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image0549.png公開年:1994年
公開国:アメリカ
時 間:114分
監 督:レス・メイフィールド
出 演:リチャード・アッテンボロー、エリザベス・パーキンス、ディラン・マクダーモット、マーラ・ウィルソン 他
コピー:信じれば,愛の奇跡は起こります。




ニューヨーク西34丁目にある老舗デパートのコールズは、営業不振でライバルデパートに買収されようとしている。クリスマス恒例の感謝祭パレードのイベント責任者のドリーは、クリスマス商戦で結果が出せなければ、いよいよ買収は決定的という状況の中、淡々と準備を進めていた。しかし、サンタ役で雇ったトニーが酒に酔って失態を連発し、とてもパレードに出られる状態ではなくなってしまった。困り果てたドリーは、居合わせた白いひげの太った老人クリスに、サンタ役を依頼する。クリス老人は、まるで本物のようで、パレードは大好評。それをうけて、デパートのクリスマスセールでのサンタ役も依頼。クリス老人が引き受けるために出した条件は、自前の衣装を着ること。そう、彼は自分を本物のサンタだといって憚らないのだ。クリス老人は、売り場の一角で子供たちや親の相談に乗るのだが、他の店が安ければ気前よく紹介してしまうという始末。コールズの重役はそんな彼の言動を問題視するが、結果的にそのサービスが大好評となり、コールズはクリスマス商戦で圧倒的な売上を記録し、買収を逃れるのだった。そんなコールズの躍進に立腹したライバルデパートの社長は、クリスを貶めるために部下に命令をし…というストーリー。

リメイク作品のようだが、元は知らない。そのせいなのか、1980年代っぽい古臭さが漂う。

私は、クリス老人は本当のサンタなのだ…という前提で作品を観ていたのだが、もしかするとこの作品は、本当にサンタなのか、サンタと思い込んでいる老人なのか、ぼかしているつもりなのか?ちょっと、事情通すぎて何でそんなこと知ってるの?ってことはあるんだけど、その他は、衣装を持っているだけで魔法的な何かをするわけでもない。トナカイに話しかけていたのだって、べつに頭のメジのはずれた老人なら変じゃないし。普通に老人ホームに帰っていくし、手話ぐらい知っていたって不思議じゃない。でも、サンタなんぞ生まれてこのかた信じたことがない私が、作中の彼は本物のサンタなんだという前提で観進めていたということは、私の心が素直だということ(笑)?

すごく吹き替えの出来映えが良くて、子供に観せても安心のクオリティなのだが、結果的には子供が最後まで付いていけない作品だったりする。それは、法廷での大逆転のネタ。1ドル紙幣に我々は神の存在を信じると書いている。存在の証明できない神を信じると、国家発行の紙幣に印刷されているほどなのに、我々法的機関がサンタを信じることに、なんの問題があろうか!ってオチ。大人は、そりゃあ大岡裁き万歳”だろうけど、この作品を観るド直球の小学生低中学年とかは、「はあぁ?」でしょ。子供と一緒にみてると、子供の頭に“?”が浮かんでるのが手に取るようにわかるし、どういう意味?って聞かれても子供に説明しにくいという、非常にやっかいな作品。もうちょい、何とかならなかったのか。
#いや、もしかして、子供向けにするつもりはないのか???

もう一つのストーリーの流れとして、ドリーと娘のスーザン、そしてドリーの恋人のブライアンの関係がある。スーザンが母親のせいでサンタを表立って信じることができなくなっているという設定はよい。そしてドリーがなんでそんな人間になってしまったのか…という理由もよい。でも、一番わからんのが、なんでブライアンがドリーのことを好きなのか?がうまく描けていないこと。簡単にいってしまえば、劇中の場面からは、ドリーを好きになる要素が見当たらないということ。そのせいで、ブライアンが法廷でがんばっちゃうのを、いまいち熱く応援できないんだよね。よって、ラストのハッピーエンドも、胸アツにはならない。

クリス老人を罠にはめた部下二人が、最終的に“I believe.”バッチを付けていたのは、ちょっと溜飲が下がったけど、前任のアル中サンタに罰を当てるのを忘れてるなぁ。

まあ、難点はあるけど、愉快で安心な良作。子供には一度は観せる作品かと。あ、世の中には、サンタを信じさせてる家があるのか。これ観たら、あれ?もしかして本当はいないのか?と、勘の鋭い子は感づいちゃうんじゃないか?そういう意味では、やっぱり子供向け作品じゃないのかも。

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image1955.png公開年:2011年
公開国:アメリカ
時 間:126分
監 督:マーティン・スコセッシ
出 演:ベン・キングズレー、ジュード・ロウ、エイサ・バターフィールド、クロエ・グレース・モレッツ、レイ・ウィンストン、エミリー・モーティマー、ヘレン・マックロリー、クリストファー・リー、マイケル・スタールバーグ、フランシス・デ・ラ・トゥーア、リチャード・グリフィス、サシャ・バロン・コーエン 他
受 賞:【2011年/第84回アカデミー賞】撮影賞(ロバート・リチャードソン)、美術賞(Francesca Lo Schiavo、ダンテ・フェレッティ)、視覚効果賞(Alex Henning、ベン・グロスマン、Joss Williams、ロブ・レガト)、音響賞[編集](Eugene Gearty、Philip Stockton)、音響賞[調整](John Midgley、Tom Fleischman)
【2011年/第37回LA批評家協会賞】美術賞(ダンテ・フェレッティ)
【2011年/第69回ゴールデン・グローブ】監督賞(マーティン・スコセッシ)
【2011年/第65回英国アカデミー賞】プロダクションデザイン賞(Francesca Lo Schiavo、ダンテ・フェレッティ)、音響賞
【2011年/第17回放送映画批評家協会賞】美術賞(Francesca Lo Schiavo、ダンテ・フェレッティ)
コピー:ヒューゴの<夢の発明>にあなたは驚き、涙する

1930年代のパリ。火事で父を失ったヒューゴは、それ以降叔父に引き取られ、学校に行くことも許されず、駅の時計台に隠れ住み、時計のネジを巻く暮らしをしていた。ほどなく叔父はいなくなり、駅の構内で食料を盗むなどして、孤独に生き抜いていた。そんな彼の唯一の心の支えは、父が遺した壊れたままの“機械人形”で、父が遺したメモを頼りに修理を続けていた。その修理のために、おもちゃ屋から部品を盗んでいたが、とうとう店主の老人に捕まってしまう。おまけに、父のノートも取られてしまう。そんな中、機械人形の重要な部品である“ハート型の鍵”をもった少女イザベルと仲良くなり、一緒に機械人形の秘密を探るのだったが…というストーリー。

