忍者ブログ
[1]  [2]  [3]  [4
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

image1555.png公開年:2009年 
公開国:フランス
時 間:92分
監 督:リュック・ベッソン
出 演:フレディ・ハイモア、ミア・ファロー、ペニー・バルフォー、ロバート・スタントン、ローガン・ミラー、セレナ・ゴメス、セレニア、ヌープ・ドッグ、ステイシー・ファーガソン、ルー・リード、ジミー・ファロン、ウィル・アイ・アム 他
コピー:ミニモイの国とセレニア姫の最大の危機!
奇跡のファンタジー・アドベンチャー三部作、第二章!


今日は“10番目の満月”の日で、ミニモイの国への扉が開く日。アーサーは、ミニモイに変身して、王女セレニアたちとの再会することを楽しみにしていた。しかし、そんな時、一匹のクモが“HELP”と書かれた米粒を彼のもとに運んでくる。それをミニモイ達からの救難信号と思ったアーサーは、彼らが再び魔王マルタザールから襲われたのではないかと、気が気でない。やっと扉が開く深夜0時がやってきたが、扉を開くために必要な月の光が、突然湧き上がった雲で遮られてしまい…というストーリー。

一作目も観たはずだが、ほとんど記憶にない。たしか行方不明のおじいさんを救出するようなエピソードがあったと思うが、タイトルに“マルタザールの逆襲”とあるように、一作目の悪役もマルタザールだったんだろう。本当に記憶にない。でも、わざわざ観返す気もおきなかった。
でも、結果から言うと、これは一作目の内容を思い出さないと、???のオンパレードになるので、可能ならば観なおしたほうがいいのかも。

公開年としては前作から3年経つが、設定的には何年経ったことになってるのだろう。主人公のフレディ・ハイモアはすっかり成長してしまってかなり雰囲気が違う。
肝心のCGも、動きはよくなったけれど、絵自体は荒くなった気がする。前作ほどの気合も技術の進歩も感じられない。

一番の問題はストーリー構成。一作目は、三部作とはいえども、一つの冒険ファンタジーとして完結できていた。しかし、二作目の本作は、名探偵コナンの前後編の前半のように、ズバっとぶち切れて終わる。言うに事欠いて“こうご期待”だって。名探偵コナンは一週間しか空かないから許せるけど、次がいつになるかわからん状態で、こんな“つづく”状態は、最悪だろう。これで1800円とるのってサギみたい。

それに、本作の内容は、93分も必要な内容ではない。ちょっと長くなってもいいから3本目になる予定の話とくっつけても問題ないんじゃないの?と思うくらい、うすっぺらな内容。お話に大きな山場も緩急も何もない。小ネタの繰り返し。観ていて本当飽きてくる。

ここのところ、こんな感じのファンタジー三部作が多くはないだろうか?このビジネスモデルは成功しているのだろうか。観ている側からすると、はっきりいってイライラするし、少なくとも、続編といえども一つの映画として愉しめるようにつくるべきではなかろうか。もう、エンターテイメント界の害悪なのではないか。

とにかく本作は、三部作が全部揃うまで、観る必要なし。もう、注意報発令作品といってもよい。よって、評価対象ですらない。以上。リュック・ベッソン、もうちょっとしっかりせいや。
 

 

負けるな日本

拍手[0回]

PR

image0342.png公開年:2005年 
公開国:アメリカ
時 間:109分
監 督:ブラッド・シルバーリング
出 演:ジム・キャリー、メリル・ストリープ、エミリー・ブラウニング、リーアム・エイケン、カラ・ホフマン 他
受 賞:【2004年/第77回アカデミー賞】メイクアップ賞(Valli O'Reilly、Bill Corso)
コピー:幸せだった三姉弟妹を次々と襲う、最悪の不幸がはじまる



ボードレール家の長女ヴァイオレットは14歳の天才発明家。長男のクラウスは膨大な量の本を読破してものすごい知識の持ち主。末っ子のサニーは一度噛みついたら離さない女の子。ある日三姉弟妹が海辺で遊んでいた時に、自宅が火事になり、両親は莫大な遺産を残し死んでしまう。身寄りのない子供たちは、遠縁の親戚というオラフ伯爵が預かることになるのだが…というストーリー。

家族が横で観ていたのをながら観したことはあったが、ほぼ初見に近い。ちょっと軽めの作品が観たくなったのでチョイス。

ティムバートンばりの、ダークというかゴシックな統一感や、毒のあるファンタジーが好印象なのだが、問題は大人の鑑賞に堪えるレベルか、完全に子供向けなのか?っていうところ。結果からいうと、どっちつかず。こういうテイストなのに、カルト的人気がないのは、そういうコンセプトの甘さのせいかもしれない。

悪人オラフにはしつこく付きまとわれるし、善人達もおめでたい奴らばかりで…っていうイライラ感がよく表現できている。観ていて本当にイライラしてくる。でもそのイライラ感を逆手にとって、パーっとおもしろさに転換するのが、本作のおもしろさの一つだと思うのだが、子供が能力を発揮する“キターーッ”って感じが実に薄い。たとえば名探偵コナンが麻酔薬使うところとか、仮面ライダーWでフィリップ君が知識の本棚を出すところとか(うまい例がいえないけど)、リボンで紙を縛るのと本を思い出すだけじゃ、インパクトもないしメリハリも薄い。原作ではそれでよかったんだろうが、映像になると弱い。
また、オラフがあそこまで3兄弟の財産に執着するのか、単なる金目当て以上の何かがあるのか?と臭わせ期待を抱かせたのも良くない(私が勝手に抱いただけかもしれないが)。別の財宝とか個人的な恨みがあるに違いないと思ったのだが、そうではなくて拍子抜けしてしまった。

かといって決してけなされるような悪い作品ではなく、ほどよくまとまっているし、キャストがさりげなく豪華で(というかカメオ出演が豪華で)びっくりだったりもする。及第点以上なのは確実。とはいえあえてお薦めするほどでもない。
もうちょっとトンガった作品になっていれば、続編だって可能だったと思うが…。
#子供達はみんなキュート。

 

負けるな日本

拍手[0回]

image1622.png公開年:2010年 
公開国:アメリカ
時 間:110分
監 督:ジョン・タートルトーブ
出 演:ニコラス・ケイジ、ジェイ・バルシェル、アルフレッド・モリナ、テリーサ・パーマー、モニカ・ベルッチ、トビー・ケベル、オマー・ベンソン・ミラー、アリス・クリーグ、ジェイク・チェリー、ペイトン・ロイ・リスト、ニコール・インガー 他
コピー:この夏、ディズニーが贈るNY魔法大戦争!



