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公開年:1994年
公開国:フランス、アメリカ
時 間:111分
監 督:リュック・ベッソン
出 演:ジャン・レノ、ナタリー・ポートマン、ダニー・アイエロ、ゲイリー・オールドマン、ピーター・アペル、マイケル・バダルコ、エレン・グリーン、サミー・ナセリ 他
ノミネート:【1995年/第19回日本アカデミー賞】外国作品賞






ニューヨークで孤独に暮らしている、イタリア系移民のレオン。彼は、イタリア系マフィアのボスであるトニーのからの依頼を専門に受ける、プロの殺し屋。ある日、仕事を終えてアパートに戻ると、隣室の住む12歳の少女マチルダが廊下が座っている。彼女の顔に暴力を振るわれた跡があったことから、初めて言葉を交わす。マチルダの住む部屋にはスタンフィールドという男とその部下が訪れていた。スタンフィールドは、マチルダの父ジョセフが密売組織の麻薬の一部をくすねたと疑っており、それを詰問していた。明日の正午までの無くなった麻薬を見つけるように告げて去っていったが、翌日、スタンフィールドと仲間たちはマシンガンを手にアパートを急襲。ジョセフが隠し持っているを確信したスタンフィールドは、4歳の弟を含め、全員を射殺。ちょうど買い物に出ていたマチルダは、平静を装いレオンの部屋に向かう。一瞬躊躇したレオンだったが、彼女を部屋に入れ保護するのだった。レオンが殺し屋であることを知ったマチルダは、愛する弟を殺した奴らに復讐するため、自分を殺し屋に仕立ててほしいを懇願するのだが…というストーリー。

TV放送があると、断片的に観ていたことが何度もあるが、通しでしっかり観たのは、もしかすると初めてかもしれない。レオンが文盲の設定とか、「あれ?そういう設定だっけ?」状態だった。

子供は死なないというハリウッド的な演出から外れて、4歳の子を殺す効果の大きさを感じずにはいられない。あのシチュエーションを考えた場合に、流れ弾で死ぬという展開はごく自然。少女が殺し屋を目指すという、いささか荒唐無稽な展開も、糞オヤジ以外は血縁がない等の状況を考えると、事件直後のマチルダの反応は妥当に見える。
とにかく演出に置きに行った感がない。リュック・ベッソンの、客の顔を伺っていない、しっかりと自分のペースでアクセルを踏んでいる演出の心地よさ。これがあるからこそ、レオンの暗殺者ゆえの残酷さやシビアさと、無骨さや純朴さのミックスが、うまくミックスできている。
#文盲で殺し屋が成立するか…という疑問は感じなくはないが、まあ許容範囲だろう。

一人の暗殺者という主人公に対して、ゲイリー・オールドマン演じる悪徳刑事というキャラクターのバランス感が非常に良い。警察組織の人間ではあるが、はみ出しもののクズ刑事。レオン一人でもなんとか対処できそうなギリギリのレベルなので、気持ちを肩入れしがいがある。

自分で復讐しようとするマチルダ。多数の機動隊に追い詰められる無理めの展開の中、斧つかって脱出ルートをつくるシーン。さらにそこでの二人のやりとりとか最高。印象的なシーンが盛りだくさん。最後も単純に、警官に化けて逃げ切れる…だけじゃないのがよい。

レオンのマチルダに対する感情は、ロリコン的なそれと思われるかもしれないが、それは違う。男性の観客がレオンに共感できるのは、男性の遺伝子に潜んでいる父性、それも“弱い立場の誰かを守って死にたい”という欲求がガンガン刺激されるからだ。生き死にに関わるシチュエーションを見せられると、さらに引っ張り出されやすくなる。

寄宿舎に戻ったシーンでは、最後は、本当のことを言ったのに信じてもらえなかったってこと?それとも同情されたってこと?先生の表情はイマイチ読み取れなかった。いずれにせよ、学費はすでに支払い済みという伏線がしっかり張られていて、まったく違和感なく戻れている点がすごい。

プロットはまちがいなく凡庸。でも、話が素晴らしいかではなく、端々に至る演出があまりにも神懸りすぎる作品。映画賞に無縁だったのがビックリ。
#エンドロールのスティングの曲はとにかくシビれる。

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公開年:2010年
公開国:インド
時 間:138分
監 督:クーキー・V・グラティ
出 演:ヴィヴェーク・オベロイ、アルナ・シールズ 他








ハイテク機器を駆使してスマートに仕事をこなす、大泥棒のプリンス。ある日、目が覚めた彼はすべての記憶を失っていた。別荘と思しき屋敷には使用人と名乗る男が。彼に自分の職業などを説明してもらうものの、まったく思い出せない。そんな中、マヤと名乗る女性が3人も現れ、それぞれがプリンスと自分の関係を説明するのだが、誰のことを信じてよいのかまったくわからない。ただ、どうやら自分は、とある骨董品のコインを盗んだらしい。それを入手するために複数の組織がプリンスを襲撃してきて…というストーリー。

またもや懲りずにインド映画を観てしまった。あなたちょくちょくインド映画観てるよね?実は好きなんでしょ?と言われそうだがそんなことはない。ハリウッド映画並みの作品を目指して、CGなど技術導入がめざましいインド映画。そろそろ本当に世界中の視聴に耐えそうな作品がでてきてもおかしくないだろう…という生暖かい期待から、目に付いたものは観ているだけのことである。

突然踊り出すことでお馴染みのインド映画だが、それ以上に、コメディの部分で必ずと言っていいほどチョケてしまい、作品の質を落とすのが常。正直、本作も期待してはいなかった。しかし、本作は一切チョケたシーンが無いのだ。
都合よく記憶が消えてくれるという、ドラえもん級のツールがお話の核になっており、“マンガ”であることは間違いないのだが、『羅生門』というか『藪の中』というか、3人の女性の証言の間を揺れながら真実を探るという、なかなか巧みなシナリオになっている。

 ハリウッド志向というよりは、フランスのSF映画チックな雰囲気も漂う。とにかく、インド映画特有の違和感は無くなっている。
インド人といってもアーリア系の女性なので、その美しさが世界的に受け入れられやすいということもある(日本のように国内でウケる女優と、アジアンビューティーと海外から評価される女性に大きな乖離がない)。
#反面、インド人男性俳優が、ニの線なのか三の線なのか、判別がつかないという点はあるけれど…

