNGね。

#96時間関係ないやん!と思うだろうが、邦題の勇み足だから仕方が無い(笑)。

 

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image2107.png公開年:2012年
公開国:アメリカ
時 間:135分
監 督:トニー・ギルロイ
出 演: ジェレミー・レナー、エドワード・ノートン、レイチェル・ワイズ、ジョーン・アレ、アルバート・フィニー、デヴィッド・ストラザーン、スコット・グレン、ステイシー・キーチ、オスカー・アイザック、コーリイ・ジョンソン、ドナ・マーフィ、マイケル・チャーナス、コリー・ストール、ジェリコ・イヴァネク、デニス・ボウトシカリス、ペイジ・レオン、エリザベス・マーヴェル、ルーイ・オザワ・チャンチェン 他
コピー:ジェイソン・ボーンは氷山の一角に過ぎなかった。



記憶を失った訓練された暗殺者用いた極秘プログラム“トレッドストーン計画”が、ジェイソン・ボーンと内部調査局のパメラ・ランディの告発によって明るみに出ることを恐れたCIAは、国家調査研究所のリック・バイヤーを派遣し、証拠隠滅のために全プログラムの抹消を命じる。その頃アラスカでは、“トレッドストーン計画”と並行して、“アウトカム計画”が進行中。暗殺者アーロン・クロスが訓練の真っ最中だった。いつもと違う様子を察知したアーロンは、CIAの抹殺舞台の攻撃をかいくぐり間一髪で逃げ延びる。一方、暗殺者たちの肉体のデータを管理しているテリシン・モルランタ社では、突然、職員が銃を乱射し研究所の同僚を次々と殺していく。職員の一人マルタ・シェアリング博士は、幸いにも生き残ることができたが、この乱射事件が研究所で行っていたことと関連していることを知っていた彼女もCIAの抹殺対象に。その窮地に陥った彼女を救ったはアーロン。彼は、服用を義務付けられていた薬の入手方法を聞くために彼女に近づいたのだ。既に薬が製造されていないことを知ったアーロンは、テリシンと共に、薬と同じ効果を持つウイルスが培養されているというマニラの工場へ向かうのだが…というストーリー。

ボーンシリーズなのだが、続編とはちょっと異なる。ただ、ボーンの時のように、自分は何なのか?っていう要素はなくて、ただ追いつ追われつが展開されるだけで、話に深みがない。謎解き要素は皆無。ボーン三部作のすべての脚本を書いているトニー・ギルロイが監督なので(もちろん本作の脚本も手掛けている)、テイスト的には同じはずなんだけど、なにか違う。
頭脳を使った展開はあまりなくて、アクション重視なのはわかる。実際、アクションシーンの出来は悪くない。でも、アクションが一区切りつくと、ダラダラと長い説明セリフが続きく。これが実にダレる。
#実際、大した内容でもないのに、135分もあるんだけどね。

わざわざエドワード・ノートンを持ってきているのだから、逃走劇に丁々発止の心理戦があっても良さそうなものなのに、常に後手後手でやられっぱなし。彼を持ってくる意味がない。

他にも作戦があって、新たな“ボーン”がまだいましたーっていうだけならまだしも、さらにアーロンに仕向けられた刺客ももっと感情を殺した別の作戦の人間兵器で、そんなのがまだいましたーって。まだいましたー、まだいましたーって、そんな後出しじゃんけんのインフレ展開じゃ、つまらないって。

調べてみると、ボーン三部作はロバート・ラドラムによる原作があるのだが、本作はトニー・ギルロイの手による内容みたい。トニー・ギルロイのプロットをつくる能力が低かっただけ。原作者がすばらしかったのね。

私、レイチェル・ワイズってあんまり好きじゃないのだが、本作はそれほど嫌な感じはしなかった。他の作品のように、上から目線でで生意気なセリフを喋り続けるようなことはないし、襲撃されてギャーとは叫ぶことはあれどヒステリックにぎゃあぎゃあまくしたてるシーンもない。すこし痩せた様子で元気がない感じなのが功を奏しているかもしれない。でも、嫌な感じがないだけで、良いわけではない。

“ボーン”を冠することがおこがましい作品。でも、普通のアクション作品だと思えば普通に観られる作品。

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image2106.png公開年:2012年
公開国:アメリカ
時 間:102分
監 督:サイモン・ウェスト
出 演:シルヴェスター・スタローン、ジェイソン・ステイサム、ジェット・リー、ドルフ・ラングレン、チャック・ノリス、テリー・クルーズ、ランディ・クートゥア、リアム・ヘムズワース、ジャン=クロード・ヴァン・ダム、スコット・アドキンス、ユー・ナン、ブルース・ウィリス、アーノルド・シュワルツェネッガー 他
コピー:最強無敵の、その先へ。