“ヒューゴの不思議な発明”ってヒューゴは別になんの発明もしていないじゃないか。そんなタイトルだから、『マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋』みたいな内容かと思ってしまった。ちょっとタチの悪い邦題。初めて子供が観れるスコセッシ映画なのか…とおもったのだが、まさか映画賛歌になろうとは。魔法とかそういうファンタジー作品ではなく、極めて現実ストーリーだった。

まあ、パリで皆が英語を話すのはご愛嬌。そんなに修理の能力が高いなら、タダのハートの鍵なんか適当につくって、動かせそうなもんだよね…とか、愛着があるので機会人形を寄贈したけど展示してもらえなかったっていうけど、肝心の鍵を嫁さんが持っていて動かないんだから、展示してもらえるわけないよね…とか、そういうのご愛嬌。

まさか、メリエスの話とは(原作がそういう話なんだね)。でも、その情報は、正直知らないでよかったと思った。おお、このじいさん、メリエスなの?と、映画好きとしてはワクワクする展開。よく考えれば、確かに、あのじいさんの風貌はメリエスだ。私、『月世界旅行』が観たいがために、『死ぬまでに観たい映画1001本』っていう分厚い本を買ったくらい(付録に付いていたのね)。
#汽車が迫ってくるだけの映像とか、映画の本でそういうのがあったことは知っていたけれど、観れて嬉しかった(あの映像って本物だよね?)

映画史上の偉人なので、スポットがあたるのは嬉しい。父の遺した謎を解明するのと同時に、映画史のルーツ、映画黎明期の情熱や、他人を喜ばせよう驚かそうという純粋な気持ち、これらが浮かび上がってくる。
今のなんでもかんでも3D映画にしようという風潮も、映画黎明期のメリエスの創作意欲とシンクロしているような気もする。このタイミングでスポットが当たるのも偶然ではないような気がする。
ただ逆に、玄人ウケするとは思うが、意外と映画好き以外は期待はずれと感じたかもしれない。

クロエたんは、ひよことニワトリの中間状態って感じで、かわいくもないし綺麗でもない微妙な時期。こういう、カワイサもセクシャルさも不要な作品への出演はよい選択だったと思う。主人公の男の子は、アラン・ドロンみたいな感じに成長するかも。オファーは増えていくと思う。

スコセッシ作品とは思えないくらい毒は無いけれど、映画好きなら胸が熱くなる作品。純粋なファンタジー映画を求めるたなら肩透かしを食らう作品。
 

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image1927.png公開年:2010年
公開国:フランス
時 間:102分
監 督:リュック・ベッソン
出 演:フレディ・ハイモア、ミア・ファロー、ロン・クロフォード、ジェラール・ダルモン、ミレーヌ・ファルメール、マルク・ラヴォワーヌ 他





人間界に渡り、人間と同等の大きさになった魔王マルタザールは、ミニモイの世界だけでなく人間界も支配しようという野望を抱いていた。その目論見を知ったアーサーやセレニア王女も、マルタザールを追って地上へ向かうが、小さい体では如何ともしがたい。マルタザールは、整形手術で人間の顔に変身し、ミニモイを巨大化させる薬を入手するために、アーサーの家に入り込むのだった…というストーリー。

前作は、とんでもないところでぶった切られて続きは次作で!みたいな終わり方だった。なんだこりゃ!と呆れてしまったのだが、その報いなのか、なんとラストである3作目は日本未公開。いくらなんでも三部作の最後が未公開なんてことが許されるのか?と思うのだが、そうせざるを得ないデキだということ
冒頭に一作目、二作目のダイジェストが差し込まれている。そうしないと思い出せない人が大半だからね。それでも、いまいち思いだせないということからも、結果的にこのシリーズが失敗だったということを証明している。

これまでは、ユニークなデザインの妖精たちによる奮闘がおもしろかったのだが、人間大になっての戦いだし、ミニモイ側はあまり出てこない。
ダースベーダーのネタとかいいのかよそれ。そういうチョケた路線からは無縁だと思ったのだが、そういう次元で壊れていくのは、釈然としない。

シリーズ全体から考えても、父親との確執の解消がうやむやだし、王女との別れも淡白すぎる。シナリオとして深みがなさ過ぎる。眠気の襲い方がハンパ無くて、駄作といってよいだろう。もうすこし削ぎ落として、2と3はまとめるべきだったと思う。もう、感想も少なめになるよね。

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image0763.png公開年:2005年
公開国:イギリス
時 間:77分
監 督:ティム・バートン、マイク・ジョンソン
出 演:ジョニー・デップ、ヘレナ・ボナム=カーター、エミリー・ワトソン、トレイシー・ウルマン、ポール・ホワイトハウス、アルバート・フィニー、ジョアンナ・ラムレイ、リチャード・E・グラント、クリストファー・リー、マイケル・ガフ、ジェーン・ホロックス、ディープ・ロイ、ダニー・エルフマン 他
ノミネート:【2005年/第78回アカデミー賞】長編アニメ賞
【2005年/第11回放送映画批評家協会賞】長編アニメ賞
コピー:ホネまで愛してくれますか?

19世紀ヨーロッパにある小さな村。魚屋で財を成したが品のないヴァン・ドート夫妻の息子ビクターと、破産寸前の貧乏貴族エヴァーグロット夫妻の娘ビクトリアは、親同士の思惑により結婚させられることに。結婚式の前日のリハーサルで、はじめで顔を合わせたが、お互い好印象でまんざらでもない様子。しかし、いちもオドオドしていてドジなビクターは緊張しまくりで、式の手順を覚えられない。怒った神父は覚えるまで式は延期を言い渡す始末。落ち込んだビクターは、一人夜の森で結婚式の練習をする。そして地面から出ている枝を花嫁の指に見立て、結婚指輪をはめ誓いの言葉を述べると、突然地面から花嫁衣装を着た白骨化した女性が現われ…というストーリー。