CGに関しても、日本映画のCGとさほど変りなし。インド映画といえば長いでおなじみだが、この138分が、90分ちょっとにシュっとまとまったら、もっと良くなる。日本映画は抜かれつつあるのかも…、いやそれ以前に、元々同じレールの上にすらいないのかもしれないな…という印象である。

ここまで褒めると、どんだけおもしろいんだ?と思うかもしれないが、あくまでこれまでのインドSF映画と比較してのことなので、要注意を。

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公開年:2013年
公開国:アメリカ
時 間:120分
監 督:アントワーン・フークア
出 演:ジェラルド・バトラー、アーロン・エッカート、モーガン・フリーマン、アンジェラ・バセット、ロバート・フォスター、コール・ハウザー、フィンリー・ジェイコブセン、アシュレイ・ジャッド、メリッサ・レオ、ディラン・マクダーモット、ラダ・ミッチェル、リック・ユーン 他
コピー:必ず、救出する




アメリカ大統領のシークレット・サービス、マイケル・バニングは、事故に巻き込まれた大統領を救出する際、大統領の命を優先し、大統領夫人を救うことができなかった。以降、大統領付きの任務を外され、デスクワークを命じられる。それから2年たった7月4日。韓国大統領との会談中に、アジア系テロリスト集団の奇襲攻撃によって、ホワイトハウスが占拠される。現場のシークレットサービスは全滅し、大統領をはじめスタッフが人質となってしまう。急遽、トランブル下院議長が大統領代行に任命されるが、そこにテロリストから、日本海からの米国第七艦隊の撤収と核爆弾作動コードを教えろとの要求が入る。簡単に承諾できる内容ではないため、対策に窮していると、ホワイトハウス内部から緊急連絡が入る。それは、潜入に成功したマイケルからの通信だった。対策室はマイケルに一縷の希望を託すのだったが…というストーリー。

なんで独立記念日に韓国の大統領と会談するのか、まったく意味がわからん内容で、また韓国アゲのアホ演出かと思ったのだが、その後の展開を考えると、むしろ韓国は無能国家扱いの作品だった。第七艦隊と駐留軍を呼び戻せというテロリストの要求を受けての対策室の反応が、“非武装地帯から撤退したら72時間以内に韓国は制圧されてしまう!”だって。どんだけ韓国軍が弱いんだ。実際に在韓米軍が引き上げそうになってるこのタイミングで、さりげなくものすごくヒドいこと言っている。
いまさら、敵を北朝鮮にするのが根本的につまらないのだが(それは置いておくとして)、北朝鮮を悪者にしてるようにみえて、韓国が無能だってディスってるとしか思えない。

おまけに、「韓国を失って、核までも?!」なんというアホなセリフだろう。韓国ってアメリカのものだといわんばかり。まだ、北朝鮮側とアメリカが戦っているといわんばかり。休戦してるといってもアメリカが休戦しているわけではあるまい。この作品は、かなりアホだぞ(意図的なのか確信犯なのか、ものすごく微妙)。

かつて大統領のSPだった男が、偶然居合わせて、一発逆転の切り札になるんだけど、まったく容赦しないキャラクターで、なかなかおもしろい。ただ、大半のシーンが薄暗く、アクションシーンがわかりにくいのが玉に瑕。せめて、もうすこしコントラストをはっきりさせてほしかった。

大統領の息子の奪い合いがストーリーの軸にならなかった点は評価したい。実際の大統領スタッフがどんなもんかはわからないが、国家への忠誠心というのを、ストーリーの一つの軸にしたのがよかった。日本の官僚に本作を観せて、このシチュエーションになったら、同じようにテロリストの要求を拒否できるか?って確認したくなる。

単純な汚名返上モノといってしまえばそれだけの話なのだが、細かいことを気にせずに、軽い気持ちで楽しむにはちょうど良い内容。

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公開年:2010年
公開国:アメリカ
時 間:92分
監 督:ジョセフ・グズマン
出 演:アサン・オルテガ、デヴィッド・カストロ、ペリー・ダマルコ、ビル・オバースト・Jr 他






とある砂漠の町では、凶悪なギャングが幅を利かせているだけでなく、教会までがすっかり腐敗しきっていた。あろうことか教会は、神父たちによって麻薬工場となっており、尼僧たちはその工場で奴隷のように働かされているのだ。尼僧の一人サラは、麻薬の取引の際に犯行したため、ギャングと神父の手によって売春宿に放り込まれてしまう。そこで麻薬漬けにされて、客を取らされるが、一瞬の隙をついて脱出に成功。そして1年後、彼女は町に戻ってくる。手始めに自分を売春宿に売った神父を射殺。続いてギャングの殺し屋どもを血祭りに。ギャングの首領のチャヴォは、殺し屋の正体をやっきになって探ろうとするが…というストーリー。

B級どころかC級なんじゃね?と心構えは十分にできていたつもりだったが、予想以上だった。
まず、冒頭で、この人が主人公なんだろうな…思っていた人が、主人公じゃないっていうね。何が言いたいかって、キャストが美しくない…いや、もうはっきりいっちゃうけどブサイクな人ばっかりなのね。器量の悪いほうが主人公かよ…なんて思ってたら、汚れ&汚れで、そりゃこれを演る役者は限られるってのはわかるんだけどさ。
登場する女優さんは、全員、裸になる(あ、太った尼僧だけはならないか)。これで、どういう作品か理解できるだろう。

ギャングの非道っぷりの描写が、一切オブラートにつつむ気がないってのもね。レイプシーンは身も蓋もなく気分が悪くなるレベル。対象者がおばあちゃんの尼僧のシーンは、もう勘弁してください状態。

唯一の演出らしい演出は、人物紹介が新たに登場すると、止め絵で名前バーン!ってカットが入る。しかし、さほど重要じゃないキャラクターが登場してもバーン!ってなる。誰でもかれでもそれをやるもんだから、逆に誰が誰かよくわからなくなるという、本末転倒ぶり。最後の方になってくると、わざとやってるだろ? 笑わせようとしてるだろ? って感じになる。

唯一の希望は、バンバン撃ち殺して、スッキリさせてくれることなのだが、残念ながら爽快感は全くと言っていいほどない。ガンアクションがつまらんのよ。そのくせ、撃ったあとの銃創とかはCGで処理していたりする。気を使うのはそこじゃないよ(笑)。

ちなみに邦題に“マシンガン”とあるけれど、マシンガンを使うのは最後のほうにちょっとだけ。
ラストは続編を匂わすカットで終了。本気でやるかどうかなんてどうでもよくって、シャレというかネタ的に差し込んだだけ。いや、いいオチがつけられなかったから誤魔化しただけかも。

