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image1829.png公開年:2010年
公開国:スペイン
時 間:112分
監 督:ギリェム・モラレス
出 演:ベレン・ルエダ、ルイス・オマール、パブロ・デルキ、フランセスク・オレーリャ、ジョアン・ダルマウ、ボリス・ルイス、フリア・グティエレス・カバ 他
コピー:視力を失い、恐怖がはじまった




先天的な病気で視力を失う運命にあるフリア。双子の姉サラも同じ病気だったが、フリアより症状が進行しており、既に角膜手術を行い回復中だった。しかし、サラが自殺したという連絡が届き、フリアはショックを受ける。地元警察は、自殺として処理しようとするが、フィリアは不審なものを感じたため、独自に調査を開始すると、驚くような事実が次々と明らかになってくる。そんな中、フリアの視力はどんどん低下していくき、焦りと恐怖を感じたフリアは…というストーリー。

白濁した目の女性がいたぶられて殺害されるシーンに続いて、双子の姉妹とおぼしき人が急に発作をおこし「きっと姉が…」みたいな展開で始まる。こういう冒頭だと、オカルトとかスピリチュアルとか、そっち方向の内容なのかと思いウンザリしてしまう。しかし、すぐに神秘的な臭いは消えて、純粋な殺人ミステリーの様相に。焦点は、犯人は夫なのか第三者なのか、もしかして主人公なのか?という部分に移行。その後は、ヒントをくれる人物が次々現れて、そのヒントを元に次の展開が始まる…といった感じで、『レイトン教授』とか古くは『ポートピア連続殺人事件』みたいなアドベンチャーゲームのような、ノリになっている。
漂う空気感は、『永遠のこどもたち』みたいに、カビ臭さと埃っぽさが混ざったような。ちなみにどちらもスペイン映画ですな…なんて思って調べてみたら、カメラマンが一緒だった(私の眼力もなかなかのレベルになってきたな)。

本作で秀逸だな…と思うのは、“主人公の目が見えない間は、接触する人間の顔が画面に映らない”という演出。
主人公目線で表現しようにも、目が見えないわけだから、その様子を映像にすれば客観的な視点にならざるを得ない。そこで、主人公の目が見えない間は、誰の顔もわからないようにしているのだが、見えているときの映像と違和感を感じさせないカット割で、うまくその不安を表している。

ただねぇ…、、、

(以下ネタバレ)
その演出の流れで登場してくる犯人の出現が、いささか唐突に感じられる。たしかに“透明人間のような人”の存在をヒントをくれた人が、証言しているので、おかしくはないんだけど、そのまま出すのか…っていう、捻りの無さね。

そして、“こういう人物が犯人”というところまでしか頭がまわっていなかったようで、物語のクローズの仕方が、かなりバタバタしており、どうもいただけない。大体にして、姉サラの殺人の顛末が最後まで観てもよくわからない。犯人は人々から無視されたことが苦痛だと。でも、盲人だけは私の存在に気付く。ちょっと屈折しているとはいえ、まあそこは理解できない感情ではない。それに、自分は介護人という職業についている。そういう人たちに接することができるわけで、自分の偏った性格傾向をうまく昇華したってことで、それは褒められることなわけだ。
で、犯人はサラの介護人をやったけど、視力が回復しそうだったんで、わざと目が見えないようにしたのか?それは、サラにだけやったことなのか、それとも何度も同じことをやってるのか?
まず、サラをなんで殺さなくてはいけなかったのか。目が見えないなら、そのまま介護し続ければいい。それで満足じゃないのか?バレたのか?殺すところまでセットで、シリアルキラーとしてのパターンだということなのか。その辺、はっきりしてくれないと。犯人がぼんやりしている殺人事件なんておもしろくないじゃん。

また、フリアの目が見えているんじゃないかと、冷蔵庫の中を見せるくだり。どう考えたって、なにか驚くようなものを見せようとしているのに決まってるんだから、フリアは何を見せられても絶対反応しないぞ! と覚悟を決めるはず。だってバレたら殺されちゃうんだぜ? なのに、中をみて「ひゃ!」だって。馬鹿馬鹿しい。それに映画の演出としても、冷蔵庫の中は、普通のものでした…って一旦スカしといて、タイミングずらして驚かすでしょ。このシーンを見て、この監督センスねえなあ…と思ったね。

また、裏に住んでる盲目の老婆の件は、もっと膨らませばよかったのにね。もったいないよ。

犯人がわかるまでは、なかなか観ごたえあったので、なかなかやるじゃん!って褒めようとおもったんだけどねぇ。殺人ミステリーでありながら、犯人が出てきた後が、格段につまらなくなるという、トホホな作品。がっかり。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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