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公開年:1987年
公開国:イギリス
時 間:95分
監 督:クライヴ・バーカー
出 演:アシュレイ・ローレンス、アンドリュー・ロビンソン、クレア・ヒギンズ、オリヴァー・スミス、ロバート・ハインズ、ショーン・チャップマン、アントニー・アレン、レオン・デイヴィス、マイケル・キャシディ 他
受 賞:【1988年/第16回アボリアッツ・ファンタスティック映画祭】恐怖映画賞




フランク・コットンは、マルシャンの小箱というパズル・ボックスを手に入れる。それは、パズルを組み替えて特定の形をつくることで究極の性的官能状態を経験できると言い伝えられている物。早速自宅でパズルを組み替るフランクだったが、とある形が出来上がった瞬間、その肉体は一瞬にして破壊されてしまう。フランクは失踪者扱いとなるが、数年後、フランクの弟ラリーが、その失踪した家に引っ越してくる。ラリーの妻ジュリアと娘カースティとの3人家族だが、ジュリアは後妻。ラリーが出勤した後、フランクが使っていたと思われる部屋から、声がする。なんと、骨にわずかな肉をまとった化け物が出現。しかし、その声はフランクだった。例の小箱の力で肉体を消失したフランクだったが、引越しの際に怪我をしたラリーから滴り落ちた血を吸収したことで、少しだけ肉体が回復したのだった。驚くジュリアだったが、実はジュリアは、ラリーと結婚した直後からフランクと愛人関係となっており、失踪するまでその関係は続いていたのだ。ジュリアは、復活したラリーの言うがままに、より肉体を復活させるために、街で男たちを誘惑しては家に連れ込み、ラリーの“餌”とすることを繰り返す。しかし、ジュリアの行動を不審に思ったカースティは、彼女を尾行して…というストーリー。

あまりにピンヘッドさんのビジュアルが強烈すぎて、そういうクリーチャー物なのかな?と敬遠しており、今回初めて鑑賞。『死霊のはらわた』のようなB級レベルの部類かと思っていたが、そうではなかった。

後半までピンヘッドさんは全然出てこなくて、むしろ“魔のツール”をめぐる愛憎の物語としてプロットがしっかりしている。調べてみると原作小説が存在する模様。愛人であり夫の弟であるS男から支配される妻ジュリア。あんまり美人じゃないところがミソで、妙なリアルさがある。そのみだらな愛欲の深さがよく表現されており、快楽を求めて“箱”を開けてしまった男とのバランスが絶妙だと思う。
一方の騙されている夫は愚鈍で、そんな妻の様子にはまったく気づかない。逆にいえば信頼という名の愛情に溢れた人物。主人公である娘カースティも、そんな父を慮る家族愛に溢れた娘。同じ愛でも、情愛と家族愛という別種の愛のぶつかり合い、それが本作の根底にある。だから惹きつけられる。ピンヘッドさんたち魔導士の活躍を期待して本作を観始めると、期待はずれだと感じる人がいるかもしれないが、そうであっても納得できる内容だと思う。

ある意味、本作の重要ポイントである、魔導士さんたち関連の描写。もちろんビジュアル的にはインパクト十分で文句なしなのだが、ちょっと設定に粗があるのが気になった。快楽に溺れるものをこらしめるという目的なんだろうけど、そうなると手段に問題はあるが、ある意味、神の意向に沿った懲罰を行う執行官ということになる。ただ、どうも神側というよりも悪魔側の存在のようにも思える描写もあり、彼らの行動の源泉がいまいちよくわからない。
なんでカースティーまで襲おうとするのか。フランクの扱いをめぐって契約をしたはずで、彼女に牙を剥く理由がわからない。これで、ますます魔導士さんたちの存在意義が見えなくなってくる。

あと、ラリーの血が少しかかっただけで、ものすごく復活したのに、その後何人も丸ごとお供えされたのに、なかなか復活しないバランスの悪さ。私なら肉親の血は親和性が高いのでものすごく復活するんだよ!という設定にして、だから復活のトドメとして血縁のあるカースティを!っていう展開にするけど、ラリーは弟になりすまして普通にカースティを暮らそうとするんだよなぁ…。ものすごい違和感。
で、調べてみたら、原作ではカースティは娘の設定じゃないんだって。なんか本作のシナリオは練りが甘いよね。

まあ、難点はあるけれど、何なら魔導士さんたちがいなくても成立するくらい、しっかりした内容だった。軽くお薦め。たぶん続編を借りるね。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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