マペットアニメのクオリティは『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』よりも数段上がっていると思う。CGか?って思うくらい。逆に、それならCGでいいじゃねーかというジレンマを生んでしまうくらい。でも、とにかく、魚の生臭さが伝わってくるくらいデキはよい。画質は灰色度合いが過ぎて子供の目は飽きるだろう。それに対して黄泉の世界を色鮮やかにするのかな…と思ったが、それほどカラフルでもないという。

両家の打算で結婚させられる若い男女。内容的に子供向けではない。プロットは基本敵な流れは『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』と同じ。ロシアの民話が元らしいし、脚本にティム・バートンは名を連ねてはいないけど、ストーリーボードは彼が作ってるはず。

本作で特徴的だと思う点は、ヒロインが二人いる点。そしてヒロインの正確がそれまでの作品と微妙に異なる点。
従来の作品だと、死体であるコープス・ブライドの方がヒロイン扱い。そして、その異形の姿と裏腹に美しい内面で…というキャラクターになる。たしかにコープス・ブライドは魅力的に描かれているのだが、アホな男に騙されて殺されており、そのくせ結婚に憧れているのかビクターから求婚されたと勘違いして粘着するという、どちらかといえばビッチな役。
一方のビクトリアは、ビターン卿と結婚するハメになってもイヤがりはするがそれほど強く抗うわけではないという、弱い人物。純真以外の何者でもないが、特段魅力があるわけでもない。これまでの作品では取り上げられるような性格ですらないと思う。

最終的には、コープス・ブライドは成仏するし、ビクトリアとビクターは結ばれるっていうオチなのでOKっつー話ではある。しかし、以前ならそんな風に男女関係が描かれなかったと思う。ヘレナ・ボナム=カーターとの間に子供が生まれ、幸せな家庭生活をおくっていることが、作風に変化に繋がっているんだろうな。あまり“お母さん”にならないでねっていうアピールとか?よくはわからんけど、以降の作品に出てくる女性像が、あまり魅力的に写らないのはちょっと残念に感じるね。

ただ、ミュージカルとしてのデキは良いと思う。劇団四季とかコレをやればウケると思うんだ。
『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』『ジャイアント・ピーチ』『コープスブライド』この三本をまとめてディズニーのアトラクションにすればとても面白いのに…と思うけど、本作はディズニーじゃないんだよね。

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image0576.png公開年:1996年
公開国:アメリカ
時 間:79分
監 督:ヘンリー・セリック
出 演:ポール・テリー、ジョアンナ・ラムレイ、ミリアム・マーゴリーズ、ピート・ポスルスウェイト、リチャード・ドレイファス、スーザン・サランドン、サイモン・キャロウ、デヴィッド・シューリス 他
ノミネート:【1996年/第69回アカデミー賞】音楽賞[オリジナル・ミュージカル/コメディ](ランディ・ニューマン)


優しかった両親がサイに襲われて亡くなった後、スポンジおばさんとスパイカーおばさんの住む孤島に引き取られた9才のジェームズ少年。二人の叔母はジェームスをこき使い、満足に食事を与えないほどいじめてていた。ジェームスは、生前に両親が3人でニューヨークのエンパイアステートビルに登ろうと話していたことを思い出し、いつか訪れることを夢見るのだった。そんなある日、ジェームスは謎の老人から緑色に輝く不思議な物体を貰う。うっかり桃の枯れ木の下にこぼしてしまうと、桃の実がつき、みるみるその実は大きくなっていく。思わず桃を一かじりすると、その穴からジェームスは桃の中に引き込まれてしまう。そこには、愉快な虫の仲間達がおり…というストーリー。

ヘンリー・セリックって監督だけど、製作はティム・バートンとデニーズ・ディ・ノヴィで、『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』とまったくおなじチーム。途中でジャック・スケリントンも登場し、世界観(というか質感)を共有するお話。最初と最後に実写シーンがあるけどね。

私、ティム・バートン好きではあるんだけれど、シナリオはあいかわらず感心できない。
困ったことになる主人公→未知の力を誰かがくれる→突っ走る→破綻もしくは崩壊する→なんかわからんけど悪役は痛い目にあう→なんとなく大団円。原作の童話があるんだけど、結局このパターンに落ち着いてしまう。
#原作は読んだことがないので差があるのかは不明。

アクが強くてちょっぴり気持ちの悪いキャラクターが動き回るのが愉しい。おもしろさの7割はそっちだから。
ただ、『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』だとキャラクターのフィギュアが売っていたら、思わず欲しい!って思うんだけど、本作のキャラクターのデザインはいまいち、そういう気にさせてくれない。虫のデザインが残っているからか?虫の動作の範囲を大きく逸脱しないから、おもしろく感じられないのか?

寓意というか、裏に潜めた主張みたいなものがあまり無い。“サイに殺された”って何か別の意味があるのかとおもったけど、本当にサイに殺されたってことみたい。純粋に少年とおかしな仲間たちの冒険を楽しめばいい、そういう作戦なんだと思う。

なんだかんだ文句をいいつつ、DVDを買った作品なんだけどね。
妙にまとまっているせいなのかもしれんが、なぜか眠くなる。いい意味で催眠術な作品。小さい子供と見るには最適な作品なのかもね(親子で寝ちゃうんだわ)。

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image1844.png公開年:2009年
公開国:アメリカ
時 間:97分
監 督:ロバート・ゼメキス
出 演:ジム・キャリー、ゲイリー・オールドマン、ロビン・ライト・ペン、コリン・ファース、ボブ・ホスキンス、カラム・ブルー、ダリル・サバラ、フェイ・マスターソン、レスリー・マンヴィル、モリー・C・クイン、マイケル・J・フォックス 他
コピー:未来は、まだ変えられるかもしれない…
彼の名前はスクルージ。金がすべての、嫌われ者。


ロンドンで金貸しを営む老人スクルージは、まさに金の亡者で人々から嫌われていた。クリスマス・イヴのその日、貧しい人たちへの寄付の求めを拒否し、挙句の果てには「貧乏人が死んでも仕方が無い」「余計な人口が減るだけ」と暴言を吐くのだった。しかし、帰宅すると、かつて共同経営者だったマーレイの亡霊が出現。怯えるスクルージに対して、その金の亡者っぷりに警告を与え、さらに、これからスクルージの元に3人の霊がやって来ると言い残して姿を消す。ほどなく一人目の霊が現われ、スクルージを過去 のクリスマスの日々へと連れて行く。そこには、若き頃の、純真で優しかったスクルージがおり…というストーリー。

