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公開年:2002年
公開国:イギリス、アイルランド
時 間:118分
監 督:ピーター・ミュラン
出 演:ノラ=ジェーン・ヌーン、アンヌ=マリー・ダフ、ドロシー・ダフィ、ジェラルディン・マクイーワン、アイリーン・ウォルシュ、イーモン・オーウェンズ、キアラン・オーウェンズ、フランシス・ヒーリー、エンヤ・マクギネス、フィリス・マクマホン、メアリー・マーレイ、ブリッタ・スミス、クリス・シンプソン、ダニエル・コステロ、ショーン・マクドナー、ショーン・マッキン、ピーター・ミュラ 他
受 賞:【2002年/第59回ヴェネチア国際映画祭】金獅子賞(監督:ピーター・ミュラン、出演:ジェラルディン・マクイーワン、Nora-Jane Noone)
コピー:前を見続ける、何があっても。
アイルランドの修道院。3万人の少女たちの隠された真実の歴史。
アイルランドにあるマグダレン修道院は、性的に“堕落した”女性たちを矯正する施設。1964年、3人の少女が収容される。その美しさゆえにしばしば少年たちの心を惑わせていた孤児バーナデット。従兄弟にレイプされたマーガレット。未婚のまま子供を産んだローズ。それぞれが罪を負った女とされ、悔い改めるために、自由を奪われ、過酷な動労を強いられ、修道女たちから極限までに非人間的な扱いを受けるのだった…というストーリー。
カトリックの人は、こんなのはイエスの教えとは正反対です!とか言うんだが、部外者の私から言わせれば、だからカトリックの教義はイエスからは乖離してるんだっつーの。カトリックの闇歴史のほんの1ページでしかないよね。いくらアイルランド社会が保守的だからって、そういう社会だからこそ未婚の女性や子供達を守る、それこそイエスの教えだろう。そんな迫害の舞台がマグダラのマリアの名前を冠してるなんて、タチの悪いジョークとしか思えない。
そして本作に対してクレームを付けるバチカン。笑わせるぜ。のべ3万人以上の女性が収容されていたんだぞ。なんの言い訳ができようぞ。なんのフォローの必要があるのか。おぞましすぎる。こんな組織が1996年まで存在し得ること考えられん。
主人公達を苦しめる修道女達の所業。シナリオとしては出来すぎなくらいの悪役っぷり。これがフィクションならば、修道女たちに地獄の報いを受けさせるところなんだろうが、残念ながらこれはほぼ実話。だから、最後も溜飲が下がるようなエピソードはない。おまけに、こんな目にあっても死ぬまでカトリックだったというローズのその後に、ゾっとしてしまう。カトリック社会の業の深さよ。
#なんか、もっと最後の字幕は内容があると思うんだけど、翻訳の語彙が足りなくない?なんでちゃんと訳さないのかね?
往々にして実話ベースの場合は、その制約ゆえに踏み込みが甘かったりするんだけど、本作の場合は、4人の女性たちを襲う過酷な修道女の仕打ちに、観ている側が飲み込まれてしまい、あっという間に世界に引き込まれてしまう。鈍痛のする映画だけど、表向きの教義とは裏腹にカトリック社会にはびこる、その不寛容と無慈悲さを、改めて認識させられる映画。お薦めするとかしないとかじゃなく、宗教とはなにか?権威とはなにか?という視点において、観る意味のある映画だと思う。
まけるな日本
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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