太古より続く魔法使い同士の争い。善の魔法使いマーリンの弟子バルサザールは、同じく弟子で恋人のヴェロニカの犠牲により、邪悪な魔法使いモルガナを封印する。完全にモルガナを殺すことができるのは、真の後継者であると言い残しマーリンは死去する。それからバルサザールは1000年にわたって“選ばれし者”を探索し続けた。そして、原題のニューヨークでついに発見するも、その青年デイヴは物理研究に没頭するオタク大学生。バルサザールは強引に自分の弟子にして、特訓を開始するのだが…というストーリー。

こりゃ多分ダメだろうなと思いつつ鑑賞。案の定、冒頭の4分程度の説明からしてさっぱりピンとこなくて、もう、ダメだこりゃ状態。ジェリー・ブラッカイマー製作なのだが、まわりくどい説明が必要な作品はブラッカイマーには向いていないんじゃないかな(ましてや子供向けなら)。

いい魔法使いと悪い魔法使いがいて…まではよい。でも、世界征服が目的ってもっともらしいけど、悪い魔法使いは具体的に何をどうしたいのやら。争う大義も私怨もよく見えてこないから、『ハリー・ポッター』のように感情が揺れることもない。小ネタ大ネタのバランスが悪いし、効果的な伏線もない。
逆に、魔法の面白さを映像的に愉しむことが主眼だっとしても、ワクワクするヴィジュアル表現でもない(警官に化けるところとか普通の姿に戻るところは表現せずに、編集で繋ぐセンスってどうなんだろうね)。

おまけに、修行シーンが冗長で実につまらなくて、全体のテンポを阻害している。『ファンタジア』のミッキーの魔法使いの弟子のように、リズミカルに愉しくモップたちが動くのを期待した人は多いと思うのだが、バタバタととっちらかしただけ。あそこを愉しく表現してこそリメイクの意味があるんじゃなかろうか。

とにかく、盛り上がる部分もメリハリも無くて、挙句の果てには、終盤寝てしまうほどの緊張感の無さ。赤点ギリギリの作品で、新作料金でレンタルすると損したと思うだろう。お薦めしない。続編を臭わしているのが恥ずかしくなる作品。

#プラズマは物質じゃなく状態です。

拍手[0回]

image0908.png公開年:2007年 
公開国:アメリカ
時 間:95分
監 督:ガボア・クスポ
出 演:ジョシュ・ハッチャーソン、アンナソフィア・ロブ、ズーイー・デシャネル、ロバート・パトリック、ベイリー・マディソン、ケイト・バトラー、デヴォン・ウッド、エマ・フェントン、グレイス・ブラニガン、レイサム・ゲインズ、ジュディ・マッキントッシュ 他
ノミネート:【2007年/第13回放送映画批評家協会賞】若手女優賞(アンナソフィア・ロブ)
コピー:この橋を渡れば、またきみに会える


子沢山の貧しい家庭で暮らす小学5年生の少年ジェス。学校ではいじめられているし、父は厳しく、その他の家族は女ばかりで家の中でも孤独感を抱いている。そんなある日、隣の家に転校生の少女レスリーが引っ越してくる。彼女の家は裕福で一人娘。自由奔放で対照的な性格の彼女に、はじめはなじめずにいたジェスだったが、次第に仲良くなっていく。やがてふたりは森の中に二人だけの王国“テラビシア”をつくり、王と王女として君臨して空想の冒険物語を共有し、楽しい時を過ごすようになるのだが…というストーリー。

レスリー役の子は、『チャーリーとチョコレート工場』のガム噛んでた子ですな。つり目の印象がつよくて、かわいい女の子のアイコンとしてはどうかと思ったけど、演技はしっかり。その後『リーピング』とか『ジャンパー』とか、けっこう見かけるので、業界的な評価は高いのかもしれない。今後も見かけるかも。

前半のテンポが悪く、展開やら編集やら練りが足りない感じがするけれど、空想がエスカレートして、くだらない学校生活と森の様子とのコントラストがはっきりしてくると、おもしろくなってくる。そうやって、大人への階段を徐々に登っていくような小エピソードを重ねて、爽やかに終わるんだろうな…と思っていたら、最後にズドンと急展開。何かを失って成長していくという、現実という名の刃物を喉元に突きつけられたようで、ちょっと反則臭いなって思うくらいなんだけど、グっときたのは事実。

なんか、これをみちゃうと『パコと魔法の絵本』がハナクソみたいに感じてしまうんだけど。空想の世界をビジュアルで表現している点とか、女の子キャラが悲しい顛末を迎える点とか、共通点は多いんだけど、エラく差が大きいと感じる。

なんか、ダサいDVDジャケットだし、ピンとこない人は多いと思うんだけど、なかなかの良作なのでお薦めする。『パコと魔法の絵本』を観るくらいなら、間違いなくこっちを観るべきだろう。

#アメリカの博物館や美術館は、雰囲気いいよね。

拍手[0回]

image1575.png公開年:2009年 
公開国:アメリカ
時 間:80分
監 督:シェーン・アッカー
出 演:イライジャ・ウッド、ジェニファー・コネリー、クリストファー・プラマー、ジョン・C・ライリー、クリスピン・グローヴァー、マーティン・ランドー、フレッド・タタショア 他