いやぁ、本物の“グラインドハウス”を観た!って感じ。せめて、おもしろ吹き替えくらい付けようよ、日本の配給会社さん。

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公開年:1995年
公開国:アメリカ
時 間:96分
監 督:ダニー・キャノン
出 演:シルヴェスター・スタローン、アーマンド・アサンテ、ロブ・シュナイダー、ユルゲン・プロフノウ、マックス・フォン・シドー、ダイアン・レイン、ジョアンナ・マイルズ、ジョアン・チェン、バルサザール・ゲティ、ジェームズ・レマー、モーリス・ローヴ、イアン・デューリー、ピーター・マリンカー、アンガス・マッキネス、マーティン・マクドウガル、ミッチェル・ライアン 他
ノミネート:【1995年/第16回ラジー賞】ワースト主演男優賞(シルヴェスター・スタローン)


2139年。世界は核戦争によって荒廃し、人々は3つのメガシティと呼ばれる巨大都市の中に密集して生活していた。しかし、元ニューヨークがあった場所に建設された“メガシティ・ワン”では、犯罪が多発して秩序が崩壊寸前。かろうじて崩壊をくい止めていたのは、“ジャッジ”と呼ばれる特殊訓練を受けたエリート集団による治安維持部隊だった。ジャッジは、警察官、裁判官、刑の執行人を兼ねており、犯罪者を逮捕し、素早く判決を下し、その場で刑罰を与える権利を持っていた。そのジャッジの中でも、ドレッドは、その執行数において伝説的な存在となっていた。ある日、マスコミ関係者が殺害される事件が発生するが、犯行の様子が映ったビデオがドレッドらしき人物が映っており、それが証拠となりドレッドが逮捕されてしまう。もちろんドレッドに身に覚えはなく、同僚のハーシーは懸命に弁護したのだが、犯行に使われた銃がドレッドの遺伝子をキーに作動していることがわかり、それを証拠として死刑判決が確定してしまう。ドレッドを息子にように愛していたファーゴ長官は、自分の引退と引き換えに減刑を申し出て、終身刑に減刑される。長官はシティを追放され、ドレッドもアスペン刑務所に送られるのだったが…というストーリー。

イギリス/南アフリカ製の、2012年版『ジャッジ・ドレッド』を観た後、どうしても観たくなったので、改めて鑑賞。2012年版は、観ながら「こんな話だっけなぁ…」感が湧きまくりだったからね。

凡作扱いされることが多い本作だが、設定やストーリー展開に、すばらしいものがあると思う。“正義”ではあるけれど、杓子定規にもほどがあるドレッドと、狂言廻し的なポジションの小悪党ファージーとの関係。この取るに足らないチンケな男のおかげで、ドレッドの心に変化が生じ、成長していく。
“計画”の胤し子であるドレッドとリコは、元々同じだったが、正邪に分裂するという、よく見られる設定(シュワルツェネッガーの『ツインズ』みたいなコメディにも見られる)。だが、それをドレッドのルーツの謎や苦悩に結びつける流れも、良いと思う。
なんといっても、ドレッドが罠にハメられる手法と、隠蔽された計画の要旨がしっかりと結びついているのがウマい。

都市の外に汚染地区が広がっており、そこに追放されるのだが、この展開のおかげでより世界観が涵養されるといい効果を生んでいる(2012版には無い)。シティの内外とも雰囲気がうまく表現できている。人喰いのエンジェルファミリー、ちょっと今だと表現が難しいレベルなのだが、じつに印象深くて、本作をしっかり記憶に残す、いい役回りになっている。

再評価されていい作品なんじゃないかな?と私は思う。

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公開年:1987年
公開国:アメリカ
時 間:100分
監 督:ジャック・ショルダー
出 演:カイル・マクラクラン、マイケル・ヌーリー、エド・オロス、クルー・ギャラガー、クローディア・クリスチャン、クラレンス・フェルダー、ウィリアム・ボイエット、クリス・マルケイ、リチャード・ブルックス、ラリー・セダー、キャサリン・キャノン、ジョン・マッキャン、リン・シェイ、ジェームズ・ルイジ、フランク・レンズーリ、デュアン・デイヴィス、クリスティン・クレイトン、ダニー・トレホ 他
受 賞:【1988年/第16回アボリアッツ・ファンタスティック映画祭】グランプリ


ロス市警の刑事トム・ベックは、凶悪犯をカーチェイスの末に銃撃し、逮捕する。病院に収容された犯人はデヴリーズをいう男だったが、いくら調べても平凡な市民であり、そんな犯罪を起こすような経歴もなく、市警は混乱するばかりであった。そんな中、ベック刑事の前にFBI捜査官のロイド・ギャラガーがやってきて、とある人物の捜索に協力を依頼してきた。ベックはFBIが嫌いで、且つギャラガーが探している人物がとっくに死亡していたことから、体よくあしらおうとするのだったが、ギャラガーは一向に帰らない。それだけでなく、ベックの仕事にどんどん口出しをしてくる。そこに、収容されていた病院からデヴリーズが死亡したという連絡が入る。病院に行くと、デヴリーズが死んだだけではなく、隣のベッドにいた重体患者ミラーが、突然元気になり病院を飛び出したとのこと。ギャラガーは、また凶悪事件が発生するといい、そしてその言葉は現実の物となっていき…というストーリー。

エイリアンが乗り移るという内容は珍しくもない。人から人に移動していき、ピンチの時は動物にも使う。そして、殺すためには、次に移るときだけ…って、『悪魔を憐れむ唄』なんかと同じだ。でも、ハードロック好き(カントリー嫌い)、フェラーリ好き…と、本作のエイリアンの奇行がなかなかおもしろい。なんで?ずっと病院のタグを付けてたりと、なかなか細かかったりする。こういう味付けが重要で、良い作品は、こういうところに隙が無い。

ギャラガーがフェラーリの値段を知らないってことで、早い段階で展開は丸わかりになっちゃう。もうちょっと隠す工夫をしてもよかったと思うが、作品のノリが台無しになるわけでもないから、大きな問題ではないのかな…。