バーニー・ロス率いる傭兵部隊“エクスペンダブルズ”は、ネパールで、誘拐された中国人富豪の救出作戦を実行。いつものように激しい戦闘の末、見事作戦を遂行。今回の作戦で一旦チームを離れるイン・ヤンが富豪を中国に戻し、残りのメンバーはアメリカに帰還する。作成の成功を祝う彼らだったが、新人のビリー・ティモンズはいまいち傭兵稼業に馴染めなかったため、チームからの離脱をバーニーに申し出る。その一方、過去にヴィレーナの一件で仕事を依頼してきたCIAのチャーチが現れ、仕事を持ち込んでくる。そのミッションは、アルバニア領の山中に墜落した輸送機に積まれているコンピュータからデータを抜き出すというもの。チャーチはこの依頼を受けなければ自分の権限で刑務所送りにすると脅し、バーニーは渋々受諾する。チームには、チャーチの部下である女性マギー・チャンが加わり、現地へ赴く。マギーの協力によりデータの回収に成功するが、同じものを狙っていたジャン・ヴィラン率いる武装集団“サング”に襲撃される…というストーリー。

一作目よりもピリピリした感じはない。ミッキー・ロークは出てこないし、ジェット・リーも序盤でいなくなる。各者のスケジュールの都合もあるからキャスティングもストーリーも臨機応変に対応している…というか、誰がいなくなろうが大筋の展開には影響ないんだよね。前作よりも、嵌めて嵌められて的な丁々発止が無く、直球の戦闘ばかりなのはいささか芸が無く感じるが、もう二作目にして開き直ってしまった感がすごい。
新参のビリーが、「俺、この戦争が終わったら結婚するんだ…」ばりの死亡フラグを立てまくっていて、映画ファンを笑わせようとしているとしか思えない。こんなお約束ノリのオンパレードだ。

あれだけ前作でアホ扱いだったガンナーだったが、実はMIT出身で化学専攻という、絶対 後付けだろ!っていう設定が追加に。だけど、わざわざ付けた設定がギャグにしか使われないというオチも。まあ、ドルフ・ラングレンは可愛がられてるんだろうな(笑)。

で、キャラクターの極めつけはやっぱりチャック・ノリスだ。別格扱いで笑える。セリフにもチャック・ノリス伝説を挟み込んでるくらいで、もう、ネタだよネタ。チャック・ノリスを知らない人は何だこの鼻の下の長いおっさんは?状態だとは思うけど、知ってる人は間違いなく大笑い。いくら年だからって、一切アクションしないのも笑えたわぁ。

チャック・ノリスが出てるくらいだから、前作は顔出しだけでおわったブルース・ウィリスとアーノルド・シュワルツェネッガーは、普通に参戦。まあ、終盤の主役級の惜しみないの重ね具合で誤魔化してる感じなんだけどね。
#スカイフォールもそうだたけど、チェーンをつかったアクションは流行りなのか?

ニコラスケイジとかダニー・トレホとか、まだまだパンチの効いてる役者はいるからね。たぶん次回作も作られるよ。その時は、シルヴェスター・スタローンやジェイソン・ステイサムがお留守になったとしても、驚かないよ。もう、なんでもありさ。なんなら、お亡くなりになった大スターをCGで蘇らせちゃえばいいヨ。

予想通りでもそれ以上でもない、血祭り大騒ぎのお馬鹿映画。ここまでやれば好感が持てる。
#マギーの栗山千明の吹き替えは全然気にならなかった。うまいな。

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image2103.png公開年:2012年
公開国:イギリス、アメリカ
時 間:143分
監 督:サム・メンデス
出 演:ダニエル・クレイグ、ハビエル・バルデム、レイフ・ファインズ、ナオミ・ハリス、ベレニス・マーロウ、アルバート・フィニー、ベン・ウィショー、ジュディ・デンチ、ロリー・キニア、オーラ・ラパス、ヘレン・マックロリー
受 賞:【2012年/第85回アカデミー賞】歌曲賞(Paul Epworth:曲/詞、アデル“Skyfall”)、音響賞[編集](Karen Baker Landers、Per Hallberg)
 【2012年/第38回LA批評家協会賞】撮影賞(ロジャー・ディーキンス)
 【2012年/第70回ゴールデン・グローブ】歌曲賞(Paul Epworth:曲/詞、アデル“Skyfall”)
 【2012年/第66回英国アカデミー賞】作曲賞(トーマス・ニューマン)、英国作品賞
 【2012年/第18回放送映画批評家協会賞】歌曲賞(Paul Epworth:作詞作曲“Skyfall”、アデル:歌/作詞作曲“Skyfall”)、アクション映画賞、アクション映画男優賞(ダニエル・クレイグ)