古びた研究室の片隅で、腹部に大きなジッパー、背中に数字の9が描かれている麻布で作られた人形が動き出す。その人形は意識を持っているが、自分が何者か判らない。研究室の外に出てみると周りは廃墟の世界。すると彼の前に、背中に2と描かれた人形が現われ、9の壊れていた発声装置を修理し、自分は仲間だと言うのだった。しかし、二人の前に巨大な機械獣が出現し、2はさらわれてしまい9も力尽きてしまう。気を失っていた9は、人のいい“5”、リーダー格の“1”、体格のいい“8”、変人アーチストの“6”たちに助けられる。9は2の救出に行こうと提案するが、1に却下されてしまう。諦めきれない9は5を誘い、2がさらわれたであろう機械獣の居場所を目指すのだったが…というストーリー。

って、観ていない人には、さっぱり意味不明なあらすじだね。

元はシェーン・アッカー監督の学生時代の卒業制作作品で、2005年の米アカデミー賞短編アニメ部門にノミネートされる。それをティム・バートンが気に入って長編化をプロデュースしたというもの。たしかに、ダークな世界観はティム・バートンの好むところだろう。近頃のバートン作品が失った“先の読めない感”があって、昔の自分を思い出したりしたのかもしれない(なんて勝手に思いながら観ていた)。

綺麗すぎるCGで味が無いなと感じたのだが、人形たちのデザインやキャラ付けが秀逸なので、早い段階で気にならなくなった。『NBC』のブギーに通じる麻布の質感や、丸目で統一されていながらも表情豊かで且つ個性を発揮できている点はすばらしい(丸目は岡本太郎の作品みたいでとても好き)。
#まあ、1の三角目は、ワタクシ的にはNGだけどね。

感情どころか命までをもっているこの人形の存在は何なのか、そしてこの世界はどういう経緯でこんなになってしまったのか、根本的に私達人間の世界の延長なのか否か、とにかく謎だらけ。9が何もわからず動き出したの状況と、観ている私達も同じなので、すっかり引き込まれてしまった。
徐々に、人間の所業と世界が荒廃した経緯が見えてくるのだが、手取り足取り解説するような感じではないので、どちらかといえば判りにくいかもしれない。でも、勢いのある映画には、必ずこういう置いてきぼり感が付いているものだ。何の救いも希望も見えない、とてもハッピーエンドでないところなど、大人の童話としてほど良い具合だと思う。

以下、ネタバレ。

強いて難点を言うと、魂が開放されるラストの演出が、私にはピンとこなかった。秘密がわかったと言うものだから、てっきりまた魂を人形に戻す術でも発見したのかと思ったのだが、そうではなかった。逆に、マシンをつぶしただけだったら、あの魂はどうなっていたというのだろう。
一見、成仏したような感じで仏教的に見えるけど、“魂”が救済されるか否か(極端に言えば、魂が天国に行けるか否か)を極端に恐れている、キリスト教的な表現。だから私にはピンとこないのかもしれない(エクソシスト的感覚だな)。
結果といて、たった80分なのに、若干長く感じてしまったのは残念である。元の短編は11分らしいが、それを80分にするには、加えるべき要素が足りなさすぎたのかもしれない。場面場面のエピソードを膨らますだけではなく、大きくもう一本ストーリーの軸を作るくらいしたほうがよかったのかもしれない。

『NBC』の突き抜けた感じは無いので、多くのコアファンを獲得するレベルまではいかないと思うが、長編一作目でこのデキとは、この監督の次回作には期待せざるを得ない。お暇なら是非観てほしい。近頃のどんなファンタジー映画やSF映画とて比べてみても、同じような作品は見当たらないと思うのでお薦めしたい。

#元の短編を是非観たいのだが、どうすればいいのかなぁ。

拍手[0回]

image1531.png公開年:2010年 
公開国:アメリカ
時 間:121分
監 督:クリス・コロンバス
出 演:ローガン・ラーマン、ピアース・ブロスナン、ユマ・サーマン、アレクサンドラ・ダダリオ、ブランドン・T・ジャクソン、ショーン・ビーン、キャサリン・キーナー、ケヴィン・マクキッド、ジェイク・アベル、スティーヴ・クーガン、ロザリオ・ドーソン、ジョー・パントリアーノ、メリーナ・カナカレデス、ジュリアン・リッチングス、セリンダ・スワン、ディミトリー・レコス、オナ・グローアー、ステファニー・フォン・フェッテン、コンラッド・コーツ、ディラン・ニール、ルーク・カミレッリ 他
ノミネート:【2010年/第19回MTVムービー・アワード】格闘シーン賞(ローガン・ラーマン、ジェイク・アベル)、ブレイクアウト・スター賞(ローガン・ラーマン)
コピー:ギリシア神話が現代によみがえる!

実父を知らずに母親と暮らしてきた17歳のパーシーは、学校に溶け込めない浮いた存在。ある日突然、「ゼウスの稲妻を返せ!」と叫ぶ怪物に母がさらわれてしまう。また、学校のブルナー先生や親友グローバーが“デミゴッド”というギリシャ神話の神々と人間のハーフであること、そして自分もポセイドンを父に持つデミゴッドで、彼らはパーシーを守護していたということを知らされる。さらに、全能の神ゼウスから“稲妻”を盗んだ犯人と思われており、2週間後の夏至までに返却しなければオリンポスの神々が戦争をおこし、地上は破滅の危機に陥るということも知る。パーシーは一刻も早く“稲妻”をゼウスに返すため、仲間と共に真犯人探しの旅へ出るのだが…というストーリー。