舞台も19世紀なら、実際にディケンズによって書かれたのも19世紀。資本主義の発展よって、底辺の人々が塗炭の苦しみを味わっている時代なので、ピンとくる話だろう、きっと子供なら楽しめる…といいたいところだが、恐怖で言うことを聞かせるタイプの教育にしか思えず、宗教上の説話だとしても、あまりにも直球すぎて閉口する。
確かにキリスト教らしいといえばらしいのだが、日本の児童が、この価値観の押し付けを素直に受け入れられるとは思えない。

大体にして、スクルージの主張する、社会保障は税金でしっかりと賄うべきという主張は一理ある。さらなる“税”が必要ならば、確固たる根拠が必要なのは至極当然。そこを、神の御心に沿って慈悲の心で私財を放出すべきという理屈は、問題があると思う。
本当の答えは、“資産の死蔵”つまり金やモノを動かさずに貯めこむこと自体が罪であって、それを次の投資や資本拡大に使用すればよい。資本主義というシステムは、どこかにお金が偏在するようになっているの。むしろその“偏在”する場所に当たった人は、その溜まった資産を早々に使わねばならない(廻さないといけない)という義務を負う、結構大変な役回りなのである。
だから、アホな金持ちはそれでウハウハしちゃうのだが、本当に“金”の意味がわかっている人は、こりゃ大変なことになったと一生懸命使い道を考えるのである。だからその役回りの人の価値はどうやって金を使っているのか?という一点によって決まる。で、スクルージの罪悪は、末端の市民に小金を貸すばかりで、有望な企業に投資するなどしていない…という点くらいだろう。
そんな主張のお話を映画にしたっておもしろくないだろ!と思うかもしれないが、本作でもスクルージは「金はあの世まで持っていけない」といっているではないか。結論は一緒である。でも、その過程がおかしいから、ただお金をあげるとか、何かをかってあげる…という行為にしか結びつかないのだ。
目先の施しが、本当に他者の幸せになるとは限らない…私は本作を観ている間、ずっと引っ掛かっていたのはそこなんだと思う。

技術面。確かにジム・キャリーの動きをしっかりとアニメーションで再現できている。しかし、技術としてのモーションキャプチャーにそれほどの新規性も驚きもない。本作のテーマは“3Dアニメ”なので、普通の2DのDVDで鑑賞したのでは、その技術的なテーマ(真価)を感じることはできないのだろう。ただ、新しい技術テーマに重点を置きすぎたせいなのか、アニメのくせにアングルとかカメラアングルが悪いと感じられる不思議な作品である。

それ以前に、じいさんが主人公なので、子供向けなのにとっつきにくく、共感しにくいという、高いハードルがある作品なんだけどね。諸々、残念な作品である。お薦めできない。大半の子供は途中で飽きると思う。

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image0655.png公開年:2004年
公開国:デンマーク
時 間:93分
監 督:アンデルス・ルノウ・クラルン
出 演:ジェームズ・マカヴォイ、キャサリン・マッコーマック、デイヴィッド・ヘアウッド、クレア・スキナー、イアン・ハート、サマンサ・ボンド、デレク・ジャコビ、ジュリアン・グローヴァー 他
コピー:あなたは、誰とつながっていますか?




マリオネットの世界。すべての生き物は空から垂れる糸で繋がっており、頭の糸が切れると死んでしまう。そんな世界にあるバロン王国は、数百年に渡って周囲の国と激しい争いが繰り返していた。年老いた国王カーロは、王国が犯した数々の悪の所業を悔いて王子ハルに王位継承する旨の遺書を遺し、自ら命を絶つ。しかし、王位を狙う王の弟ニゾは、遺書を破棄。王の死をバロン王国と敵対するゼリス族長サーロの仕業に見せかける。そうと知らないハル王子は父の仇を討つため、家臣エリトと共に復讐の旅へと出るのだが…というストーリー。

頭の糸が切れると死ぬ、他の糸に関してはパーツ取替えができる…実にユニークな発想。
だから、この世界には屋根なんか存在しないし、洞窟なんかに入ることもできない(とはいえ、いまいちそういう設定が徹底されていない点がないわけではないけど)。格子が中空につるされていて、糸が固定されることで身動きできないというデザインの牢屋は、実に慧眼。日本も文楽で似たような試みはできるとおもうんだけど、古い様式だけに縛られてるよね。こういうダイナミズムを忌避する文化は廃れていくよね。

「王の弟と息子の王位継承争い」「異民族征服・侵略」「敵勢力間の禁断の恋愛」「王子が身分を隠して旅」「預言者」etc…とよくある神話の類型の塊みたいなストーリー。まあ、王の弟と息子の王位継承争いなんて、日本でも壬申の乱っつーのがあったくらいで、人間の根源的性格という意味でも普遍的な内容ってことだね。あまりにありがちなストーリーなので、後半飽きてはくるけど、そこは世界観の魅力と操演の妙技で持ちこたえる。

ものすごくよく動くマペットで、実に表情豊かで、特に目、瞼の動きが秀逸である。ただ、目は動くんだけど口が動かないというところに、限界はあったりする。口が動かないだけに、吹替えの声優は必要以上の過剰さが求められるところなのだが、大半の声優はタレントさんなのだ。
字幕を負っているとせっかくの操演を味わうことの邪魔になるので、吹替えがいいのは間違いない。でも、草なぎ剛、中谷美紀、劇団ひとり、優香、 香取慎吾…、う~ん、もうしわけないが、中学校の学校祭の演劇レベルなのだよ。せっかくの良作が、これで凡作に落ちてしまった感じ。

ヨーロッパのアニメとか、こういう客寄せ目的のタレントをつかわんといけない法律があるわけもあるまいし。まあ、米アニメとかは製作元がうるさいから勝手なことができないけど、欧アニメとかは日本の配給会社がプロモーション名目で好き勝手にやってるってことなんだろうけど。でも、それで、せっかくの作品が毀損されてしまっては元も子もないと思うけどね。

最後の鳥のシーンは、糸を落とす必要はあったのかなかったのか。半ば夢のシーンのようなものとはいえ、“糸”のルールだけは破ってはいけない気がするのだが…。

#志村、後ろ、後ろ! (笑)…って、思った人は私だけではあるまい。

 