NATOの諜報部員のリストが盗まれた。この情報が流れると、NATOが各国に忍び込ませているスパイの身が危険に晒されてしまう。MI6エージェント“007”ことジェームズ・ボンドは、リストが記録されているハードディスクを奪還すべくMの指示に従い、トルコのイスタンブールへ向かう。アシスタント・エージェントのイヴと共に、敵のエージェントを後一歩のところまで追い詰めるが失敗。ボンドは被弾し橋から川に落下し、そのまま行方不明になってしまう。作戦失敗によりMの立場は危うくなり、政府から追求を受けることになる。そんな中、MI6本部が爆破されてしまう。窮地に立たされたMの前に、まだ傷の癒えないボンドが姿を現す…というストーリー。

冒頭のチェイスのむちゃくちゃっぷりで、グっとハートを掴まれる。
『カジノ・ロワイヤル』『慰めの報酬』 は、久々の復活であることや、強い脚色&オリジナルストーリーであることで、厳しい目にさらされること必至ので、肩肘張ってしまうのは仕方が無かった。前2作のリアリティ路線は好みの別れるところだたろう。
しかし3作目にして、複雑な感情の絡み合いとかがなく、単純で素直な展開に。本来、007はこうであるべき。オープニングの曲の感じも、やっとシリーズ化できる安定感と余裕が生まれてきたように感じる。ハビエル・バルデム演じるラウルの強烈なキャラクターも、往年の007の悪役を彷彿とさせる。

こういうシリーズ物が、映画賞にノミネートされることは少ないけれど、技術系とはいえこれだけ評価されているのは、クオリティの高い証拠。私は、青色LEDの寒色系のシーンと暖色系の照明のシーンが交互に構成されているのが好き。

(以下ネタバレ)
本作の一番の特徴はMの引退だろう。ただ、Mのツンデレが、あまりにも可愛げがなく、正直、そのまま死んでもいいや…と思うくらいだった。
ラウルもMの元部下、ボンドも同じポジションでさらに作戦のために撃たれた。作戦の駒として扱われた両者だが、片方は究極的に憎み、片方はクールにビジネスパートナーとして信頼し合っている。どこに違いがあるのか?これが見所。
まあ、小手先の信頼じゃなく、ビジネスとして大人の信頼を涵養したもの同士ということ。バルデムが過去においてMに求めていた信頼は、所詮 子供が必要とするレベルの信頼だったということだな。

ボンドが復帰する際、ボンドは「綺麗に引退することができる諜報員はほとんどいない…」という何で戻ってきたのだ?と問われるシーンがある。私はこのセリフが伏線になっていると思っているで、Mは実は死んでいない死んでいないと考える。綺麗に引退したのさ。
さあメンバー一新で次のステージへ!という終わり方だが、次回か次々回で、さらっとMが出てくると私は予測している。Mの復帰(もしくは協力話)で一本話が作れるな。
#そういえば、007といえばボンドガール。今回、明確な配役として登場しなかった。つまり今回のボンドガールはMってことなんじゃないの?

スカイフォールとは、ボンドの生家のことだが、タイトルにするくらいなので、ダブルミーニングなんだと思うが不明。この世が終わろうとも正義を貫け…みたいな意味のラテン語の格言という噂もあるが、それはそれでピンとこない。

#この前、長崎にいったときに軍艦島にいくつもりだったのに、暴風雨で断念。ツイてない。行けてたら、もっと興奮できただろうな。 

 

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image2100.png公開年:1966年
公開国:アメリカ
時 間:180分
監 督:ジョン・フランケンハイマー
出 演:ジェームズ・ガーナー、イヴ・モンタン、三船敏郎、エヴァ・マリー・セイント、ブライアン・ベッドフォード、アントニオ・サバト、ジェシカ・ウォルター、フランソワーズ・アルディ、レイチェル・ケンプソン、ジュヌヴィエーヴ・パージュ、アドルフォ・チェリ、クロード・ドーファン、ドナル・オブライエン 他
受 賞:【1966年/第39回アカデミー賞】音響効果賞(Gordon Daniel)、音響賞(Franklin E.Milton)、編集賞(Fredric Steinkamp、Henry Berman、Stewart Linder、Frank Santillo)
コピー:最大のレース! 最高のドラマ!