SFアクション作品なのだが、「組成物質が違う。人間の体には効かないんだ。」というわりには壁壊れてましたやん。身に付けてるものには影響あるんちゃうの…などと、ツッコミたくなるような部分は散見。何で、宇宙人が大統領候補を狙うのか、動機がピンとこないし、なんで宇宙人がスーパーカーが好きなのか、説明がなかった。ディテールを膨らませたり、おもしろくできる要素は随所にあったと思うのだが、生かしきれていなかったかも。

家族を喪失した悲しみや復讐心はもっている宇宙人。地球人と同じなんだな…を思わせておいて、オチでは、微妙に「それでいいのか?」という感じに。人柄のよかったベック刑事のいまいち救いのない終わり方や、怯えていた娘は、その後どういう態度をとるのか…という、なんともモヤっとしたしこりが心に残る。ギャラガーを見て娘が怯えるシーンが、ラストにいまいち繋がっていない気もするが、良くも悪くも、この展開が、印象深い作品。

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公開年:2011年
公開国:インドネシア
時 間:102分
監 督:ギャレス・エヴァンス
出 演:イコ・ウワイス、ヤヤン・ルヒアン、ジョー・タスリム、ドニー・アラムシャー、レイ・サヘタピー、ピエール・グルノ、テガール・サトリヤ、ヴェルディ・ソライマン 他
コピー:強すぎ!殺りすぎ!敵多すぎ!




インドネシア・ジャカルタのスラム街にある30階の高層ビルは、麻薬王タマ・リヤディ配下のギャングやドラッグ売人が占拠していた。敵対するギャングや警察は、足を踏み入れることすらできない。しかし、警察はリヤディ逮捕のため強制捜査を命令。リヤディ新人警官ラマを含む20人のSWATチームによる奇襲作成が決行される。見張りを倒して突入し、順次フロアを制圧。リヤディがいる15階を目指すが、何故か作戦はリヤディ側に漏れており、迎撃された警官たちは次々と命を落とし、残されたラマたちはビル内に閉じ込められてしまう。さらに館内スピーカーからは、ビル住人に入り込んだ警察を撃退するゆに、ラマの声は響き…というストーリー。

インドネシア映画を観るのははじめてかも。
続編も作られ、ハリウッドでリメイクも決定!っていうけど、なにか本作独特の新規性はあるだろうか。アクションがすごいっていうだけなら、そのアクションをまねればいいだけで、リメイクする必要はないだろう。何が言いたいかというと、ストーリーが無さすぎじゃないか…ってこと。上に書いたあらすじ以上のものは何も無い。
作戦が敵に漏れていて、その黒幕は誰なのか?っていうのが、ストーリー上の強い軸のはずなのに、そこを深く掘り下げていない。取ってつけたように、主人公ラマの兄弟が敵の組織の一人っていう設定があるんだけど、あまり綺麗に処理できていない。主人公ラマにもうすぐ子供ができるっていう、あからさまな死亡フラグも同様。

この圧倒的に欠けているストーリー性を、ハリウッド流のシナリオ術で補完しようってことだろうか?もう一度いうが、別に似たような話をつくっても、パクりだ!なんて騒ぐ奴なんか出てきそうにないほど、オリジナリティは無いと思う。

確かに、アクションはすごい。演出を躊躇しちゃうような、頭を至近距離で撃つとか(画面の外じゃなく頭が打ちぬかれるところがたくさん描かれる)。銃撃戦だけじゃなく、長いナタみたいので切りあうとか、カンフーアクションみたいなフィジカルコンタクトも盛りだくさん。
でもね、はじめはいいんだけど、同じムーブが繰り返されるんだよね。飽きちゃう。ナタで水平に切り込んで、それをダッグやスウェーで交わすシーンを連発されちゃうと、嘘臭すぎて興醒めしちゃう。

で、結局、オチはどうやって終わったんだっけ?って観終わってそれほど時間が経っていないのに、思い出せないんだわ。これ。
荒削りにもほどがあるんだけど、でも、もしかしたら今後タイ映画よりも面白いものが生まれるのかも?ていうインドネシアへの期待は感じさせてくれる作品。

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公開年:2013年
公開国:アメリカ
時 間:111分
監 督:ジョン・M・チュウ
出 演:チャニング・テイタム、ブルース・ウィリス、ドウェイン・ジョンソン、エイドリアンヌ・パリッキ、レイ・スティーヴンソン、D・J・コトローナ フリント、イ・ビョンホン、レイ・パーク、ジョナサン・プライス、RZA、エロディ・ユン、ファラン・タヒール、アーノルド・ヴォスルー、ウォルトン・ゴギンズ、ジョセフ・マッゼロ、ジョー・クレスト、ジェームズ・カーヴィル、ライアン・ハンセン、ロバート・カトリーニ 他
コピー:斬られるか。撃たれるか。


アメリカ最強の機密部隊“G.I.ジョー”は、大統領よりパキスタンでの核弾頭奪取任務を発令。しかし、大統領は何故か、G.I.ジョーたちが、核弾頭を強奪しようとしたと発表し、彼らの殲滅を発令する。G.I.ジョーのメンバーは次々と命を落とし、かろうじて生き残ったのは、デューク、ロードブロック、レディ・ジェイら数名のみ。G.I.ジョーは解体されたが、その一方でテロ組織“コブラ”が再び勢力を伸ばし始める。コブラと手を携えたアメリカ大統領は、世界に向けて核の根絶を発表。核保有国の首脳陣を集め会議を開くが、自国の核爆弾の全廃を渋る首脳たちの国に対して、なんとアメリカ大統領は核爆弾を発射し脅迫。世界中はアメリカにひれ伏すことになってしまう。そんな中、ロードブロックたちは、初代G.I.ジョーであるジョー・コルトン司令官に支援を求め、彼を新たなボスとするた新生“G.I.ジョー”を結成。世界征服を目論むコブラに立ち向かっていく…というストーリー。

前作『G.I.ジョー』は、アクションこそまともだったが、シナリオがポンコツ。続編があるような終わりかたをしていたが、ちょっと無理じゃねえか?と思うレベル。それでも、時間は開いたが続編が作られた。2作、作る契約だったのかもしれない。
さすがに、なんとかまともな映画にしようという努力がみられ、それなりの娯楽作品に仕上がってはいると思う。(ちょっとネタバレだけど)G.I.ジョーが罠にハメられるとか、大統領は替え玉でしたとか、元G.I.ジョーとはいえ、あれだけ大掛かりに仕組まれた敵に対して、今は民間人である人が個人持ちしている装備で立ち向かうとか、ストーリーとは無関係に、ただただおもしろい非断崖絶壁のぶらさがりアクションを放り込んでみたり、常にわかりやすい。どうせ、ヘンテコ忍者がでてくるようなお話だから、この程度でよいのかもしれない。
“ザ・ロック”ドウェイン・ジョンソンを主役にもってきたのも、ドンパチ主体のわかりやすさにマッチしていると思う。