同じ、ヒロイックファンタジー路線の『ダレン・シャン』と比較すると、飽きずには見れた。よく言えばテンポが良い、悪く言えば疾走感でアラを誤魔化しきった…ともいえる。

『ハリーポッター』との共通点があまりにも多くて、どうしてもトホホ感がぬぐえない。
 ・実は常人ならざる能力者だが本人は知らない。
 ・現実の世界で学校生活をおくっているが、さりげなく守護されている。
 ・向こうの世界の都合で真実を知らされる。
 ・男女混合のスリーマンセルで冒険する。
 ・仲間の一人は気の強い女の子で、もう一人はお調子者の男の子。
 ・主人公はマザコンぎみ。
 ・etc…

見つからないようにイヤな家にいるギミックとか、友達の男の子が犠牲になるとか、もしかしてこれは『ハリーポッター』のパロディかと。あれ?もしかしてそうなのか?本当にそうならそれはそれでスゴイことかも。クリス・コロンバス御大による『 最終絶叫計画』シリーズか?(笑)
まあ、いずれにせよ、21世紀のヒロイックファンタジーは、しばらくの間“ハリー・ポッター コンプレックス”に悩まされることになるんだろう。

『ダレン・シャン』が35点なら本作は49点くらい。ヒマつぶしにはなるかもしれないが、会社から帰ってきた後ちょっとお疲れの時に観ちゃうと、1回は寝ちゃうかも(私は2回巻き戻した)。新作料金で観る価値はないが、ホント、ヒマつぶし目的ならお薦めする。

拍手[0回]

image1532.png公開年:2009年 
公開国:アメリカ
時 間:109分
監 督:ポール・ワイツ
出 演:クリス・マッソグリア、ジョシュ・ハッチャーソン、ジョン・C・ライリー、ジェシカ・カールソン、渡辺謙、レイ・スティーヴンソン、パトリック・フュジット、ウィレム・デフォー、サルマ・ハエック、マイケル・セルヴェリス、ダニエル・ニューマン、モーガン・セイラー、ドン・マクマナス コリーン・キャンプ オーランド・ジョーンズ アレクサンダー・リブス フランキー・フェイソン ラムス・ツーベリーズ トム・ウッドラフ・Jr ジェーン・クラコウスキー コーマ・リムズ クリステン・シャール 他

16歳の少年ダレンは、親友のスティーブと一緒に、奇怪な見世物小屋を見物にいく。元々、蜘蛛に興味があったダレンは、ラーテンという演者が操る大蜘蛛に魅せられてしまう。フリークスによる見世物を良しとしない地元民の邪魔によって場が混乱すると、その隙に楽屋から大蜘蛛を盗んでしまうダレン。しかし翌日、スティーブがその蜘蛛に噛まれて昏睡状態に。ラーテンを訪ねて解毒剤を求めると、それと引き換えにハーフ・バンパイアなれと言われる。ラーテンは本物のバンパイアで、彼の助手を欲していたのだ。ダレンはスティーブを助けるため、その条件を受入れるだが…というストーリー。

“フリークス”を扱った映画が普通に上映できる、いい世の中になったものである。1932年製作の『フリークス(怪物團)』という作品は、数年前まで発禁扱い(という表現が正しいかはわからんが)であった。表現の自由だからといって配慮もなく表現していいわけでもないが、なんでもかんでも都合が悪そうなら隠蔽すりゃあいいってものでもないからね。
それはそれとして…。

本作は、児童向書籍が原作だが、こういうファンタジーものは『ハリー・ポッター』シリーズで食傷気味なので原作は読んでいない。少年サンデーか何かで漫画連載されていたような。結構続いているようなので、おもしろいのだろう(が、今後も読む気はない)。
ただ、本作を見た限りその面白さを伺うことができない。一番感じるのは、はじめっから続編が作られることを前提につくられているのがアリアリだということ。それがいけないという訳ではもちろんないのだが、簡単にいってしまえば“ユルさ”に繋がってしまっているのだ。『マトリックス』しかり古くは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『ダイ・ハード』しかり、多くの名作シリーズ物は、一作目はこれがすべて!という姿勢で作られている(あわよくば…という思いはあったかもしれないが)。この一球入魂ならぬ一作入魂っぷりが見事な花を咲かせるのであって、まとめきれないところは、ホイホイと次作に…と簡単に割り切られてしまっては、見ている側の緊張感も維持できない。『ハリー・ポッター』などのはこれに陥らないように注力しているのだが、本作はまったく見習っていない。

ハーフ・バンパイアになるまでのくだりで半分経過するのだが、実のところ、ここまでは結構楽しめる。ちょい役にもかかわらず、渡辺謙の怪演は光っていて、映画全体を締めているというか質を底上げしているというか、本シリーズの根本的な雰囲気を代表しているといってもよい(本人が吹替えをしてくれちゃってるという、この気安さもステキ)。でも、なにやら敵が登場しはじめ、対立軸が見えてくると途端につまらなくなる。ありがちな単なる善悪対決モノになってしまう。どうしても『ハリー・ポッター』と比べてしまうけど、この悪役の魅力の無さや、設定のナゾの少なさは何なんだろう。感情がまったく揺れ動くことがない。原作もこんなものなのか。

終盤のバトルには工夫も技術的な目新しさも無く、ぼやっとよくわからないうちに終わる。よほど原作を読んで、この世界観を愛している人や興味をそそられた人だけが見ればいいのではなかろうか。がんばっている謙さんにはもうしわけないが、本作は別に観なくて良いだろう。娯楽作品として35点くらいである。本作を観ると『ハリー・ポッター』の質の高さを再確認させられる(そういう目的なら観てもよいかも)。もちろんお薦めしない。特にいい大人の方々には。

#フリークスの女の子が、全然かわいげがなくって、いい仲になっても全然うらやましくない。どういうキャスティング?