F1レースのモンテカルログランプリで、大事故が発生。ジョーダン・BRMチームのアメリカ人レーサーであるアロンは、車体の故障により同チームのイギリス人レーサーのストッダードにコースを譲る指示が出されていたが、抜き去り際に接触してしまう。アロンの車体は海に投げ出されるも軽傷。しかしスコットは壁に激突して重傷を追ってしまう。アロンは事故の責任を追及されチームから解雇されてしまう。再起不能と思われた怪我を負ったストッダードだったが、かねてより夫が命懸けのレースに参加していることを良しとしていなかった妻パットが去ってしまい、さらに心に傷を負ってしまう。一方、そのレースで優勝したサルティは、フェラーリの創立者の娘を妻にしていたが、夫婦生活は破綻しており、パーティで知り合った貴社のルイーズに心を奪われていた。解雇されたアロンは、馴れない記者に転進したがまったく勝手が掴めない。そんな彼にチームヤムラの矢村社長が手を差し伸べ、ドライバーとして迎えるのだった。そんなアロンの元に、ストッダードの元を去ったパットが近寄っていく。そんなことも露知らず、傷心のストッダードは、再起を目指しつらいトレーニングを積んでいくのだった…というストーリー。

いきなり内容と関係ない話で申し訳ないが、長い映画の途中でインターミッションがはさまれるのは判る。でも、冒頭にOVERTUREがある意味はわからん。なんでや?
(閑話休題)

外人さんの顔がイマイチ区別が付かなくて、ロートルなドライバーー二人の区別が付かなくなることがしばしば。まあ、だんだん見分けが付いてくるけど。

ドライバーなんかになるやつは想像力の足りない奴だ…みたいなセリフで始まる。ストッダードのな内なる声なんだけど、これが作品全体の雰囲気をうまく表現しており、観客の興味をサっと掴んでいる。うまい。先日の『のるかそるか』も、アドレナリンに翻弄さた男の話だが、こっちのほうが何百万倍も共感できる。

今なら、カメラも小型化しているし、この手の撮影は楽かもしれないが、当時のカメラの大きさを考えると、相当苦労したと思う。特に、雨中のレースのシーン。光量の問題あるだろうし、かなり苦労したと思う。本作の収録時間が長いのは、レースの様子を丹念に観せているためなのだが、観るに値するカットのオンパレード。完全なドライバー目線じゃないってのが、逆に臨場感と恐怖感のアップに繋がっている。私は、まったくモータースポーツに興味が無いのだが、純粋に愉しめた。

一番興味深かった演出は、ラストレースの手前。各々のブレスレットに名前を血液型が書いてあるのをアップにして、血を見る展開になることを示唆したりして、メインの4人のドライバー全員に死亡フラグを立てる。全員が死ぬわきゃないんで、いったい誰が死ぬんだ?という、両方の意味でのデッドレースを観せる。ありそうで無い演出だと思う。

三船敏郎演じる矢村社長については、ノーコメント。決して悪くはないが、特筆することもない。ホンダがモデルなんだろうけど、そこにメーカー優勝させるというシナリオを許すフェラーリの太っ腹よ。
#フェラーリとグッドイヤーのロゴばかり出てくるのは食傷だが。
確かに長すぎだが、それに耐えられるだけのおかずは揃っている。フェラーリのもう一人のドライバーであるバルリーニがちょっと小物でバランスが悪かったが、こいつまで濃いエピソードにされたら、脂っこすぎたから結果オーライだな。

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image2076.png公開年:2011年
公開国:香港、中国
時 間:131分
監 督:ベニー・チャン
出 演:アンディ・ラウ、ニコラス・ツェー、ファン・ビンビン、ジャッキー・チェン、ウー・ジン、ユエ・ハイ、ユィ・シャオチュン、ション・シンシン、シー・イェンレン 他
コピー:守れ。人々の希望のため――




1912年。清王朝が倒れた後、各地で内乱が発生している中国。海外列強の進出も許し、国内は荒廃し、多くの難民で溢れていた。登封市にある少林寺の僧侶たちは、難民や負傷兵の救助に奔走していた。そんな中、登封城の将軍・霍龍を追って、冷血な将軍・侯杰が寺に乗り込んでくる。侯杰は、霍龍の命乞いを無視して殺害し、去っていく。そんな無慈悲な侯杰も、妻・願夕と娘・勝男には人一倍の愛情を注いでいた。侯杰は願夕の兄と義兄弟の契りをかわしていたが、兄貴風うぃ吹かす願夕の兄を疎ましく思っており、腹心・曹蛮と願夕の暗殺を計画するのだったが…というストーリー。

