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image0281.png公開年:2006年 
公開国:日本
時 間:119分
監 督:西川美和
出 演:オダギリジョー、香川照之、伊武雅刀、新井浩文、真木よう子、蟹江敬三、木村祐一、田口トモロヲ、ピエール瀧、田山涼成、河原さぶ、新井浩文、真木よう子 他
受 賞:【2006年/第49回ブルーリボン賞】助演男優賞(香川照之:「出口のない海」「明日の記憶」の演技に対しても)、監督賞(西川美和)
【2006年/第16回日本映画プロフェッショナル大賞】監督賞(西川美和)、ベスト10第2位
コピー:あの橋を渡るまでは、兄弟でした

東京で写真家をしている猛は、母の一周忌に帰郷し、父と共にガソリンスタンドを経営する兄・稔と久々に再会する。翌日、二人は、ガソリンスタンドで働く幼なじみの智恵子を加え、近くの渓谷へ行く。猛が林の中で写真を撮っておると、川に架かる細い吊り橋に稔と智恵子が。そして智恵子は渓流へと落下してしまう…というストーリー。

昨日の『ディア・ドクター』を見て、『ゆれる』が観終わっていないのを思い出した。そう、未見なのではなく“観終わっていない”のだ。もう3回も途中断念している。一周忌のゴタゴタの場面で飽きて1回目。その場面があまりにも作為的でわざとらしく、監督がドヤ顔をしているような気になってウンザリしてしまったのだ。智恵子の部屋でコトがはじまって2回目。智恵子の振る舞いに一切リアリティが感じられず、何にもわかってない上司にトンチンカンな説教を喰らっているような気分になってしまいウンザリしてしまった。刑事が解剖所見を見て色めき立つところで3回目。おそらく体内から精液が見つかって、猛がパクられるんだろうな…と予測してしまって、なんか夕方に再放送してるサスペンスドラマレベルだな…と思えてきてウンザリ。昨日『ディア・ドクター』を観ていなかったら、観なおすことはなかっただろう。

観るの再会してみると、ところがどっこい、なぜか猛がパクられている。すいません。だれか教えてください。解剖所見の何を根拠に逮捕状が出たのかを。そしていつのまにか自白しているという展開。裁判が展開すると、自白の立証のために、稔のその時の気持ちをさぐるだけの検察。もしかしてこの映画は、日本司法の自白偏重主義を断罪したいのかしら…とすら思えてくる。同じモノを見ても人の捉え方は様々よ…って羅生門的な視点。
でも、なにか家族の絆の意味とか、そういう方向に倒れていっていて、軸がどこにあるのかさっぱりわからなくなる。結局『ディア・ドクター』の時を同じこと言うハメになるのだが、この監督は何をいいたいのかよくわからん。

#大体、精液のDNAを鑑定して稔じゃないことがわかったなら、DNAの一致率でその精液が兄弟のものだってことなんてすぐわかるのにな。検察がそのことに触れないわけないし。リアリティねえなぁ。

『ディア・ドクター』のラストは、良く言えば“考えさせるラスト”といえるかもしれないが、悪くいえば投げっぱなしで無責任と感じていた。本作はさらにそう。猛が事件の真相を思い出す回想が正しい(事実)とすると、猛はどういう意図があって考えて証言したのか、それに対し香川照之がどう思っていたのかさっぱりわからない。いや、証言のときは猛は兄が落としたと思っていて(記憶が構築されていて)、例のフィルムを観た後の猛の頭の中では、兄が手をさしのべている記憶が構築されたってことか(まさに羅生門的)。いやいや、猛は、兄弟の信頼関係が壊れたので偽証して、ラスト回想は事実なんだよ…とか?

いや、一番の問題は、たとえどれだったとしても、つまんねえってことだ。この事件の真相を探ること自体に、何の意味もないと気付いたら、ついでにこの映画を観る意味すらなかったと思えてきた。

『ディア・ドクター』では良いキャスティングが救いだったが、本作ではさほど救いになっていない。申し訳ないがキム兄やピエール瀧はミスキャストである。
また、エンディングの終わらせ方と音楽のテイストが一緒であることに、おもわず苦笑い。ほとんど『ディア・ドクター』と一緒。笑わせようとして狙ってるのか、本気でこなっちゃってるのか、いずれにせよ“寒い”。

ワタシには、何故これほど高評価なのかサッパリ理解不能。ああ、そうか、こうやって、裸の王様みたいに、周りの反応と自分の正直な心の声の間で“ゆれる”ってこと?それを意図してるならこの監督は天才だぁ(笑)。情報を小出しにしてりゃ芸術になると勘違いしてるな。もうすこし社会の“事象”の観察だけじゃく、社会の人間関係の中で実際に行動して感情を動かしてみることをお薦めする。映画監督に客観視できることは大事な素養だが、それだけじゃね。極端にリアリティがないのは、そのせいだと思う。なんか腹立ってきた。

スタッフたちは、おかしな点を指摘できないものだろうか。芸術肌の監督の機嫌を損ねないように、腫れ物を触るように扱っているのだろうか。それとも監督が指摘を無視している?まあ、いいや。監督も作品も、どっちだとしてもたいしておもしろくならないわ。
お薦めはしない。世にこれだけ評価する人がいるんだから、面白く感じる人には溜まらないんでしょ。ギャンブルだとおもって観るしかないですな。

#この監督、案外、ドキュメンタリーとか作ったら、名作を生むような気がするんだよなぁ。。。。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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