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image1233.png公開年:2007年 
公開国:中国、アメリカ
時 間:158分
監 督:アン・リー
出 演:トニー・レオン、タン・ウェイ、ワン・リーホン、ジョアン・チェン、トゥオ・ツォンホァ、チュウ・チーイン、チン・ガーロウ、クー・ユールン、ガオ・インシュアン、ジョンソン・イェン 他
受 賞:【2007年/第64回ヴェネチア国際映画祭】金獅子賞(アン・リー)、金オゼッラ賞[撮影](ロドリゴ・プリエト)
コピー:その愛は、許されるのか?

1942年、日本軍占領下の上海。普通の女子大生だったチアチーは、クァンという男子学生に秘かな恋心を抱き同じ演劇部に所属する。しかし、抗日運動に心血を注ぐクァンと行動を共にするうち次第に感化され、やがて日本の傀儡政府に協力する特務機関リーダーであるイーを暗殺を遂行する計画に参加する。貿易会社社長婦人に化けイー夫人に接近し、イーを誘惑する機会を窺うチアチーだったが、ターゲットのイーはは異常なほど冷静で用心深く…というストーリー。

戦乱のカオスの中、一介の学生たちが、政府レベルの組織の要人を暗殺しようと企てるハナシは、誤解を恐れずに言えばなかなかロマンを感じさせるハナシである。しかし、途中から性的な要素が加味されてから、生理的に気色が悪くなってくる。日本でいえば赤軍なんかの過激派にも観られたような、自陣への自傷(簡単に言ってしまえば内ゲバ行為なんだけど)が表出してくる。明確に共産思想集団ってわけじゃないんだけど(この場合は、対日・対国民党っスタンスだから同じカテゴリにしていいとは思うけど)、結局、外側の陣営に思うように攻撃が出来ない場合、身内を攻撃しはじめるこの精神構造、どうも理解できん。

#中国の人の、パーソナルスペースの距離感って近すぎるんだよね。日本人の身内と外部の線引きの感覚が、まったく無いんだろうな。

で、中盤を越えてから、話題になったような性的シーンのオンパレードなわけだけど。はっきり言うと、こんなあからさまな性描写は不要である。中国政府からの抑圧にあえて反抗してみたのかもしれないが、ここまで観も蓋も無いと、逆に性的な興奮はおこらないものなんだなと勉強になった。

(以下ネタバレ含む)

もしかすると、そういう性描写のタブーに挑戦したかったわけではなく、ラストに問題があったのかもしれない。それはどういう意味か。本作は、2時間半以上でものすごく長いのだが、ラストはさほど劇的な展開があるわけではない。で、愛に溺れたというか流された切なさや侘しさみたいなものを、ある意味耽美的な空気を漂わせて表現しないといけないところなのだ。しかし、どうもその空気感が出ていない。そうなると逆説的に、溺れちゃうような愛に説得力を持たせるしかない…ってことになってしまう。じゃあ、ドロドロと溺れていく様を描いちゃいましょ…って、そんなロジックだったのではなかろうか。ドロドロをこれでもかーこれでもかーと足してく。そして長くなる。でも、どうやったってトータルのボルテージ自体は低いんだから、さほど効果はない。そんなところか。
そのへんは、『ブロークバック・マウンテン』では表現できていているのだが、本作の段階ではまるでだめだね。

だから、最後も、馬鹿な女だなぁとは思うが、あまり同情は涵養されない。ああ、それだ。この同情を感じさせない演出の稚拙さが、イマイチさに繋がっているのだ(確かに、主役級の2人以外のキャラにも、感情移入できるようなキャラはいないんだよねぇ…)。
いやあ、ヴェネチアの金獅子賞をイマイチって言っちゃうワタシって(笑)。イヤ、でもダメなものはダメだ。2時間にまとめて同じクオリティだったら、まだ納得するけど、ワザワザこの長さにしてこれじゃね。

残念だが、世間で評価されるほどイイ作品ではなく、良作と及第点のうろちょろしているレベルだと思う(私はこういうテイストの作品は嫌いな方ではないので、そんな私がイマイチというんだからね…)。
#撮影技術やセット・衣装に対する評価は、ものすごく妥当だと思うよ。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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