“新”もなにも元を見たことがないので、その違いには言及できない。

お寺の話らしく、それこそ悪人正機説。極悪非道の男が、仏道に触れて変わっていくストーリーである。
この作品の中で一番の悪行をするのも主人公だし、すべてのトラブルの発端も、全部主人公。それだと、抹香臭いだけのお話になっちゃうので、都合よく、腹心が主人公を裏切ってそれ以上の敵役になってもらっている。この都合の良い展開を良しとするかしないかで、評価はかなり分かれるかと。

清族を傭兵に加えたり、白人を敵役にして登場させるなど、漢族の自己正当性の本音みたいなものが垣間見えて、少し気持ち悪かったりする。所詮は内乱のお話で、中国も韓国も、同じ国民を愛するという気持ちが欠けていることが良くわかる。日本人とは、“同胞意識”のエリアが異なるのだ…ということ。日本に帰化しても、中国の同胞への利益を優先するを、平然といってのける民族だからね。
その後の中国では、人民大革命によって宗教も何もかも破壊されて、この作品で良しとされている慈悲の心をもった人は抹殺されてしまうわけで、今の中国は本作で敵役になっている側の人間の子孫だらけ。まともな国なわけないよね。都合の悪いことは全部、他人のせいという今の中国人の気質が良く現れていたりする。そう考えると、かなり中国政府に対する皮肉は効いている作品ではある(が、所詮、作り手も中国人なので笑わせる話ではあるのだが)。

少林寺の武闘派坊主たちがいいキャラ。全員坊主なので均質的になりがちなのに、しっかりキャラが立っている。みんな弁慶みたいな死に方でちょっと芸はなかったけど、悪くはない。おとぼけでもおちゃらけでもない、爽やかな若者像をめずらしく中国映画で観た気がする。
#子供をふつうに殺しちゃうのも、その点は、ハリウッドと違ってよろしいかと。
ただ、ジャッキー・チェンのバトルで、途端にマンガになっちゃうんだけど、まあ、それはご愛嬌か。このキャラクターは、俗世から乖離した世界に閉じこもっていて、自分の価値を低く見ているという設定なんだけど、過去になにがあったとかその後どうなったとか、描かないといけなかったと思う。何なら狂言廻しにしてもよかったのに、ただ、子供たちを見て発奮しておしまいとか、シナリオが稚拙すぎたな。

寺や遺跡は西洋人に破壊されるという展開だが、そんなもん自軍内からのリークとか、皆殺しにしきれるわけがないんだから、どっかから漏れるわけで無理がある。大体にして、植民地大正義の西洋人からしたら、中国なんか虫けら扱いなんだから、隠蔽工作しようなんて発想があるわけがない。

終盤がグダグダではあるんだけど、中盤はなかなか観ごたえはあったと思う。まあまあの作品。旧作レンタル料金なら満足できるだろう(“新”なんか付けずに“少林寺”はいけなかったのか?)
#死ぬシーンの音楽が、皇潤のCMみたいで、なんかクスっとくる。

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image2069.png公開年:2011年
公開国:アメリカ
時 間:112分
監 督:マーカス・ニスペル
出 演:ジェイソン・モモア、レイチェル・ニコルズ、スティーヴン・ラング、ローズ・マッゴーワン、サイード・タグマウイ、ロン・パールマン、レオ・ハワード、スティーヴン・オドネル、ラード・ラウィ、ノンソー・アノジー、ボブ・サップ、ミルトン・ウェルシュ 他
コピー:斬って!斬って!斬りまくれ!



部族間闘争と妖術が吹き荒れる先史時代。女戦士の母の命と引き換えに誕生したコナンが11歳に成長したとき、彼が暮らす村を地獄の力を得るために歴代王の骨を集めて作られた仮面の破片を探しているアケロン族の騎士カラー率いる一団が襲撃する。カラーは、仮面の破片の在り処を知るために、コナンの父を拷問。破片を見つけるとコナンの目の前で惨殺する。逃亡したコナンはカラーへの復讐の憎悪と共に逞しく成長。20年後、友人アルタスと共に義勇海賊を率いていた。立ち寄った港で、偶然カラーの一団にいた男を発見。その男からカラーを居場所を聞き出す。カラーは、妖術師であった新だ妻を仮面の力で生き返らせようとしており、妻が死んだ地にいることを知る。その後、コナンはカラーの一団が僧院の襲撃に遭遇。一団が捉えようとしていた女性にタマラ加勢し救出するが、タマラを囮にして、カラーを誘い出そうと考え…というストーリー。

