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image0034.png公開年:2002年 
公開国:アメリカ、イギリス
時 間:138分  
監 督:ポール・ウェイツ、クリス・ウェイツ
出 演:ヒュー・グラント、ニコラス・ホルト、レイチェル・ワイズ、トニ・コレット、シャロン・スモール 他
ノミネート:【2002年/第75回アカデミー賞】脚色賞(ピーター・ヘッジズ、クリス・ワイツ、ポール・ワイツ)
【2002年/第60回ゴールデン・グローブ】作品賞[コメディ/ミュージカル]、男優賞[コメディ/ミュージカル](ヒュー・グラント)
【2002年/第56回英国アカデミー賞】助演女優賞(トニ・コレット)、脚色賞(ピーター・ヘッジズ、ポール・ワイツ、クリス・ワイツ)
【2002年/第8回放送映画批評家協会賞】若手俳優賞(ニコラス・ホルト)
コピー:38歳のウィルにとって人生はきわめて単純なものだった。そう、12歳の少年マーカスと出会うまでは――

亡き父がクリスマス・ソングを一発ヒットさせた印税で、気楽な独身生活を送っているウィル。ある日、12歳の少年マーカスと出会うが彼はシングルマザーのフィオナの鬱病に悩んでいた。そんな矢先、フィオナが自殺を図り、幸い事なきを得るも、母をこれ以上一人にしておけないと考え、ウィルと母をくっつけようと画策。マーカスは次第にウィルのアパートに入り浸るようになり、ウィルは生活のリズムを狂わされ困惑するが…というストーリー。

兄弟監督。コーエンやウォシャウスキーのように、欧米では兄弟監督というのが、結構いるが、日本はもちろんアジアではまったく聞かない。兄弟間の繋がりの質が違うのだろうか(文化的な興味はあるが、映画とはあまり関係なさそうなので、今は深く追求しない)。

観はじめて20分で、設定的に『ファイト・クラブ』との共通点が気になってしまった。
そこそこの年齢の男が、それなりの収入があり自由に暮らしを謳歌し、満たされない欲望を満たすために市井のセミナーに身分を偽り参加する…という共通点。
もちろん、片方はコメディだから単純に比較する意味はないと言われそうなのだが、『ファイト・クラブ』のキャラにはなにやら魅力というか引っかかるものを感じるのに対して、本作のキャラは魅力を感じないという、大きな差があると感じる。

私が思うに『ファイト・クラブ』の場合は、設定自体(独身でそこそこ高収入のサラリーマン)は至極普通でなのだが、家具に異様にはまるなど、行動はちょっと奇異。しかし、まあ方向性が違うだけで、自分もそういうところがあるかも…という感じで、興味が喚起される。
本作は、親の印税で無職という、ほぼあり得ない設定だが、行動については、まあそういうシチュエーションなら自分もそうするかも…と、そこで納得してしまい、それ以上の興味は喚起されない。
映画の主役キャラを設定する場合に、観ている側が感情移入できるように、“普通”のキャラにしようという試みがなされると思う。しかしこの“普通”の捉え方が曲者ということだ。ひとつ勉強になったのだが、本当に“普通”(つまり我らとまったく同じ)では、それでおしまい。同じようだが微妙にズレがあるという線でいかないと、興味を継続させて引っ張ることはできないということなのだ。

ということで、本作の前半は、ドラマとしてもコメディとしても、見ている側を引き込ませる力がない。その証拠に、私は始めの20分までに3度も観るのをやめて、他作品を観た。
さらに半分を超えても、ストーリーはさほど動きはじめないし、終盤に繰り広げられる恋愛もさほど魅力的ではない。加えて、ヒュー・グラントと子供のストーリーは絡み合っているように見えて実のところバラバラで、こちらの意識は分散される(ようするに集中できない)。終盤のステージまでの展開も、もうちょっとうまくやればもっと盛り上がって、なかなかのカタルシスを得られる結果になったと思うのだが、そうはならなかった。そして、とっちらかった状態のままで終焉を迎える。もっとどうにかできたに違いないという、残念さを禁じえない。
個人的な理由だが、前にも書いたようにレイチェル・ワイズは、好きなタイプではないので、それもイマイチ要因のひとつかも。

結果として、凡作としか表現できない。ただ、一点フォローしておくが、次もこの監督に何かつくらせてみようという気はおきるレベルであることは認める(設定やシナリオの問題であって、監督の力量が不足しているせいではないとは感じるので)。実際に『Mr.&Mrs. スミス』『ライラの冒険 黄金の羅針盤』と、その後そこそこの大作を手がけているのだがら、それにまちがいはないだろう。

アクション映画を観るくらいならラブ・コメディを観るような、ラブコメジャンキーの人は観てください。そうでない人は、特に観てもおもしろいと感じないでしょう。
 

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