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公開年:2012年
公開国:アメリカ
時 間:90分
監 督:マイケル・ホフマン
出 演:コリン・ファース、キャメロン・ディアス、アラン・リックマン、トム・コートネイ、スタンリー・トゥッチ、アンナ・スケラーン、伊川東吾、ジェラード・ホラン 他
コピー:なぜ、盗めない!?





イギリスの美術鑑定士ハリーは、メディア王で億万長者のシャバンダーに雇われていたが、人を人とも思わない横柄な態度をとり、自分を無能呼ばわりするジャバンダーに復讐しようと考える。ジャバンダーがモネの名画“積みわら、夏の終わり”を探していることを知った彼は、贋作をつかった詐欺をひらめく。まず、贋作の名人で知人の退役軍人ネルソン少佐に積みわらの贋作を作らせる。そして、入手経路に真実味を加えるために、ひとつのストーリを考える。かつて積みわらを所持していたのがナチスのゲーリングで、その別荘を攻撃したのはパットン将軍だった。そこでパットン将軍の部下の孫娘であるPJという女性を探し出し、その家から発見されたということに。PJも詐欺の仲間に引き入れて、成功の暁には報酬を山分けする約束をする。しかし、慎重なシャバンダーは、そんなところから積みわらが出てくるわけはないと、まったく信用しない。なんとかPJとシャバンダーを面談させるところまで持っていったのだが、奔放なカウガールであるPJは、ハリーの指示をすっかり無視。さらにシャバンダーがPJに熱を上げ始めたり、別の鑑定士を呼んだりと、計画はあらぬ方向に進み始め…というストーリー。

コーエン兄弟の脚本なのでもちろん大好物のハズ。でも、監督作品ではないし、『泥棒貴族』という往年の名作のリメイク…ということで、ちょと鑑賞は後回しになっていた。元の『泥棒貴族』を知らない。やっぱりコーエン兄弟作品は、独特なプロットや構成が魅力だと思うので、リメイクで力を発揮できるのか?という懸念が。

『英国王のスピーチ』でオスカーをはじめ様々な賞に輝いたコリン・ファースが主演。ひとつ極めてしまった後なので、こういう肩の力を抜いた仕事を…ってことなのかもしれない。けれど、意外と本作は難しかったと思う。
コリン・ファースの演技に文句はないのだが、さすがのコーエン兄弟でも、いわゆる“コメディー”は難しいんだなと。笑わせようとしているポイントはわかったけれど笑えなかった。おそらく日本人にはピンとこない笑い。
PJを誘うときのバーでの妄想。妄想でした…という演出、おもしろくない。ホテルの外壁をチャップリンばりにわたっていくシーン。ズボンがひらひら。ご婦人の部屋に入り込み何食わぬ顔をして切り抜けるハリー。まあ、その辺はいいのだが、ご婦人のおなら、PJの部屋でシャバンダーに見つからないようにすったもんだ…、ホテルの従業員とのやりとり、堂々とパンツ一丁でご帰宅…、ああ笑わせようとしてるんだな…という部分があまり笑えない。そうか、コーエン兄弟にも弱点があるんだな…というか、その辺は日本人と相性悪いんだな…と。過去作品では、シチュエーション的にニヤっとできる“笑い”が盛りだくさんなんだけどね。

笑いがダメなら、本筋である詐欺の部分でドキドキハラハラと驚かせてくれればいいのだが、とにかく中盤以降も詐欺師としてポンコツぷりばかり見せられる。というか、根本的にハリーが本職の詐欺師なのか、シャバンダー憎しで詐欺を思いついたポンコツ素人なのかが、判然としないのが敗因だと思う。
ちょっとネタバレしちゃうけど、実は前者で、そういうポンコツも含めて作戦なのですよ…というドンデン。でも、ああ振り返ってみると全部計画どおりだったのかぁ…という感じじゃない。持ち金がなくなって小銭を集めるところとか、後から考えてもプロっぽくないし。イヤ、プロでもそういうヘタを打つことはあるでしょ…とか、プロでもPJみたいな奔放な子には振り回されちゃうんだよ…というオモシロ場面だよ!ってことなのかもしれないけど、それがいまいちピンとこないんだな。

もしかすると、この脚本でも監督の演出次第では何とかなったのかもしれないなぁ。この監督さん、前に『終着駅 トルストイ最後の旅』を撮ってた人。演出が冗長で、コメディ向きじゃないんだよねぇ。つまんないのはコーエン兄弟のせいじゃないかも(いや、そう信じたい)。

それらを補うように魅力的なのがキャメロン・ディアス。ある意味、今回の計画のキャスティングボードを握っている人物なのだが、別に成功しなくてもいいかな…というゆるさと奔放さを兼ね備えた自由なキャラ。ハリーもシャバンダーも惚れ込んでしまう展開なのだが、年を重ねても年齢相応の魅力を爆発させているキャメロン・ディアスの説得力がすごい。若干寸胴ぎみなのだが、逆にそれが魅力的に映るほど。

なんとか彼女に救われた本作だけど、これは『泥棒貴族』を観て、比べなきゃだな。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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