シュワちゃん主演の『コナン・ザ・グレート』は、時代設定がいつなのかイマイチよくわからなかったけれど、本作はアトランティスが沈んだ後から、現在“有史”といわれる時代より前の超古代のお話とのこと。ここがハッキリした点は悪くないのだが、仮面の設定が良くない。
なにやら悪の王様みたいなのがいて、それを倒した後、復活しないように仮面を9個に分割して各地に隠し…で、悪役の族長みたいなのが、それを捜しまわっている…って、丸まんま『ロード・オブ・ザ・リング』やんけ。

前作では、両親を殺された後に奴隷にされたコナンが、厳しい労働を乗り越えてムキムキになっていく。普通の子供が過酷な環境によって強くなっていったわけだ。だけど、それほど頭は良くないし世間知らずだし、そういう肉体と頭のアンバランスさが魅力だった。ハスキー犬みたいな愛らしさすらあった。
しかし、本作では、子供のころから、武の才能がハンパなく父親の英才教育を施されるという設定。無垢さとかバカっぽさが無くて、全然愛せないキャラ。顔がエキゾチックなのはいいとして、肉体がシュワちゃんに比べるといまいちで、敵にはもっと体格のいい人もいるほど。『300』とか肉体美がウリの作品もたくさんあるわけで…、せめて、もうちょっとパンプアップすればよかったのに。
もしかすると、原作がこういう設定なのかもしれない。けれど、だからといって既視感満載だったりキャラの魅力を落として良い訳がない。

映像もアクションも非常によろしくて、すごく能力の高いスタッフが集まっているのだと思うが、プロットの質があまりに低すぎて。いや、逆にいえば、ポンコツプロットなのに、よくぞここまで魅せているというべきか。

で、もっとも訳がわからないのが、敵の親玉が“悪の帝王”やらになった後である。仮面を装着し無敵状態になったはずなのに、以前とかわらずコナンと同レベルの強さだってこと。何が変わったの????って感じ。単に、黄泉の世界から妻を蘇らせる能力がついただけのような…。
で、蘇らせてどうしたいのかもよく説明されていない。妻が蘇ると何がどうなると?とりあえずヒロインの巫女が乗っ取られること以外にデメリットがないので、あまりハラハラしないという…。さらに、最後は橋の板をはずされて落ちていくだけというオチ。悪の帝王が足元の板をはがされて落ちておしまいって、何が悪の帝王やねん。
何度も言っているが、敵が弱けりゃ映画は面白くないんだって…。

シュワちゃんに『コナン・ザ・グレート』も結構トンデモ要素が多かったけど、それを踏まえた上で今の技術を加味したのに、この出来映えとは…。

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image2020.png公開年:2000年
公開国:アメリカ
時 間:80分
監 督:クリスチャン・セスマ
出 演:ジェイソン・ミューズ、サマンサ・ロックウッド、ダニー・トレホ、ニック・ナック・ニコテラ、マイク・ハットン、ポール・スローン、ニック・タートゥーロ、フレッド・ウィリアムソン 他





オタク男と美人のカップル。男はサプライズプレゼントをしようと女に目隠しをして宝石店に連れて行く。女はピリッとしない男にうんざりぎみで、おまけに宝石店は閉店していて、サプライズは完全に失敗。しかし男は諦めず、強引に宝石店を開けさせる。しかし、思った以上に宝石が高価で怖気づいていると、突然強盗が襲撃。二人は物陰に隠れ、強盗たちが去るのを待っていたが、そんな中でも女は日頃の男の退屈さをけなし続け、別れようと告げる。すると、なぜか強盗同士が仲間割れを始め銃撃戦が始まり、カップルは難を逃れることに成功。別れを告げられて発奮した男は、どさくさに紛れて宝宝石を奪って逃走してしまう。強盗失敗の報告を受けたギャングのボスは、逃げたカップルの始末をその筋では有名な“掃除屋”に依頼する。一方、旅行中の兄弟は、車が故障してしまい、助けをもとめて荒野を彷徨っていると、傭兵の訓練施設に迷い込んでしまう。小太りの弟は傭兵たちに見つかって捕らわれてしまい…というストーリー。