負けるな日本

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imageX0036.Png公開年:1978年
公開国:アメリカ
時 間:101分
監 督:ウォーレン・ベイティ、バック・ヘンリー
出 演:ウォーレン・ベイティ、ジュリー・クリスティ、ジェームズ・メイソン、ジャック・ウォーデン、チャールズ・グローディン、ダイアン・キャノン、ヴィンセント・ガーディニア、R・G・アームストロング、バック・ヘンリー、ウィリアム・ボガート 他
受 賞:【1978年/第51回アカデミー賞】美術監督・装置(Paul Sylbert、Edwin O'Donovan、George Gaines)
【1978年/第36回ゴールデン・グローブ】作品賞[コメディ/ミュージカル]、男優賞[コメディ/ミュージカル](ウォーレン・ビーティ)、助演女優賞(ダイアン・キャノン)

ロサンゼルス・ラムズのQBのジョーは、交通事故に遭ってしまい急死してしまう。しかし、本当は残りの寿命は50年残っていたにもかかわらず、天使のミスによって天国に連れて行かれてしまったのだ。天使のミスに気づいたものの、すで火葬されており、戻る肉体は無くなっていた。スーパーボウル出場の夢を捨てられないジョーは、代わりの肉体を探すように天使に要求するが、適当な死亡者はなかなか見つからない。妻と秘書に殺された大富豪を紹介されたが、ジョーはアスリートでないことを理由に断ろうとする。しかし、そこに大富豪の事業に講義しにきたベティという女性に惹かれてしまい…というストーリー。

大富豪に憑依して会社の改革をしはじめちゃって、『デーヴ』とか『チャンス』みたいな展開になるのかなと思っていると、しっかりアメフトの流れに揺り戻す。会社の問題をアメフトチームの問題を引き合いに出して片付けちゃうところなんか、なかなかおもしろかったし、社内の抵抗勢力のキャラも立っていたから、その流れで展開すると思わせておいて、そうしないんだもん。スカしの技術がスゴい。
話があっちにいったりこっちにいったりと、普通ならとっ散らかりそうだけど、しっかりまとめているどころか、観客の予測の一枚上を行く脚本には感服する。大富豪としての命が尽きた後、どういう展開になるのかなんて、ちょっと予測がつかなかったね。
事故にあうところなど、誰が観ても展開がわかる部分なんて、変にダラダラと煽ったりしない所も好き。

最後のオチは「それでいいのか?」って思う人も多いだろう。正直、私も観終わってなんかピリっとしないと感じた。ジョーは記憶を無くして今後は別人として生きていくことになる(このこと自体、ものすごく納得しかねる展開なんだけど)、その後、ベティと出会って、何かを感じあった二人が一緒に歩き始める…って終わり方。確かに、人は見てくれじゃなくって目の光がどうのこうのって会話をベティと大富豪はしていて、伏線にはなっているのだけど。
でもね、長い付き合いで且つ諸々の事情も知っているコーチが目を見ても、こりゃあジョーじゃねえな…って感じたくらいなのにさ、女にはわかるのよ…って、ちょっとコーチがかわいそすぎやしませんか?ってこと(屋内の電気だって切れたのに、放っておかれてるしね)。

引っかかるのはそこくらいで、上質なファンタジーでありコメディでもある名作。お薦め。吹き替え版のDVDが欲しい。



負けるな日本

 

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image0677.png公開年:1996年
公開国:アメリカ
時 間:88分
監 督:ジョー・ピトカ
出 演:マイケル・ジョーダン、ウェイン・ナイト、テレサ・ランドル、ビル・マーレイ、チャールズ・バークレイ、ラリー・バード、ブランドン・ハモンド、ダニー・デヴィート 他
ノミネート: 【1997年/第6回MTVムービー・アワード】歌曲賞(R・ケリー“I Believe I Can Fly”)
コピー: GET READY TO JAM!


とある宇宙の一角にある遊園地モロン・マウンテンは、不人気で経営不振。そこで、モロン・マウンテンの重役は、地球のルーニー・テューンズたちを遊園地で働かせれば、人気が回復すると考え、部下たちに彼らの拉致を命じる。部下たちは、バッグス・バニーたちにモロン・マウンテンにくるように依頼するが、遊園地で働かされたくないバッグスたちは、小さな宇宙人たちを見て、バスケットで試合して勝負して、負けたら言うことを聞くと提案する。しかし、宇宙人たちはNBAの選手の才能を盗み出し、試合に挑もうとする。あせったバッグスたちも、プロ野球選手に転職していたマイケル・ジョーダンを引っ張り出し…というストーリー。

虚構と現実がうまいことミックスできている秀逸なシナリオ。NBAから野球選手に転向して、散々ディスられている中、それを逆手にしちゃうのが素敵。おまけに、最後は、実際のNBA復帰話にリンクしているという、綿密なプロモーションにもなっている。構成に穴がない。

ワーナーの各アニメキャラクターもしっかり生きているし(観ていたらケロッグ喰いたくなった)、ベタベタでもしっかり熱くなれる演出。本人がきちんと演じている効果が大きく、実在スポーツマン物で、一番成功した作品な気がする。

『ロジャーラビット』と比較されて、デキが悪いと言われることがあるが、私はそうは思わない。確かに、NBAもマイケル・ジョーダンも知らない若者には、ピンとこないかもしれないけれど、そうでなければものすごく楽しめること請け合い(まあ、そこが分水嶺かもしれないな)。

#でも、登場人物はみんなリッチマンばっかりだけどね。





負けるな日本

 

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image1039.png公開年:2005年
公開国:アメリカ
時 間:117分
監 督:アーヴィン・カーシュナー
出 演:マット・デイモン、ヒース・レジャー、モニカ・ベルッチ、ジョナサン・プライス、ピーター・ストーメア、レナ・ヘディ 他
コピー: 永遠の名作<グリム童話>の誕生にまつわる秘密とは?