拍手[0回]

image0169.png公開年:2005年 
公開国:ドイツ
時 間:90分
監 督:イザベル・クレーフェルト
出 演:アンドレアス・シュミット、マルティン・クルツ、アルミン・ローテ、クラウス・J・ベーレント、アンドレアス・シュミット 他





10才の内気な少年ポールは、夏休みに家族と一緒にスコットランドの古城へ旅行へ出かけた。しかし、この城はおばけ屋敷として観光コースになってはいるものの、宿泊施設としてまともな設備が整っておらず、とても愉しめる状況ではなかった。実は、レジャーとは名ばかりで、ポールの父は会社の命令で城の買収のために訪れ、家族サービスを兼ねてしまおうと考えていたのだった。さらに、この城にはある秘密があり、本当に、古くから幽霊のサイモン・カンタベリー卿が住み着いていたのだ。そんなカンタベリー卿にポールは遭遇してしまうが、当初は恐れをなしながらも、次第に仲良くなっていっていき、やがてある秘密を打ち明けられたのだが…というストーリー。

出張がえりでクタクタで、小難しいものは一切受け付けなさそうな体調だったので、ライトそうな作品をチョイス。しかし、さすがにライト過ぎたか。

ストーリーはあまりにシンプル。中学生が初めて書いてみた小説のような脚本レベルなのだが、子供が安心して観せられる内容といえば、そのとおり。でもあまりの毒の無さに、子供達も飽き飽きするに違いない。
“オスカー・ワイルドの”とわざわざ冠しているということは、あの『サロメ』で有名な(読んだことはないけど)の作者のオスカー・ワイルドなんだろうが、ウィキペディアを探してもこのようなタイトルが無い。色々調べると、元は『キャンタビル館の幽霊』という作品らしく、原作というよりも原案レベルの模様。いずれにせよ造詣は深くないので、良し悪しは判断できず。いずれにせよ原作者を冠する意味も効果もない。

ちなみに本作はドイツのテレビムービーとのこと。ドイツにおけるテレビムービーの扱いはよくわからないが、日本の2時間ドラマで(WOWOWとかでも)、2005年の段階でこのレベルのCGファンタジーをつくることができるだろうか。おそらく現時点でもちょっとあやしい。本作はなるべくコストを押さえ気味に作成しているはわかるが、CGのショボさもギリギリゆるせるレベルに納まっている。おそらく日本で同じものを作ってたとしても、興醒めするレベルになったに違いない。ジャパンアニメは押しも押されもせぬ評価だが、実写のCG表現については(特にコストパフォーマンス面では)、欧米よりかなり劣っていることが伺える。欧米のTV製作レベル > 日本の映画制作レベル…ということになるか。

…と一応褒めはしておくが、ホラーファンタジーとしても、男の子の成長物語としても、二歩も三歩も踏み込みが足らず。観なくても、まったくもって損したとは思わないであろう作品。心が癒されたり元気になったりするファンタジーはどこにもないので、ご注意を。

拍手[0回]

image1493.png公開年:2009年 
公開国:アメリカ
時 間:101分
監 督:スパイク・ジョーンズ
出 演:マックス・レコーズ、キャサリン・キーナー、マーク・ラファロ、ローレン・アンブローズ、クリス・クーパー、ジェームズ・ガンドルフィーニ、キャサリン・オハラ、フォレスト・ウィッテカー、ポール・ダノ 他
受 賞:【2009年/第67回ゴールデン・グローブ】音楽賞(カレン・O、カーター・バーウェル)
【2009年/第15回放送映画批評家協会賞】若手俳優賞(マックス・レコーズ)、衣装デザイン賞(ケイシー・ストーム)、歌曲賞(“All Is Love”Nick Zinner、カレン・O)、音楽賞(カーター・バーウェル、カレン・O)

8歳のマックスは、母と姉と3人暮らしだが、母の仕事は忙しく姉もかまってくれない。ある日、母親の男友達が家に来ていたときに、悪さをして母を激怒させてしまい、勢いでマックスは家を飛び出してしまう。すると、いつのまにか不思議な世界に迷い込み、ボートで海を渡っていくとどこかの島に到着。そこには、大きな体のかいじゅうたちが暮らしており、なぜかマックスは王様と勘違いされ迎え入れられるのだったが…というストーリー。

童話というのは、グリムしかりアンデルセンしかり、他の小説なんかよりも多分に心理学的な要素を含むものだ(だから、“本当は怖い○○童話”なんてノリの書籍が成立する)。しかし、これら普遍的ともいえる長く残っている作品の心理学的側面は、説明されれば「ああ、そうか」と思うレベルで、読んでいるときは、なんとなく引っかかる程度のもの。そのひっかかりこそが読者の心を捉えるわけである。

しかし、本作については、あまりにも直球すぎるのだ。KWが母の投影で、ダグラスが自分の投影で、さらにKWの口の中に隠れた後に出てきて、精神的に成長する…なんて、隠喩でもなんでもない。評判の原作らしいのだが、原作もこんな感じなんだろうか。あまりに浅いというか、表現に芸がないというか。

不思議な生き物が出てくるファンタジーだと思って子供に見せると怪我をする作品かな。かいじゅうたちが繰り広げる感情のぶつけ合いは、保育園で見られるような行動だと思うが、時に子供とは残酷で痛々しいものだ。むしろ本作はその側面をクローズアップしているところがあり、見ていても“愉しそうだなぁ”とは思わない。
感情をストレートにぶつけあうかいじゅうたちは、当然のごとくうまい関係は築けない。それをみなまで見て、相手をおもんばかることの大切さに気付いたマックスは、実社会に戻って大人になりましたとさ…。夢、無いね。これは童話ではないよ。大人が観る童話もどきなオハナシ。

映像的なメインの売りである、かいじゅう自体のキャラクターも、もちろん単純なかわいさもないし、キモかわいくもない。かいじゅうの世界も夢を感じるわけもないし、遠い記憶がくすぐられるわけでもないし、特段ノスタルジーを感じるわけでもないし、魅力がない。脚本的にも演出的にも評価すべき部分はない…となれば、見た目も話しもイマイチとなるわけで、よほどお暇でない限り、観る必要もないということになる。