#いやー、パソコン壊れた壊れた。新PCを購入し環境がやっと整った。年末に無駄な出費である…。

ダニー・トレホがジャケットにバーンと出ているわけだが、彼が出ているならまあ借りてみるか…と。薄々感づいてはいたが、案の定、彼は主役でもなんでもない。その他に有名な俳優は出ていないから彼を前面で出さざるを得ないという事情(まあ、日本未公開作品だからね)。でも、彼はどんなB級映画でも、爪痕は残してくれるはず。うまくいけば『マチェーテ 』ばりにやらかしてくれるかと。

いかにもB級な画質で低予算感満載なのだが、雰囲気は案外悪くない。
ヘッポコカップルがボニー&クライドばりに暴走しちゃうお話と、旅の途中に傭兵集団のキャンプに紛れ込んじゃうドタバタ話と、ギャングのボスが宝石を取り戻そうとするお話が、オムニバス的な構成で展開される。それぞれのキャラクターが荒々しく粗暴な感じで、それが本作の全体の雰囲気を作り出している。無駄に観客の期待を煽らない、軽妙さがある。
オムニバス的な流れは、ダニー・トレホの登場で集束していき、あとは“掃除屋”の登場を待つ展開に。まあ、読めなくもない展開なだけに、もうちょっと、他の要素を加えて、カオス状態をつくったほうがよかっただろう。
例えば、裏切った強盗メンバーがなんで裏切りに至ったのかを、もうすこし厚く描写するとか、傭兵集団を最後のむちゃくちゃ状態に、何とかして絡めるとかね。
#そして、やっぱりダニー・トレホはあんまり大事な役ではない。

結果的に、一番ぶっ飛んだ設定なのがあの兄弟。この二人のキャラクターを掘り下げてリメイクするとおもしろくなるかも。脚本は監督のクリスチャン・セスマが書いてるんだけど、この人はもしかすると化けるかもしれない。覚えておきたい。
珍作だけど、非常に好感がもてる一作。さすがに新作料金だと納得できないかもしれないけど、旧作料金なら間違いなく納得できると思う。

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image2013.png公開年:2012年
公開国:アメリカ
時 間:136分
監 督:マーク・ウェブ
出 演:アンドリュー・ガーフィールド、エマ・ストーン、リス・エヴァンス、デニス・リアリー、キャンベル・スコット、イルファン・カーン、マーティン・シーン、サリー・フィールド 他
コピー:恐れるな。自ら選んだ、この運命を。



13年前に両親が失踪して以来、伯父夫婦のもとで育った高校生のピーター・パーカー。ある日、父が遺した鞄の中に、父と生物学者コナーズ博士の関わりを示す資料を見つけた。父のことを知るために、コナーズ博士が勤務するオズコープ社を尋ねる。しかし、そこで遺伝子実験中の蜘蛛に噛まれてしまう。ピーターは帰宅途中の電車の中で、驚異的な力に目覚め…というストーリー。

ティム・バートンの『バットマン』に対する『バットマン ビギンズ』のような感じかと思いきや、サム・ライミ版の焼き直しといってよい内容。叔父叔母に育てられ、学校ではいじめられっ子で、研究機関でクモに咬まれて能力を持ってしまい、自分の無責任な行動による叔父が殺されてしまうという…というポイントはまったく一緒。本家の焼き直しの“アルティメット・スパイダーマン”をベースにしているらしいので、こうなるのはわかるが。サム・ライミ監督が降板して予定が狂ったのはわかるが、始めから作り直しする意味がどれだけあったか。

何かい?キルステン・ダンストがブサイクだから作り直したかったとでも?(笑) でも、エマ・ストーンは、いかにもモテそうなキャラクター。スパイダーマンがこれでいいのか?体育館でポスター描いてた野暮ったい女の子の方がよっぽど魅力があったような…。

『(500)日のサマー』のマーク・ウェブ監督だが、そつなくまとまってはいると思うが、彼のすばらしさが生きていない。彼らしく若者の青春にはウエイトが置かれているが、その分、ヒーロー映画としてのワクワク感が削がれている。
この手の作品では、珍しいのは、胸クソわるい悪人というのが出てこない。叔父を殺したチンピラや、街のチンピラはでてくるが、ヒーロー作品なのに、圧倒的な悪役がいない。“リザード”だって、最終的に倒すわけではない。

サム・ライミ版では「大いなる力には大いなる責任が伴う」という強いメッセージがあったが、本作にはそれに代るメッセージ性はあっただろうか。ただ、サム・ライミ版のメッセージが薄まったものがそこにあっただけに思える。“マンガ”なのに強いメッセージ性、そのアンバランスさこそスパイダーマンの魅力だったんだかがなぁ。