しかし、あいかわらずコブラとデストロの構図は、わかりにくい。イ・ビョンホン演じる白忍者が騙されていたことだけは判るのだが、スネークアイと仲直りして白と黒の競演!って形で盛り上げようとしている部分は、いまいち空回り。前作から続く軋轢が解消されたところで、さほどのカタルシスはない(っていうか、このこじれてる部分をあんな簡単に解消しちゃうのは、いただけないかな…)。
スネークアイは、喋らないし顔は隠れていて表情はわからない(動作で感情がわかるキャラってわけでもない)。おまけに、イ・ビョンホンも英語が堪能ではないからなのかさほど喋らないし、キャラの問題なのか本人の演技の問題なのか、表情が薄いし。そんな二人が共闘しました!っていわれても、いまいち盛り上がらないのよね。

結果的に、普通のアクション作品だった。うん。普通。わざわざブルース・ウィリスを持ってきても、普通。

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公開年:2004年
公開国:フランス
時 間:85分
監 督:ピエール・モレル
出 演:シリル・ラファエリ、ダヴィッド・ベル レイト、トニー・ダマリオ、ラルビ・ナセリ、ダニー・ヴェリッシモ 他
コピー:NO CG! NO STUNT! NO WIRE!
アクション、極まる!





パリは、郊外の“バンリュー13”地区が極端に治安が悪化したため、周囲に壁を作り隔離を決行。壁の内部では、タハとその一味が支配する、ギャングたちによる抗争の耐えない無法地帯を化した。2010年、この地区で生まれ育ったレイトは、街からドラッグを一掃しようと、一人でタハ一味に立ち向かうことを決意。彼らから麻薬を奪い廃棄するが、その報復で妹が拉致されてしまう。しかし、圧倒的な身体能力を駆使して、逆にタハを拘束し妹も奪還。そのまま警察署にタハを引き渡すことに成功するも、そのころバンリュー13の行政組織のすべてが撤収する最中だったため、面倒を避けた警察署長はタハを解放し、逆にレイトを拘束。そのため再びレイトの妹が目の前で拉致されてしまう。そのままレイトは投獄され、6ヶ月が経過。政府が作った中性子爆弾がタ一味によって強奪され、バンリュー13地区に持ち込まれる事件が発生。タハは誤って起爆装置を作動させてしまい、爆破までの時間はわずか24時間。爆発すれば半径8キロが消失してしまう。そこでフランス政府は、エリート潜入捜査官ダミアンに起爆装置解除を命令。バンリュー13の土地勘のないダミアンは難色をしめすが、半年前に投獄されたレイトを利用して潜入するように強制する。ダミアンは市民を守るため、レイトは妹を救うために、バンリュー13への侵入を試みる…というストーリー。

治安が悪いからといって、一つの地区を壁で囲んで隔離するという基本設定に無理がありすぎる。いきなり高い壁ができたわけじゃあるまいし、なんで隔離政策をそこの住民が指を加えて見ていたのか。全員が悪人というわけではなく、結構な人数の普通の住民も一緒に隔離されており、人権無視も甚だしい。

で、その設定に気が向かってしまうと興醒めしてしまうところを、アクションで目を逸らしているわけだ。
そのアクションが、とにかくすごい。クレヨンしんちゃん流に言えば、お尻のあたりがヒュンってする。レイトもすごいけど、それを追いかけているタハ一味だって十分すごいんじゃない? って思うかもしれないが、レイトがやったのと同じことをやれば良いので、それなりに追いかけられるわけだ。そういう点でも、なかなか考えられているアクションシーン。リアルさを逸脱していないと思う。
ハリウッドアクションはもちろん香港アクションとも異なる。同じような体躯を駆使した純粋なアクションといえば、、トニー・ジャーらのタイ映画があるが、特撮もワイヤーアクションもないのは同じでも、そっちは人間離れしすぎていて、いささかリアルさに欠ける。本作は、“本当らしさ”という意味では最高峰のアクション映画だと思う。

奇しくも、昨日の『ホーボー・ウィズ・ショットガン』と同じく、一つの町が無法地帯となり、一人の男が町を掃除しようと立ち上がるという展開からスタートする。同様にありがちなプロットなのだが、やっぱりアクションがいい味付けとなっている。
加えて、職人捜査官としてのプライドと、妹奪還というわかりやすい目標に加え、各々が形は違えども正義を希求する人間であるという共通点を持たせている。ありそうで無かった形のバディ物といえるだろう。

6ヵ月も薬漬けで監禁されていたら、妹もどうにかなっちゃってるだろうに…と思うのだが、その身も蓋も無いエグさはリュック・ベッソン製作ならではか。リュック・ベッソンは結構、女性の扱いが悪いことが多いよね。

事件の黒幕はいかにもフランスらしいし、オチの付け方もフランスっぽい。フランスって権力対する反応が、いわゆる“中二病”っぽいね。軽妙さをエグさと中二病のコングロマリット。とても愉しめた。間違いなくヨーロッパ映画№1のアクション作品。快作。
#邦題はこんなつまらないのじゃなくて、『女囚701号 さそり』みたいなフォントで、“バンリュゥ13地区”とかにしたほうがインパクトあったんじゃないかな。

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公開年:2011年
公開国:アメリカ、フランス
時 間:108分
監 督:オリヴィエ・メガトン
出 演:ゾーイ・サルダナ、ジョルディ・モリャ、レニー・ジェームズ、アマンドラ・ステンバーグ、マイケル・ヴァルタン、クリフ・カーティス 、カラム・ブルー、グレアム・マクタヴィッシュ、ジェス・ボレッゴ、サム・ダグラス、シンシア・アダイ=ロビンソン、オフェリア・メディーナ 他
コピー: 悲しき暗殺者、カトレア。
彼女の生きる意味――それはただ、復讐を果たすこと。