19世紀のドイツ。村人たちから魔物を退治すると偽り、多額の報酬をせしめていたペテン師グリム兄弟。彼らは、その魔物退治と地方に伝わる物語を出版しており、有名人となっていた。しかし、イカサマがバレて将軍ドゥラトンブに逮捕された彼らは、放免を条件として、とある村で発生していた少女連続失踪事件の解明を命じられる。さっそく現地に赴いたものの、そこに出現した魔女が本物で大慌てしてしまい…というストーリー。

グリム兄弟がペテン師っていう発想はおもしろいけど、冒頭のだまし演出がバレバレでいきなり冷める。ああ、多分本物の物の怪が出てきて慌てる…っていうストーリーなんだろうな…と読める(掴みに失敗)。
そのまま読みの通り展開が進むか否かは別にして、読めた気にさせられるのが大問題だと思うのね。せめて、それを裏切ってくれれば助かったのだが、先が読めた上でそのまま突っ走られる映画は、観ていてキビしい。

ストーリー的にも、一行が何をしているのか、よくわからなくなってきて飽きてくるし、フランス人とのすったもんだや、拷問のくだりもいまいちつまらない。結局、豆のくだりも何を意味しているのか、どういう意図なのか、いまいちよくわからん。肝心の森の秘密の裏にあるストーリーに、情愛や情念や恨みなどが感じられず、裏に流れる一本の芯のようなものがない。森の一角だけで、展開されるのも、スケールが小さい。
#ペテン師なんかじゃなくて、普通の旅をする作家が不思議な事件に巻き込まれる…ってほうがおもしろかった気もするけど、それだと『スリーピー・ホロウ』と同じになっちゃうか。

一番感じたのは、コメディとコメディ調の差がはっきりしていない所。コメディ調であるべきだと思うのだが、完全に笑わせようとしているのが痛い。多分、ドタバタコメディを仰々しくやりたかったんだとは思うけど、ちょっと違う方向を期待させる作りになっている。変に期待させてハードルを上げるのは、笑いのタブーだと思う。

観終わったあと、「で、何の話よ、コレ…」って感じになった。散々、悪い評判を聞いた上で、まったく期待せずに観たら、案外観れちゃう。そんなレベルかな。





負けるな日本

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image1795.png公開年:2011年 
公開国:イギリス、アメリカ
時 間:130分
監 督:デヴィッド・イェーツ
出 演:ダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、エマ・ワトソン、ヘレナ・ボナム=カーター、ロビー・コルトレーン、レイフ・ファインズ、マイケル・ガンボン、ワーウィック・デイヴィス、ジェイソン・アイザックス、ジョン・ハート、アラン・リックマン、マギー・スミス、ジュリー・ウォルターズ、マーク・ウィリアムズ、トム・フェルトン、ボニー・ライト、ジェームズ・フェルプス、オリヴァー・フェルプス、イヴァナ・リンチ、エマ・トンプソン、デヴィッド・シューリス、ゲイリー・オールドマン、ジム・ブロードベント、マシュー・ルイス、キアラン・ハインズ、ジョン・キー、ケリー・マクドナルド、ヘレン・マックロリー、ジョージ・ハリス、ジェラルディン・ソマーヴィル、エイドリアン・ローリンズ、ドーナル・グリーソン、クレマンス・ポエジー、ガイ・ヘンリー、デヴィッド・ブラッドリー、ショーン・ビガースタッフ、デヴォン・マーレー、アルフィー・エノック、ケイティ・ルング、ウィリアム・メリング、ジョッシュ・ハードマン、ルイス・コーディス、スカーレット・バーン、アリエラ・パラダイス、ベネディクト・クラーク、エリー・ダーシー=オルデン、ロビー・ジャービス 他
コピー:これが最後。

ヴォルデモートを倒すために、彼の魂を7つに分けた“分霊箱”を発見し破壊するための旅に出たハリーとロン、ハーマイオニー。ヴォルデモートが放つ死喰い人の追撃の中、いくつかの分霊箱を見つけ破壊していき、ついに4個目の分霊箱“ヘルガ・ハッフルパフのカップ”を壊したハリーたち。秘密の通路を通ってホグワーツ魔法学校に戻るが、そこは校長となったスネイプによって支配されていた。ハリーと不死鳥の騎士団はスネイプに反旗を翻し、最後の決戦が始まる。

これまでの7本を観た人は、間違いなく観るだろうし、逆にこれまで観ていない人が観ることはまず無いわけで、評価がどうのこうのという次元ではない。PART1とはスタッフも一緒で、クオリティになんら遜色も無い。お祭りの最後としては充分な内容だと思う。

しかし、普段小説をほとんど読まない私が、しっかり原作を読んだ作品なので、少しだけ不満を言わせてもらう。個人的に思い入れがあって、もっとしっかり描いて欲しかった箇所がいくつかあるのだ。

まず、ロンのママとベラトリックスのバトル。息子を殺されてブチキレるロンママとのバトルはもうすこし長く、そして子供達を守るっていう覚悟がグッと伝わってくる演出にしてほしかった。ハリーの母親の愛情っていうのは所詮回想の中の出来事。本作におけるリアルな“親の愛”を体現するのはロンママなのだから。あんな2、3回杖を交わしただけでお仕舞いってのはないわ。

もう一つは、ネビルの扱い。ハリーは特別な存在としてシリーズで扱われてきたけれど、実は運命の子っていうより謎解きの1パーツだった。エリートなのかと思ったら、親父はちょっとイヤな奴だったし、それほど特別な魔法使いでもなかった。実は本作における“真のリベンジャー”、そして一番成長したのはネビルである。ハリー同様、肉親を死喰い人たちに殺されたけど、ネビルはヘナチョコ扱い。でも彼は回を重ねるごとに、勇気を振り絞って成長し、信念を貫いてきた。それなのに、なんかイキってポっと出でがんばっちゃいました!みたいな扱いは、何か釈然としない。ネビルのこれまでの感情や思いを、もう少し描いてあげるべきじゃなかろうか。ダメな子ががんばった姿こそ感動ポイントのはず。

最後の駅のシーンも違和感があった。マルフォイはもっと離れた所にいて、ハリーたちと目があたったら、軽く会釈をするかしないかくらいの感じでいて欲しかった。それから、ネビルが先生になっていることに触れてほしかったよ。ちょいちょい原作と異なる描写があるのは許すけれど、蛙チョコのくだりとか差し込む暇があるんなら、もうちょっとネビルにスポット当てろっての。
ああ、やはり、私はネビルが軽く扱われたことが気に喰わないんだわ。エンドロールでルーナとかキングスリーがどうなったかとか、差し込むくらいできたろうになぁ。感動の度合いはかなり違ったと思う。

その他にもスネイプの恋慕の感情が、いまいち描ききれていないとか、まだまだ不満はあるけど、まあいいや。これでハリポタビジネスが終わるとも思えないので、ディレクターズカット版みたいな長尺版が出る気がするから、それに期待するわ。