#スパイク・ジョーンズには不向きなノリだったってことなのかぁ…。

拍手[0回]

image1521.png公開年:2009年 
公開国:アメリカ、イギリス、ニュージーランド
時 間:126分
監 督:ピーター・ジャクソン
出 演:マーク・ウォールバーグ、レイチェル・ワイズ、スーザン・サランドン、スタンリー・トゥッチ、マイケル・インペリオリ、シアーシャ・ローナン、ローズ・マクアイヴァー、クリスチャン・トーマス・アシュデイル、リース・リッチー、キャロリン・ダンド、ジェイク・アベル、ニッキー・スーフー、トーマス・マッカーシー、アンドリュー・ジェームズ・アレン 他
受 賞:【2009年/第82回放送映画批評家協会賞】若手俳優賞(シアーシャ・ローナン)


両親と妹弟に囲まれ幸せな生活を送る14歳の少女スージー。初恋に胸をときめかせて彼女だったが、ある冬の日、近所の男に殺害される。スージーは、現世と天国との間をさまよいながらも、やがて天国の入り口に辿り着く。愛する娘を失った父親は残された家族を顧みず犯人探しに執着するようになり、そんな夫に耐えられない母親は家を出てしまい、家族はバラバラに。しかし、犯人は警察の捜査をすり抜けて、平然と日常生活を送る。しばらくはスージーを殺した記憶を思い出しながら平穏に暮らしていた犯人だったが、スージーの家族が自分に疑いをかけはじめていることに気付き…というストーリー。

あえてファンタジーにカテゴライズしてみた。

公開時に観にいこうか悩み、結局観にいかなかったのだが、観にいけばよかったなと思う。面白いからというわけではなく、けっこう目を背けたくなるような、ジワジワとキツい展開が多くて、何度もDVDを止めちゃったから。これから観る人は、観る前に“絶対止めません”と誓ってからみようね。もう、絵に描いたようなシリアルキラーを描いていて、世の中のお嬢さんたちへの警告、現代の赤ずきんちゃんみたいである。

欧米人が描く、ありがちな天国のイメージではなく、非一神教世界におけるイメージが反映されている感じ。ピーター・ジャクソンはキリスト教とは違う神話や伝説や宗教に興味はあるのかな。本作でも、おばあちゃん役のスーザン・サランドンが、エセ仏教を語っていたりする(まあ、それはそれとして、スーザン・サランドンが演じるおばあちゃんはなかなかステキ)。あまりレイチェル・ワイズは好きじゃないんだけど、本作のように、美人のアイコン的な役じゃない彼女も、なかなか交換がもてた。

それにしてもあの世の映像表現は、他の監督の作品とは一線を画すレベル。どこまでがCGでどこからが特撮なのか区切りが判然としないところが大変よろしい。『ロード・オブ・ザ・リング』もそうだったが、CGを「はいCGでござーい」と、多少不自然でも、全部CGで処理しておしまいとはしない。あくまで表現手法の一つでしかないのよ、という姿勢が非常に尊敬できる(本来あたりまえなんだけど、多くの監督が妥協している)。
毎回、この映像クオリティを維持できているのは、満足のいくスタッフと継続してチームを組んで仕事をしているからなんだと思う。

ありがちな話なら、スージーがあの世から何とかして家族にサインを送ったりして、家族を救う努力をしたりするのだろうが、そうはならない。スージーはただただ、現世に寄り添うだけで、ストーリーが進む。なかなかめずらしい展開だと思うが、決して、公開時にいわれていたような泣ける物語ではない。
私がありがちな展開に毒されてしまっているからなのか、ラストはかなり不完全燃焼に感じた。因果応報をはっきりしてスッキリと溜飲を下げるというのも、映画の役目だからね。これに納得して観れるようになるには、かなり精神的に達観しないと無理ではないかな。さらに、こういうぼやっとした感じにもかかわらず、135分になっちゃっているのもちょっといただけないかも。

ただ、満足度から言えば、『アリス・イン・ワンダーランド』<『Dr.パルナサスの鏡』<本作、、、って感じなので、充分お薦めできる内容。

#『乙女の祈り』を是非観たくなってきた(未見なの)。

拍手[0回]

image1515.png公開年:2009年 
公開国:イギリス、カナダ
時 間:124分
監 督:テリー・ギリアム
出 演:ヒース・レジャー、クリストファー・プラマー、ジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレル、リリー・コール、アンドリュー・ガーフィールド、ヴァーン・トロイヤー、トム・ウェイツ 他
ノミネート:【2009年/第82回アカデミー賞】美術賞(デイヴ・ウォーレン、Anastasia Masaro、Caroline Smith)、衣装デザイン賞(モニク・プリュドム)
【2009年/第63回英国アカデミー賞】プロダクションデザイン賞(デイヴ・ウォーレン、Anastasia Masaro、Caroline Smith)、メイクアップ&ヘアー賞(Sarah Monzani)
コピー:鏡の中は、わがままな願望でいっぱい
この迷宮から、大切なひとを救えるのか──?

ロンドン。パルナサス博士率いる旅芸人一座の出し物は、自分の欲望を鏡の向こうの世界で見せてくれる装置“イマジナリウム”。しかし、そんな怪しい装置になど誰も興味を示さず、彼らは貧乏生活。近頃、何かに怯えているパルナサス博士だったが、その訳は、不老不死の体と引き合えに生まれてくる娘が16歳になったら悪魔に差し出すという契約をしていたからで、娘の16歳の誕生日が目前に迫っていたから。何も知らない娘ヴァレンティナは、偶然救い出した記憶喪失の男トニーに心奪われる。そのトニーは一座に加わり、彼の魅力で女性客はえ始めるのだが…。