1992年、コロンビア。マフィアの幹部である父の元、9歳の少女カトレアは、幸せにくらしていた。しかし、マフィアの大物とトラブルになり刺客を差し向けられ、目の前で両親が殺害されてしまう。カトレアは必死の逃走の末、アメリカ大使館になんとか逃げ込む。そこで、、父から渡されていたICチップを職員に渡して、保護を受けることに。アメリカ移送中に職員の目を盗んで再び逃亡。シカゴに住む叔父の所へ身を寄せる。叔父は殺し屋組織の元締めで、復讐を堅く誓っていたカトレアは、15年後、叔父の下で凄腕の暗殺者に成長していた。いよいよ復讐の時を迎えたと感じたカトレアは、叔父には内緒で現場にカトレアの花を残し続けていた。その犯行の特徴に着目したFBIは、マスコミにリーク。それは、父を殺したマフィアへのメッセージで、マスコミに出るのはカトレアの目論見通りだったのだが…というストーリー。

どこかでみたようなありがち設定で、新規性は皆無に等しい。というか、リュック・ベッソンが製作と脚本を手がけているわけで、『二キータ』と『レオン』をミックスしたセルフリメイクって言っても良いレベル。加えて、2000年以降の彼がお得意の、曲芸的なハイスピードアクションが味付けとして加わる。
復讐の鬼と化し、15年も着々と技能を積み上げていったカトレア。華麗な暗殺の手口が彼女のゾーイ・サルダナのスレンダーな肉体にマッチしていて説得力がある。ラスボスの屋敷内でのバトルは、内装や日用品を使ったアクションなども多く、『96時間』のいいところがうまく継承されていると思う。

叔父ってことなので、父親か母親の弟なんだろうが、なんかこの叔父さん、一応黒人ではあるけれど、南アジア的な顔立ちで、父母とも似ていなくてピンとこない(が、まあ、そこは気にしないでおこう)。

(以下、ネタバレ)
リュック・ベッソンなので、そこに必ず人間の弱みが描かれる。本作のそれは、弱みというか一般人なら当たり前の行動への渇望。まあ、簡単にいっちゃうと性欲なんだけどね。名前も素性も明かさずに男と付き合うのだが、そのせいで、足がついちゃって15年来の計画は頓挫か?って展開に。
本作で興醒めされるとしたら、ここだろう。ただ、いよいよ目的を達成するために仕掛ける!って時に、何、性欲満開にしてるわけ?っていうね。まあ、話のキーだから仕方がない。

もうちょっとCIAの悪事を膨らませて、最後まで悪あがきさせて絡めればよかったと、個人的には思っている。話が大きくなってしまったけど、そのCIA野郎の悪事を隠蔽するために、CIAもFBAもわざとだんまりを決め込んで、さあ、カトレアさんやっちゃってください!っていう流れ。さりげなく逃げられないように道路封鎖したり、マスコミにカトレアさんが見えないようにしたり、生温かいバックアップの中、最後の復讐劇が展開。足を洗って脱出する際も、さりげなく逃がしてくれるとか、そんな展開はどう?
でも、エンドロールの後に、FBIやCIAにも置き土産してることが判り…的な展開がよかったなぁ…。でも、そこまでやったら、シリーズ化しちゃうか…。

いままでのキャリアを存分に生かして、卒なく作ったな…という印象。海外ではそこそこだったと思うが、ゾーイ・サルダナが『アバター』に出ていた人だからって、客を引き寄せる力なんか無かったと思うので、日本国内の劇場公開では大して稼げなかったのではなかろうか。でも、この手の内容は、レンタル屋のコンテンツとしては、強いはず。鑑賞後の感じも悪くないので、つまんなかった…というウワサが広まることもなかろう。
軽くお薦め。

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公開年:2009年
公開国:デンマーク、イギリス
時 間:93分
監 督:ニコラス・ウィンディング・レフン
出 演:マッツ・ミケルセン、マールテン・スティーヴンソン、ゲイリー・ルイス、ジェイミー・シーヴェス 他







スコットランド人の権力者バルデの奴隷となっていた男。片目であることからワン・アイと名づけられたその男は、超人的な戦闘能力を持っていた。ワン・アイは、自分を監視していた男たちやバルデを皆殺しにして脱走。自分の世話係だった奴隷の少年アーと一緒に旅に出る。その道中、聖地エルサレムを目指す、ヴァイキングの一行と遭遇。ヴァイキングたちはワン・アイたちを仲間に引き入れて、船に乗り込む。深く濃い霧に包まれたまま何日も航行した末、未開の土地に到達するのだったが…というストーリー。

『ドライヴ』の監督さんの作品で、『ドライヴ』の一つ前。一人の寡黙で孤独な男がヘビーな生き様をみせてくれるという点では共通点はあるかも。でも、正直、本作は意味不明だった。

北欧神話がベースにある模様で、その知識があると少しは判るのだろうか。片目だからオーディンとか?

何せ、主人公のワン・アイが一言も喋らないし、彼を知っている仲間がいるわけでもないし、作風もドグマ95ばりに回想シーンがないので、彼が何でそんなに無双なのか…とかバックボーンが一切不明。もっとツライのは、脱走したのはいいけれど、どこにいきたいのか方向性が見えない。挙句の果てに、他人の旅にくっついていってしまうという、主体性の無さ。事件に巻き込まれてくっついて行かざるを得ないというわけではないのだから、ぶらり旅に等しい。

くっついていった旅の一行は、エルサレムの奪還とか言っているから十字軍なのかと思っていたのだが、ヴァイキングさんたちだとか。ヴァイキングの時代っていつやねん。調べたら西暦800年から250年間くらいらしい。ヴァイキングにキリスト教は浸透していたのか?とか、色々疑問は生じるが、まったく明るくない。
とにかく、船で延々エルサレムを目指すので、ぶらり旅とはいえ途中下車はできない。途中でやるのはいざこざで殺すだけ。

てな感じで、ストーリーはよく判らないし陰鬱だし、バトルシーンがはじまるとやっと目が醒めるくらいの内容しかないのだが、わざわざ“第一章 憤怒”とか“第二章 沈黙の戦士”などと、仰々しく章分けされている。章ごとに山場があるわけでもなく、眠気覚ましに挟んでいるんじゃないかと思うほど(実際、寝ちゃって、章が飛んだので巻き戻した。そういう意味では便利かも)。それに加えて、銀残しみたいな沈んだ画質で、同じデンマーク出身のトリアー監督の臭いを感じる。影響を受けているとか、関係があるとかは不明。

多分に哲学的な内容を含んでいるのでは?と窺わせるのだが、それを突き止めてやろうって気分にさせてくれないのが、この作品の力の無さか。結局、最後にワン・アイが見た幻覚(?)の意味もわからず、突如出現した人々の正体もわからず終了。