とりあえず、10年の長旅は終わった。それだけで一定の満足と納得はできる。




負けるな日本

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image1719.png公開年:2010年
公開国:イギリス
時 間:112分
監 督:マイケル・アプテッド
出 演:ジョージー・ヘンリー、スキャンダー・ケインズ、ウィル・ポールター、ベン・バーンズ、ティルダ・スウィントン、ローラ・ブレント、ゲイリー・スウィート、テリー・ノリス、ブルース・スペンス、アナ・ポップルウェル、ウィリアム・モーズリー、シェーン・ランギ、アーサー・エンジェル、アラベラ・モートン、レイチェル・ブレイクリー、スティーヴン・ルーク、ナサニエル・パーカー、ロイ・ビリング、ビリー・ブラウン、ニール・ヤング、グレッグ・ポップルトン、ニコラス・ニールド、ロン・ケリー、ルーカス・ロス、リーアム・ニーソン、サイモン・ペッグ 他
ノミネート:【2010年/第68回ゴールデン・グローブ】歌曲賞 (Hillary Lindsey、David Hodges、Carrie Underwood“There's A Place For Us”)
コピー:誰も知らないナルニアへ。

兄ピーターと姉スーザンが両親と共にアメリカへ滞在することなったが、エドマンドとルーシーは、いとこのユースチスの家に預けられることになってしまう。ある日、壁に掛けられた帆船の絵が動き出し、彼らと従兄弟のユースチスは絵の中に吸い込まれてしまう。絵の先はナルニアの海。溺れかけた3人はナルニアの王となったカスピアン達が乗る船“朝びらき丸”救われる。朝びらき丸の一行は、カスピアンの亡き父の友人である7人の貴族を見つけるため、彼らが消息を絶った島を目指していた。やがて、父王が7人の貴族与えた剣を東方の島にあるアスランのテーブルに並べると、悪の魔法を取り払うことができることを知るのだが、彼らの行く手には不気味な霧と悪が立ちはだかり…というストーリー。

第2章の段階で、第1章の魅力的な雰囲気をすっかり壊してしまうという、愚作をやらかしてしまったシリーズなのだが、なんとディズニーが撤退することに。途中でシリーズを投げ出すなんてそんなことあるのか…とビックリ仰天。スタッフはほぼそのままにFOXに引き継がれた本作は、さていかなるデキか。

これまでよりも冒険譚的なテイストに溢れていて、その点は評価できる。ただ、海洋冒険譚は『パイレーツ・オブ・カリビアン』とダブる。特に、最後の海蛇との戦いはクラーケンとのバトルが頭をよぎる(というか、それよりダウンスケールした感じ)。
#もしかして、これがディズニーが撤退した理由だったりして。

このお話自体、エドマンド・ルーシー・ユースチスが誘惑に負けて自分を見失ってしまうことが、一つのテーマになっているのだが、観ているこっち側も、何で彼らは旅をしているのか、今とりあえず求めているものが最終目的とどう関わるのを、見失ってしまうという、まるで壮大な謎かけをされたような気分。要所要所のメリハリに欠けるので、子供は早々に飽きると思う。
「おお!海蛇きもちわりー」「ドラゴンがんばれー」「…あれ、なんでこの子ら闘ってるんだけ?」って感じ。ラストシーンも、「ん、ん?最終目的ってこの浜辺にくること?この波の向こうにいくこと?ネズミがいっちゃうことって何の隠喩?」と、漂流しまくりである。
最後の戦いも、次男の精神世界の戦いというか、カウンセリング治療みたいな感じがして、しっくりこないしね。
#この、「誘惑に負けちゃだめよ」ってのがキリスト教臭いところなのね。

今回は長男・長女は登場しなくって、そして、もう君達もすっかり成長しちゃったからこれで最後ね…と、ピーターパンばりの卒業宣言をさらっとしちゃうアスラン。
同キャストによるシリーズ化にも、ちょっと限界がきていて、長女(アナ・ポップルウェル)が美人のアイコンってのが無理があり過ぎる(元からかわいくないが劣化しすぎ)。末っ子のほうが明らかにかわいい。
はじめはいけ好かないが、最後には好感度が増す役ってのは『リトル・ランボーズ』とまったく一緒だったウィル・ポールター。彼には、是非ともロン・パールマンみたいな役者に成長してもらいたいのだが、はたして彼一人で第4章“銀のいす"を担うことができるか否か。どうも、本作で終止符を打ちたいというFOXの意向が見える気がしてならないが。

とりあえず第2章まで観た人は、お付き合いで本作も観るしかなかろう。そして一旦、このシリーズに心の中で終止符を打つと。ただし、旧作料金になってからでよいと思う(これだけ第2章から時間が空いてるんだから、そのくらい待っても大丈夫でしょ)。新作料金で観るほどの価値はないよ。



負けるな日本

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image1356.png公開年:2006年
公開国:インド、イギリス、アメリカ
時 間:118分
監 督:ターセム
出 演:ビル・ミルナー、ウィルリー・ペイス、カティンカ・ウンタルー、、ジャスティン・ワデル、ダニエル・カルタジローン、レオ・ビル、ショーン・ギルダー、ジュリアン・ブリーチ、マーカス・ウェズリー、ロビン・スミス、ジットゥ・ヴェルマ、エミール・ホスティナ 他
コピー:君にささげる、世界にたったひとつの作り話。



1915年、ハリウッド。スタントマンのロイは、撮影中の事故で重傷を負い入院中。未だ足の感覚が戻らずスタントマンとして復帰する目処が立たず、自暴自棄となり自殺願望にとらわれていた。一方、5歳の少女アレクサンドリアは、オレンジ収穫を手伝っているときに樹から落下して腕を骨折し、同じ病院に入院中。じっとしていられず院内を歩き回っていて、ロイの病室へ紛れ込む。ロイはあることを思いつき、退屈しているアレクサンドリアに自作の冒険話を聞かせる。ロイのお話に夢中になってしまうアレクサンドリアだったが…というストーリー。