ヒース・レジャーは本作の撮影途中で亡くなったので、『ダークナイト』じゃなくって正真正の遺作はこっち。代役3人(ジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレル)は、まるで最初から出演することが決まっていたみたいに、ぴったりハマっていて効果的。もし、この3人が出ていなかったら?と想像すると、かなり印象が薄く、プロモーション的にも貧相なものになっていたと思われ、まさに怪我の功名といえるだろう。ヘタをすると、全国ロードショーどころか単館上映になっていたかも。
『ダークナイト』のラストでジョーカーとして吊られて終わり、本作では首吊り状態で登場。ヒース・レジャーって死の臭い漂う、いい役者だったんだと思う。

基本ストーリーはゲーテの“ファウスト”。『ブラザーズ・グリム』しかりドイツ系の話に造詣が深いのかしら。
精神世界の表現という意味では、『8 1/2』と似ている印象。CG技術の極まりによって、テリー・ギリアムお得意のイメージの具現化も極まった感すらある。しかし、CG自体が、比較的安易な手法になってしまったため、驚きも半減で逆効果になっているという皮肉。そのせいで、映像の中にいろんなものが詰め込まれているのに、あまり頭に残らない。いまとなっては、あえてCGを使わないで、これってどうやったの?って思わせるほうがよっぽど驚ける。そんな時代になった。便利だからって必ずしも人は幸せになるわけじゃないという一例ですな。

昨日の『アリス・イン・ワンダーランド』のティム・バートン然り、観ている側も成長するし、監督だって変化するのはあたりまえ。それは判っているんけれど、よかった時期の印象はなかなかぬぐえないし、期待することを止めるのも難しい。ワタシが好きなテリー・ギリアムはもういないのかな、と思うけれど、ラストシーンで、子供に「ハッピーエンドなの?」と訊かれて、「ゴメン、それは保証できないんだ」だなんて、ティム・バートンよりは、客観的に自分を見ることが出来ているようで、その点は救いがあるかも。

3人の客演のおかげで目には飽きないと思うので、『アリス・イン・ワンダーランド』よりはこちらを観ること軽くお薦めする。欲のない精神世界なんかおもしろくもなんともないものね。

拍手[0回]

image1524.png公開年:2010年 
公開国:アメリカ
時 間:109分
監 督:ティム・バートン
出 演:ミア・ワシコウスカ、ジョニー・デップ、ヘレナ・ボナム=カーター、アン・ハサウェイ、クリスピン・グローヴァー、マット・ルーカス、アラン・リックマン、マイケル・シーン、スティーヴン・フライ、ティモシー・スポール、ポール・ホワイトハウス、バーバラ・ウィンザー、マイケル・ガフ、クリストファー・リー 他
ノミネート:【2010年/第19回MTVムービー・アワード】作品賞、グローバル・スーパースター賞(ジョニー・デップ)、悪役賞(ヘレナ・ボナム=カーター)
コピー:世界はもう、マトモではいられない…。

子どもの頃に訪れた不思議の国での記憶をすっかり失っている19歳のアリス。好きでもない相手と婚約するはめになった彼女は、チョッキを着た白うさぎを見つけ追いかけるが、穴に落ちてアンダーランドと呼ばれている世界に迷い込んでしまう。今やアンダーランドは独裁者・赤の女王に支配された暗黒の世界になっており、この世界の奇妙な住民たちはみなアリスこそが救世主であるという予言を信じていたため、彼女を待ちわびていたのだった。そして誰よりも彼女を待ちわびていたのは、赤の女王への復讐を誓う謎多き男マッドハッターだったが…というストーリー。

ん~。大ヒット作ではあるが、いままでのバートン作品と比べると違和感だらけ。どうしよう。何か悲しい。もう子供でいちゃいけないと突き放されたような感じで、ものすごく悲しい気分になってしまった。

クリーチャーの動き。もちろんモーションピクチャーじゃないフルCGだから同じになるわけはないと思うは、それにしても、よくあるCGアニメ然としていて、バートン作品らしくない。犬がCGって…。こんな味のない犬が登場したことが、いままでああったかなぁ。奇抜なキャラのオンパレードにように見えるけど、それほど奇想天外でもないし、異形故の苦悩みたいなものが一切ないキャラばかり。

世の中をハスに見ながらも、周りに流されている受動的な少女が、自分で人生を切り開く能動的な女に変わる。そんなテーマをティムバートンがやって、本当に愉しいの?ヘレナ・ボナム=カーターがパートナーになってから、作風がかわったのは気付いていたけど、彼女や子供に流される日々が不満なのかな。どこを楽しめばいいのか。もう、心のどっかがねじくれているティムバートンはいないのか。『シザーハンズ』『ビッグフィッシュ』にあったような、彼の心の奥底に流れてるテーマは無いのだろうか。経済的にも社会的にも家族的にも安定してしまったために、毒までなくなってしまったのだろうか。才能の搾りカスをペタペタ盛り付けたような作品は、信者であっても擁護するのは難しい。ごめん。正直に言うけど、2回寝ちゃって戻したわ。

ただ、いつも最後がぼやけておわるバートン作品が、ラストらしいラストのある作品になっているのは事実。確かにこれなら、大衆に受け入れられると思う。ティム・バートンらしさと、おさまりのよいラストがトレードオフになっているというならば、もちろんワタシは昔を選ぶけど。

まあ、この世界観をディズニーランドのアトラクションにできたら、大人気だろうけどね。この映画、本当におもしろい!と評価されているのかな。多くの人が「まあまあ」って言ってるのでは。むむむ。残念ながら、無理して新作レンタルしてまで観なくて良い。旧作になってからで充分。

また、ティム・バートンに出会える日をたのしみしております。

拍手[0回]

image0456.png公開年:2000年 
公開国:アメリカ
時 間:103分
監 督:ロン・ハワード
出 演:ジム・キャリー、ジェフリー・タンバー、クリスティーン・バランスキー、モリー・シャノン、アンソニー・ホプキンス、ジョシュ・ライアン・エヴァンス、フランキー・レイ、ミンディ・スターリング、テイラー・モンセン、ビル・アーウィン、T・J・サイン 他
受 賞:【2000年/第73回アカデミー賞】メイクアップ賞(リック・ベイカー、Gail Rowell-Ryan)
【2000年/第54回英国アカデミー賞】メイクアップ&ヘアー賞
【2001年/第10回MTVムービー・アワード】悪役賞(ジム・キャリー)
コピー:気をつけなさい この冬は…