監督の製作意図とは真逆になるとは思うけど、実際は喋らないワン・アイだけど、心の中では、クソ喋ってるって設定で、心の声をガンガンガンガン、これでもかこれでもかって入れたら、すげーおもしろくなると思う。

まあ、いずれにせよ、つまらなかった。借りるな警報レベル。

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image2194.png公開年:2013年
公開国:アメリカ
時 間:88分
監 督:トミー・ウィルコラ
出 演:ジェレミー・レナー、ジェマ・アータートン、ファムケ・ヤンセン、ピヒラ・ヴィータラ、ピーター・ストーメア、デレク・ミアーズ、イングリッド・ボルゾ・ベルダル、ヨアンナ・クーリグ、トーマス・マン、ビョルン・スンクェスト、ライナー・ボック、ゾーイ・ベル、モニーク・ガンダートン 他



両親に捨てられ、森の奥深くの“お菓子の家”に迷い込んだヘンゼルとグレーテルは、そこに住む魔女に捕えられたが、すきを見て魔女をかまどに突き落とし、何とか生き延びる。それから15年。二人は有名な魔女ハンターとして賞金稼ぎの日々を送っていた。しかし、グレーテルは今でも悪夢にうなされ、ヘンゼルはかつてのお菓子漬けの生活で糖尿病になっており、苦しんでいた。そんなある日、アウグスブルグの町で数多くの子供たちが消える事件が発生。町の保安官は魔女とおぼしき人を火あぶりの刑にしていたが、一向に事態が収束する気配はない。そこで市長は、ヘンゼルとグレーテルを雇い、子供たちの捜索を依頼するのだったが…というストーリー。

本作は、日本での公開が予定されていたのに、中止になった作品。理由はなんなんだろ。観た限りでは思いつかない。残酷表現?別に、頭っから、子供向け作品って感じじゃないし、それが理由ってのは考えにくいね。『アベンジャーズ 』ではホークアイ、『ボーン・レガシー』では主役アーロン・クロスと、好調のジェレミー・レナー。悪役は贅沢にもファムケ・ヤンセンだよ。
いや、確かにホークアイは生身で地味だったし、簡単に乗っ取られてたよ。『ボーン・レガシー』は、ボーンシリーズとしてカウントしたくないようなデキだった。ん~、結局、彼じゃ、客は入らないっていう判断だったのかな。それよりも、むしろ子供の時に糖尿病に…っていう設定のほうが、ヤバいと考えたかもしれないね。

じゃあ、本作はつまらなかったか?いやいや、面白かった。あの童話の後日譚として、その後、魔女ハンターになってたなんて、なかなかハジケた設定。銃器やら蓄音機やら、時代設定なんか無視無視。いいんだよ、相手は魔女なんだし。もちろんジェレミー・レナーだもの、アクションもキレキレ。

魔女ハンターだけど、敵は魔女だけじゃなく、“魔女狩り”やってるクソ保安官たちも。正義の味方なのに、全方位的に敵だらけの状況。また、正義の味方だけど、望んでハンターをやってるわけでもない…っていうのも、良いキャラクターの味付けになっているし、さらに、ストーリーの謎解きの一つにも絡んでくる。アクション満載のバカっぽい作品のように見せて、なかなか考えているシナリオなんだよ、これが。

(以下、ネタバレ)
で、二人のお母さんは、彼らを捨てたんじゃなくて、実は魔女で…、という創作設定も面白い(お父さんは?という興味も沸いたが、そこは特になにもなし)。ヘンゼルとグレーテルのそれぞれに、恋人というか取り巻きというか異性とのエピソードもあり。魔女を守る怪物の設定もあり。
彼らのチーム構成はなかなかよい。RPG的な感じ。ヘンゼルのお相手の白魔女さんが、なかなかいいキャラで死なせてしまうのはもったいないような気がした。ドラクエでも攻撃系の魔法使いと、防御系の僧侶がいるでしょ。魔女が二人いても問題ないじゃん。

続編ができてもおかしくない作品だと思う。そのときは白魔女さんは復活させてほしいね。
これを公開しないとか、日本おかしいわ。続編が出来ても公開しないつもりかねぇ?

 

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image2188.png公開年:2012年
公開国:アメリカ
時 間:91分
監 督:デヴィッド・コープ
出 演:ジョセフ・ゴードン=レヴィット、マイケル・シャノン、ダニア・ラミレス、ジェイミー・チャン、ローレン・アシュリー・カーター、ショーン・ケネディ、キンバリー・パーフェット、アシュリー・オースティン・モリス、アーシフ・マンドヴィ、チャールズ・ボーランド 他




ロースクール出身のウィリーは、オフィスワーカーになることを嫌い、司法試験を受けずに、マンハッタンでバイク・メッセンジャーをやって数年になる。付き合っている彼女は、メッセンジャーとしての彼のテクニックは認めつつも、その気になれば弁護士になれる道を自ら閉ざしていることに苛立ち、別れを告げる。そんな中、ウィーリーに“プレミアム・ラッシュ”(超特急便)の依頼が入る。依頼者のいる大学で、一人の中国人留学生から、一通の封筒を託される。早速、配送を開始すると、一人の男が、さきほど渡した封筒は誤りだったので返して欲しいと近寄ってくる。規則でそれはできないと突っぱねると、その男は、封筒を奪おうと執拗に車で追跡してくるのだった…というストーリー。

こんなにおもしろいのに、なんで日本未公開なのか。ましてやレンタルもTSUTAYAのみとか。こんな扱いを受ける作品ではない。もう一度言う。これは面白い。ジョセフ・ゴードン=レヴィットのアイドル映画扱いする人もいるが、決してそんなことはない。

もしかすると、主人公ウィリーがピストバイク(ブレーキなし自転車)の礼賛者だから、昨今のピストバイク規制の絡みで、問題になることを避けたとか?事実はわからんが、もし本当にそういう理由で日本で劇場公開されなかったんだとしたら、日本の配給会社、もう終わってるで。