サム・ライミ版のスパイダーマンのCGはトホホ状態だったので、さすがにそこは改善されるだろうと思っていたのだが、ユニバーサルスタジオレベルのカットが散見で、がっかり。クモの糸は体から出るのではなく、“仕入れ”るという設定。ユニークではあるが、重要ではない。それ以前に、機械好き、科学好きという設定が、いまいちしっくりこない。あんな最新素材をつかった糸を自由自在に出力できる機会を作れるだけの能力があるように見えない。

続編に繋げようとして、父親の秘密を匂わせているが、いまいち魅力もワクワク感も感じない。マーク・ウェブはお気に入りだっただけに、正直落胆している。TSUTAYAが独占レンタルしているが、あまりモメごとがおこっていないのは(独占禁止法云々と騒ぎになっていないのは)、本作のデキがああまりよくないからじゃないか…なんて。色々残念。

 

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image1999.png公開年:2012年
公開国:アメリカ
時 間:98分
監 督:マックG
出 演:リース・ウィザースプーン、クリス・パイン、トム・ハーディ、ティル・シュヴァイガー、チェルシー・ハンドラー、アンジェラ・バセット、ジョン・ポール・ルタン、アビゲイル・スペンサー、ジェニー・スレイト 他
コピー:史上最大の“職権乱用”



CIAの凄腕コンビFDRとタックは、極秘任務でターゲットを逃走させてしまい、謹慎処分になってしまう。暇を持て余したタックは、別れた妻と息子に会いにいくがまったく相手にされない。付き合っている女性もいない自分の生活が無性に虚しく感じられた彼は、恋人紹介サイトに登録。そこで知り合ったローレンという女性とデートをすることになった。一方、FDRはレンタルビデオ店でナンパ中に励んでいた。一人でビデオを借りにくるような女性は寂しい状況に違いないという考えで、ある女性に声をかけたが、軽くあしらわれてしまう。しかし、自分になびかない女性にかえって夢中になってしまうFDR。しかし、その女性はローレンだった。ローレンは、突然言い寄ってきた二人の男性を選ぶことができず、二股をかけてしまう。そして、FDRとタックは、お互いの恋人が同一人物だと知ってしまい…というストーリー。

完全に女性向け作品、というかカップルで観にいくための作品なんだろう。私のために争わないで~と、女性は愉しく感じるのかもしれない。でも、絶対に男性には絶対ピンとこない。なぜなら、二股けられていると判った瞬間、男はヒくから。いや、実生活で一人の女性を取り合うという展開なら、わからないではないが、別の男性と付き合っていることを隠して付き合っているなんて確実にヒく。それがわかった時点で、元々知り合いの男同士が争うことなど、まずない。“紳士協定”の意味もわからん。

それでも張り合ってしまうのが理解できるほど、ローレンという女性は魅力的だろうか。元彼に未練タラタラだわ、人間不信だわ。映画に詳しいから好きになる? ナンパになびかなかったから? 説得力ない。もう、リース・ウィザースプーン演じるローレンが魅力的じゃない。この作品の敗因はこの一点に尽きる。
おまけに、どっちか選べないから、とりあえず二人をセックスしてみて、よかったほうにするとか言い始める。それを聞いて、男が発奮するとか、女性からしたら夢の展開なのかもしれないけど、男目線では、マジであり得ないから。
で、このまま“紳士協定”を維持して引っ張るのかを思ったら、あっさり一線を超えるし。なんだかわからんわ。

殺し屋がやってきたことを知らせにきて大喧嘩になるくだりが、最悪につまらない。お互いが知り合いだということがわかった瞬間、ローレンは「これは賭け? ゲーム?」とか突然すべを理解してしまうという、都合のいい展開。で、もう一方のマフィアの話が、あまり意味を為していない。ローレンはあっさり奪還。その後の銃撃戦&カーチェイスも常にFDRとタックが優位で、全然ハラハラしない。マックG監督にしては、カーアクションがショボいなぁ。

で、タックは元妻と寄りを戻すという究極のご都合主義展開。「はじめましてケイティよ」こんな、ダサいクソ台詞、めったにお目にかかれないよ。で、ラストのFDRの告白でわかるように、結局は下劣な品性の人間がつくった映画なんだわ。もうね、何が面白いと思って作ってるんだかまったくわからない。クスリでもキメて書いたシナリオじゃないかね。手放しで文句なしの駄作。

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プロフィール
HN:
クボタカユキ
性別:
男性
趣味:
映画(DVD)鑑賞・特撮フィギュア(食玩/ガシャポン)集め
自己紹介:
一日一シネマ。読んだら拍手ボタンを押してくだされ。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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