おもしろいかどうかは別にして、ものすごく雰囲気のある作品。ロイの物語の映像がいかにもスペインとかトルコってな彩りでとてもステキ。オーギャンの絵みたい。なぜか『ザ・セル』の美術を思い出してしまったので、調べてみたら『ザ・セル』の監督はターセム・シンという人で、本作はターセムとクレジットされている。あれ?同一人物?(もしそうなら、私の眼力もなかなかのものじゃないか)。
こんな嘘みたいな映像が、CGじゃないってのが素晴らしい。いや、若干は画像処理しているのかもしれないが、そう思わせない映像であることは確か。こういう作品を観ると、本当に海外旅行にいきたくなる。こんなに画の力を感じるのは久々かも。これは、ちょっとやそっとの期間では撮りきれる映像ではなかろう。センスの問題でなく、根気よく撮影し続けられるのが脅威。こういう作風の監督の場合、多作は無理だろうが、それこそ一作入魂の心意気が感じられるので高く評価したい。
#ブルーレイで買うべき作品かも。
そして、衣装は日本人・石岡瑛子。これも、ものすごく美しくて格好良い。

ストーリー的には、彼女を寝取られたってくだりが無駄な気がする以外は、全体的にほのぼのとした感じで貫かれている。お話をするほうもされるほうも、かみ合ってはいないながらも、それぞれに生じているの心の変化が、鑑賞者の心を温めてくれる。まあ、緩いといってしまえばそれまでだけど、私はだから良いのだ…といいたい。

ロイの心境とお話はリンクしているので、お話が終盤つまらなくなってしまうのは仕方が無いのかもしれないけれど、それならばもっと退廃的な映像にしたほうがよかったとは思う。そう、たしかに終盤の尻すぼみ感は否めないが、逆に美しい美術を際立たせるために、さらっと話を終わらせるのは、手法としてありだと思うので許容する。

名作でも快作でもないけれど、決して凡作ではない。こういうユニークな監督は、温かく応援すべきだと思う。お薦め。



負けるな日本

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image1652.png公開年:2010年 
公開国:イギリス、アメリカ
時 間:146分
監 督:デヴィッド・イェーツ
出 演:ダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、エマ・ワトソン、ヘレナ・ボナム=カーター、ロビー・コルトレーン、トム・フェルトン、レイフ・ファインズ、ブレンダン・グリーソン、リチャード・グリフィス、ジョン・ハート、ジェイソン・アイザックス、ヘレン・マックロリー、ビル・ナイ、ミランダ・リチャードソン、アラン・リックマン、マギー・スミス、ティモシー・スポール、イメルダ・スタウントン、デヴィッド・シューリス、ジュリー・ウォルターズ、ボニー・ライト、ジェームズ・フェルプス、オリヴァー・フェルプス、サイモン・マクバーニー、ジョージ・ハリス、イヴァナ・リンチ、マシュー・ルイス、マーク・ウィリアムズ、ハリー・メリング、ナタリア・テナ、クレマンス・ポエジー、デイヴ・レジーノ、ワーウィック・デイヴィス、フレディ・ストローマ、ピーター・ミュラン、ガイ・ヘンリー、ドーナル・グリーソン、アンディ・リンデン、リス・エヴァンス、デヴィッド・ライオール、マッティエロック・ギブス、ニック・モラン、ジェイミー・キャンベル・バウアー、キャロライン・ピクルズ、ミシェル・フェアリー、アーバン・バジラクタラ、レイド・サーベジヤ、フランク・ディレイン、ジム・ブロードベント、マイケル・ガンボン、トビー・ジョーンズ 他
ノミネート:【2010年/第83回アカデミー賞】美術賞(Stephenie McMillan:セット・デザイン、スチュアート・クレイグ:プロダクション・デザイン)、視覚効果賞(Nicolas Aithadi、Christian Manz、ジョン・リチャードソン、ティム・バーク)
【2010年/第64回英国アカデミー賞】メイクアップ&ヘアー賞、特殊視覚効果賞(Christian Manz、Nicolas Ait'Hadi、ジョン・リチャードソン、ティム・バーク)
【2010年/第16回放送映画批評家協会賞】メイクアップ賞、視覚効果賞

ヴォルデモートの秘密である“分霊箱”を探し出すため、ホグワーツから離脱し旅に出たハリー、ロン、ハーマイオニー。誰の協力も得られない中、わずかなヒントを頼りに分霊箱探索を進めるが、一向に目的に近づく気配がなく、次第に3人の絆に亀裂が入り始める。その間に、魔法省やホグワーツは、事実上ヴォルデモート勢力の影響下に置かれ、死喰い人たちの追手が3人に迫っていた…というストーリー。

原作は4巻から二分冊になったものの、映画はそのまま1本でギュっとまとめており、どうやったら面白くなるかというよりも、後のシリーズに影響が無い様に切れるところはどこか…という、ある意味大人の都合に終始していた感じ。
確かに、よくもまああの上下巻をまとめましたね、という感じではあったけれど、原作を読んでいなければ、細かいところに気付くはずもなく、主筋を把握するのが精一杯だろう。
私としては珍しく原作を読んでいて、且つ律儀に劇場に足を運んでいたのだが、パート4の“職人芸”を目の当たりにて、もうDVDでいいかな…って気分になってしまい観にいっていない。本作も同じく。
前にも書いたけど、ディレクターズカット版として、パート4~6は3時間半くらいに編集しなおして、もうすこしストーリーを把握できるようにすべきだろう。スターウォーズのエピ4~6と同じように、新版のDVDで儲けられそうだね。

で、本作は、もう最後で後の繋ぎを考える必要もないし、別の大人の事情で二本に分けられたので、のびのびと丁寧に演出している印象。前作までのダイジェスト版を観せられているような感覚はない(それでも、フラーの結婚のくだりなんかは、サラっと流されちゃったんだけど)。
まあ、二本に分けられたのも、ドビーという区切りがあって、それなりに盛り上がりを作れたおかげなんだけど。そして、ここで区切ったってことは、パート2はバトルモード全開ということだね。

で、6作目で登場した分霊箱という概念を把握できているか否かが大事なのだが、如何せんパート6で説明不足だったのとダンブルドアの死に目がいってしまったことで、いまいちピンときていない人が多かったにちがいない。もう、雌鹿の精霊が誰の精霊か?なんて、そこに意識が向かってる人なんか少ないでしょうね。そのレベルの細かい点が見えているかいないかで、愉しみの度合いは倍くらい違うのだけれど。
パート2公開前に、これまでの振り返り番組でもTVで放映するか、着目すべきポイントをおさらいするDVDでも、レンタルすればいいと思う。私が配給会社ならまちがいなくやる企画。

まあ、途中経過なので、がっちり評価する必要もない。とにかくパート2を観る前に、おさらいをすることをお薦めする。GWだからこれまでの7作をまとめて借りて、ハリポタナイトでも愉しむとよい。




負けるな日本

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