時間勝負のバイク・メッセンジャーのお話ということで、ギュンギュンのスピード感を愉しむ作品なのかと思ったが、その点はそれほどでもなかった。中国人留学生の秘密…が話の軸になっていて、それに関する謎解きが、時間軸を交互して展開する。現在時間については、ほぼ上映時間と同じに流れる。
前半は、なんで追われているのか?という謎解き展開。中盤は“義心”とプライド。終盤は怒り。うまくパート別けされているし、そこに恋愛、ライバル、自己成長のストーリーも絡んでいる。敵役として悪徳警官や中国マフィア、自転車警官なんかもうまく配置されており、盛りだくさん。盛りだくさんすぎて、自転車警官の件は消化しきれず終わってしまったいたり、メッセンジャー仲間の仲間意識が発揮される部分もいまいち効果的に描けず、感動できなったりと、端々ではイマイチポイントがあるものの、それらを差し引いても優秀なシナリオ。

あのチケットを、悪徳警官が奪ってどうするんだ?と一瞬考えてしまったが、金中国人留学生がチケットを入手した時に、「これは現金と同じ」といわれているので、単純に金に換えたかっただけか…。
まあ、一番の悪役が下衆すぎ&小物すぎなところも、難点といえば難点かもしれん。同僚にも悪事がバレて、中国マフィアだけでなく警官仲間からも逆に追われて、もっと無残に死ねばよかった。そう思うほど、近年まれに見る、下衆なキャラクターで、ある意味成功していると思う。

冒頭とエンディングでThe Whoの『Baba O'riley』が使用されている。同じニューヨークが舞台の『CSI NY』との繋がり?でも、その曲だけじゃなく、本編で使われている曲はなかなかいい感じ。洋楽はあんまり詳しくないけど、ちょっとサントラをレンタルしたい感じ。

お薦めです。夏の夜長に丁度良い疾走感。
#中国人留学生役の人は、『DRAGONBALL EVOLUTION』のチチ役とか、『ハングオーバー!!』の2作目とかに出ていた人ですな。『ハリー・ポッター』シリーズのチョウ・チャンの人ではない。

 

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image2192.png公開年:2011年
公開国:アメリカ
時 間:97分
監 督:デヴィッド・バレット
出 演:ジョシュ・デュアメル、ブルース・ウィリス、ロザリオ・ドーソン、ヴィンセント・ドノフリオ、ジュリアン・マクマホン、カーティス・“50 Cent”・ジャクソン、ヴィニー・ジョーンズ、アリ・ヴァーヴィーン、エリック・ウィンター、ボニー・サマーヴィル、リチャード・シフ 、クイントン・“ランペイジ”・ジャクソン 他
コピー:人生、完全消去。





カリフォルニア州ロングビーチ。消防士のジェレミー・コールマンは、勤務終わりでコンビニに立ち寄ったところで強盗殺人事件に巻き込まれる。犯人は、新興ギャング組織のボス、デヴィッド・ヘイガンとその部下。立地のよい店を立ち退きさせようとしての犯行。店主とその息子は射殺されるが、ジェレミーは隙をついて裏口から脱出し一命を取り留める。彼の証言からヘイガンが逮捕されるが、証拠不十分で釈放。過去、ヘイガンに相棒を殺された過去を持つマイク・セラ警部補は、今回の件でなんとか立件したいと考え、ジェレミーに裁判での証言を依頼する。正義感の強いジェレミーはその申し出を受ける気があったが、早速ヘイガンは部下をつかって早速脅しをかけてきた。そこで、“証人保護プログラム”の適用。ジェレミーは裁判まで、別人としてニューオーリンズで生活することとなる。そして8か月が経過、2週間後の開廷が決定するのだったが…というストーリー。

最近、脇役なのにジャケット映像にはデカデカお顔が…というパターン連発のブルース・ウィリス。本作も同様で『シャドー・チェイサー』と同レベルのお仕事。それが悪いわけじゃないんだけど、

過去に同僚とその妻が殺されており、こめかみから血が吹き出そうなくらい復讐心に燃えるキャラクター。充分に“ブチギレ”に期待できる性格設定だし、実際にブチギレさせることができる話の流れだったのだが、結局は大人の対応の範囲で収まってしまった。主役を乗っ取るようなことをさせるわけにはいかないだろうけど、観客がそれを期待するのは致し方なく、不完全燃焼感を漂わせての終演に。結果的にはキャスティングのミスなのかも。最後、ヘイガンの写真を捨て、同僚の写真をポケットにいれておしまい…じゃあねえ。

いくら新興ギャングだとはいえ、FBIからもマークされてこれまで何度も訴訟を潜り抜けてきたという設定で、作中では“大物”扱いなのに、トップ自らコンビに強盗というスケールの小ささに若干の違和感はある。しかし、粘着質なナチ野郎という気色の悪いユニークなキャラではあるので、許容範囲か。
そのヘビのような粘着具合で、周りの人間が不幸になっていく…というか、本来は天涯孤独なので自分の身さえ護っていればよかったのに、迂闊な行動を取ってしまうジェレミー。というか、下半身がだらしない。命に関わる問題なのに、真の愛だのなんだの的外れないい訳が見苦しく、ちょっと共感しにくかった。そうしないと話が進まないので仕方が無いのはわかるが、それならもうちょっと、彼女と結ばれる必然性というか説得力が欲しかった(二人が、単なる肉欲ではなく、強くシンパシーを感じる過去があるとかね)。

途中、ニューオリンズの保安官タリアが、もしかしてヘイガン側のスパイ?みたいに見える演出は余計だったかも。彼女の部分は、家族の危険を顧みず、“愛に生きる”という覚悟の部分にスポットを当てるだけで充分だっただろう。そのためには、彼女の家族の安全を確保するか、いっそのこと襲われてしまうという流れが必要だったと思うが、その辺をフワっと流した点は残念だ。

残念ながら、シナリオ的に致命的な欠陥が一つ。なんで、ジェレミーは元同僚に消防士の装備を用意させたのか。ヘイガンのアジトに火をつけるだけなら装備は不要。実際に火をつけたあとは、建物の外から電話をかけており、彼の作戦の中に消防士の装備を必要とする場面はない。
ところが、予想外にタリアがヘイガンに捕らえられていることが判明。しかし火はすっかり廻っている。ここではじめて消防士の装備が必要となる。うーん、不自然でご都合主義も甚だしい。その流れなので、「俺を信じろ、そうすれば助かる!」が非常に格好悪くて、全然キマっていない。

メリハリの付け方を誤った脚本だね。凡作中の凡作。
#格闘家とかラップ系の有名人が出てくるけど、正直どうでもいいや。

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プロフィール
HN:
クボタカユキ
性別:
男性
趣味:
映画(DVD)鑑賞・特撮フィギュア(食玩/ガシャポン)集め
自己紹介:
一日一シネマ。読んだら拍手ボタンを押してくだされ。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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