クリスマスを愛する街フーヴィル。街中がクリスマス気分で大騒ぎとなる中、ただ一人だけクリスマスを嫌う、山で犬と暮らすひねくれ者グリンチ。眼下のフーヴィルの人々がクリスマスの到来に浮かれているのが気に入らず、何とかしてクリスマスを盗んで人々をがっかりさせてやろうと計略を巡らせる。フーヴィルに住む娘のシンディはそんなグリンチのことが気になっていたが、ある日、地下室でグリンチに出会い…というストーリー。

なぜ本作を観たかというと、最近見た映画の中で、グリンチのアニメを子供がTVで見ているシーンがあったから(どの映画だったかなあ…)。いずれにせよロン・ハワード作品の中では異質な存在。

同じくクリスマスを扱った、子供向け作品といえば、『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』だが、たしかに特異なキャラの主人公が、意図的か確信犯かの違いはあれど、クリスマスを盗もうとするプロットはほぼ一緒。アメリカでは国民的に親しまれているキャラクターで、元は大ベストセラーの絵本らしいけれど、日本ではさっぱりかと。アメリカでは、年間興行成績第一位になるほどだたらしいけど、絵本やらアニメやら子供のころから慣れ親しんだベースがあってこそだろう。
こういうおとぎ話の映画化って日本人には理解できないことも多くて、日本の子供のウケはよくないと思われる。グリンチやフーヴィルの人々のキャラは確かにユニークかもしれないが、『ナイトメアー~』と比べれば、毒もダークな部分もなく、どうも心をくすぐらない。

それでも、イジメられたことが原因でひねくれてしまったグリンチと子供の交流がどう展開するかな?イジメたやつらにどうやって復讐するのかな?と、いくらか前半は期待させるが、急激に失速。結局は、悪役のグリンチもクリスマスに感化され心変わりし、ハッピーエンド。迫害される者が、クリスマスに心洗われ、最後に自首しちゃうって、何がなんだか理解できない。勧善懲悪は微塵もなく、“許し”でおしまいという極めて宗教的なオチにうんざり。

『ナイトメアー~』の終わり方だって決してよろしいわけではないが、本作はどうにも是認しかねる。まちがっても子供が飽きずに観つづけられる内容ではないし、かといって大人がノスタルジーに浸れる作品でもなく、お薦めできる要素なし。

#ちなみに、ナレーションはアンソニー・ホプキンスだが、日本語吹替えのナレーションのデキはクソなので、子供が観るのでなければ、オリジナル音声のほうがよいかも。こういうコメディーで字幕を追うことを薦めなければいけないってのも…。

拍手[0回]

image0849.png公開年:1993年 
公開国:アメリカ
時 間:77分  
監 督:ヘンリー・セリック
出 演:クリス・サランドン、キャサリン・オハラ、ウィリアム・ヒッキー、ダニー・エルフマン、ポール・ルーベンス 他
ノミネート:【1993年/第66回アカデミー賞】視覚効果賞(Pete Kozachik、Eric Leighton、Ariel Velasco Shaw、Gordon Baker)
【1993年/第51回ゴールデン・グローブ】音楽賞(ダニー・エルフマン)
コピー:いちばん大切なものは、夢ですか、愛ですか。

家に帰ると、家族が鑑賞していたので、便乗。本作はもう50回以上鑑賞しているはず。なぜなら、一時期、寝る前に必ず流していたか時期があるから。DVDというものが世に発売された時、初めに買うソフトはコレと決めていて、DVDデッキと一緒に購入して、ヘビーローテ。セリフは完璧に頭に入っている。

でも、寝る前に読んでもらう絵本状態だったから、途中で寝ちゃう。50回観たっていっても、エンドロールまで到達したのは15回くらいだと思う(笑い)。
でも、冷静に考えると、寝ちゃうから最後まで到達できなかったわけではないのだ。寝ちゃう理由があるのだ。

本作で楽しめるのは、クリスマスタウンで自前のプレゼントを配り始まるまで。大筋の流れを考えれば、まさにこれから盛り上がるはずなのだが、大抵は、ここで飽きる。イベントごとは準備している最中が一番楽しいってことなのか、いざ事がはじまってしまうと、案外、どうでもよくなってしまう。そんな感覚。

それに、子供に観せるのって、実はどうなのかなーと思う点もある。だって、本作のオチは、信じてがんばれば夢は実現できる…ではなくって、世の中にはどうやったってできないことがあるんだよね…っていうオチだもの。ダメはダメなりに、折り合いとつけるのが人生なんだよ…って、そういうメッセージは、子供にとってあまりいい影響は与えないのかもしれない。
だから、寝ちゃうんじゃなく、防衛本能が働いて脳が拒否しちゃうのかもしれないな。

本当の意味で大人のファンタジー。途中までの子供の喰いつきは、まちがいなく最高。でも、途中で寝る。ある程度のところで寝せたいときはお薦め(なんだそりゃ)。

拍手[0回]

プロフィール
HN:
クボタカユキ
性別:
男性
趣味:
映画(DVD)鑑賞・特撮フィギュア(食玩/ガシャポン)集め
自己紹介:
一日一シネマ。読んだら拍手ボタンを押してくだされ。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
リンク
カウンター
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
ブログ内検索
最新コメント
[06/03 離脱ラバ]
[06/03 離脱ラバ]
[06/03 離脱ラバ]
[04/28 ETCマンツーマン英会話]
[10/07 絶太]
最新トラックバック
Copyright © 2009-2014 クボタカユキ All rights reserved.
忍者ブログ [PR]