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公開年:2009年
公開国:日本
時 間:130分
監 督:佐藤東弥
出 演:藤原竜也、天海祐希、香川照之、山本太郎、光石研、松山ケンイチ、松尾スズキ、佐藤慶 他
コピー:考えろ、裏をかけ。そして未来を手に入れろ。
その日暮らしに近いバイト生活をおくる伊藤カイジ、26歳。彼のもとにある日、遠藤と名乗る金融会社の社長が訪れ、カイジが連帯保証人になっていた友人が夜逃げしたため、その借金の返済をするよう求めてきた。借金総額は利息を含め202万円。支払能力の無いカイジに対して、遠藤は一夜にして大金を手にする方法があると提案する。それは、豪華客船エスポワール号に乗ること。何が行われるのかわからないまま、意を決して乗船すると、カイジと同様に借金を背負った男たちが大勢集められていた。そこでは、消費者金融帝愛グループによる、勝ち続ければ一攫千金、負ければ過酷な強制労働が待つというゲームが繰り広げられるのだったが…というストーリー。
同じく日テレ系の映画であった『DEATH NOTE』と同じく少年漫画誌の連載作品だが、『カイジ』に女子人気があるとは思えず(笑)。ギャンブル部分がメインの作品にに捉えられがちだが、それはあくまで調味料であって、根本は人生論である本作。そういう勝負ゴトみたいな究極的な人生論に女性の心が震えるものなのか。どれだけ集客できるのかかなり疑問だった。そこは、藤原竜也やらマツケンやら天海祐希を配置して、補完を試みたのだろうが、いかがなものか…。加えて、福本伸行原作作品は、一勝負が終了するまでがキャプテン翼ばりに長い。おまけに、晩年の横山光輝ばりに、同じようなアングルのコマが続いたり、長い台詞で説明しようとしたりで、単行本でまとめて一気通貫で見ないと、よくわからないことも多い。別にマンガ版批判をしたいわけではないのだが、これを2時間程度の映画にするのは、なかなか技術が必要なところ。
さらに、福本伸行といえば、①ざわざわ…、②絵がぐにょ~ん、③雄叫び、と、特徴的な表現満載だが、それらがどう表現されているか、お手並み拝見という感じで観始めた。
藤原竜也の芝居で鍛えられた演技は、普通の映画だったら鬱陶しくて仕様がなかっただろうが、本作ではまあまあ許容範囲。「③雄叫び」はそれなりにクリア。利根川役の香川照之のキレた演技も、興醒めさせることのない、よい演技(それにしても、日本映画は香川照之に頼りすぎじゃねぇか?)。各ゲームのギミックも、セットや小道具の造型も非常に味があってよろしい。
しかし、あとは悪い点ばかりが目につく。プロモーション的に女性を出さねばいけない事情が先にあったためか、脚本がボケまくり。利根川と遠藤の嫌悪関係がしっかり表現しきれていないため、単に勝ち目がありそうだからというだけでカイジに賭けるという、重いリスクを負うリアリティがまるで理解できない。佐藤慶が怪演する兵藤だが、見た目も演技も問題ないのだが、本作ではただ出ているだけ。ギャンブルには深く関わらない。シナリオの構成の問題なのか、続編を考えて残したのか。単なる金主というだけで、終わらせてしまったのはもったいない。前にもいったが、たいして力量もないくせに、続編をチラチラ伺っているようではいい作品にはなり得ない。
「①ざわざわ…」は、作れっていわれりゃあ誰でもそう作るだろうなってレベルで、芸がなかった。原作を知っている人なら誰もがそこに注目するのは明白なのに、なんで「そうくるかぁ!」って思わせるところまで注力しないのか。やる気がないのかセンスがないのか…。「②絵がぐにょ~ん」に関してはそういうシーン自体なし(あれ?もしかして『アカギ』にはあるけど、元々『カイジ』には無かった?)。
と、難点ばかりを並べたが、結果としてはそれなりに愉しめてしまった。それもこれもすべて原作パワーのおかげ。幸いにも、どうこねくりまわしても福本伸行のアクは取り除きようがなかったってことだね(よほど、次の映画のネタにこまらない限り、続編はないと思う)。Vシネマを観てるつもりなら、かなり得した気分になると思う。何にも観るものがみつからない、まあまあアリかもしれない。
#女性は、これをおもしろいと感じるのかどうか興味がある(面白いと思うなら、どこが?)
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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