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公開国:韓国
時 間:130分
監 督:ポン・ジュノ
出 演:ソン・ガンホ、キム・サンギョン、パク・ヘイル、キム・レハ、ソン・ジェホ 他
コピー:おまえが殺ったことを憶えているか?
1986年-1991年、韓国のある農村で10人の女性が殺された。3000人の容疑者が取り調べを受け、180万人の警官が動員されたがたった1人の犯人はまだ捕まっていない…
1986年、ソウル近郊の農村手足を縛られた若い女性の変死体が発見される。被害者は両腕を後ろ手に縛られ強姦されており、農道の側溝に遺棄されていた。さらに、その数日後、同じ手口で若い女性が殺される。地元警察は特別捜査本部を設置し、パク・トゥマン刑事と相棒のチョ・ヨング刑事が担当となる。そして、事件の異常性に着目したソウル市警は、ソ・テユン刑事を特別捜査本部に派遣する。パク刑事は、頭の弱い焼肉屋の息子ペク・クァンホを容疑者として逮捕し、自供を強要するが、証拠不充分で釈放。彼らのいきあたりばったりのいい加減な捜査を見てソ刑事は不快感を示す。そんな中、ソ刑事は、行方不明者のリストの中から、これまでの被害者と特徴が似ている女性を発見。彼女も殺されているに違いないと主張するのだったが…というストーリー。
日本ではバブル経済で沸き始めたころ、お隣の国では、軍出身の全斗煥大統領政権下で、光州事件もここで発生。民主化を求めるデモは軍力で鎮圧するまさに軍政。その一方、ソウルオリンピックの誘致や、日本への歩み寄りや文化開放もあった時代で、俯瞰してみると、圧政の連続である韓国の近年の歴史の中では、比較的ダイナミズムのある時期なのかもしれない。夜間外出令も解除されており、比較的治安の良い時期だったようだ。
ただ、1986年なのに、金田一耕助シリーズばりのどんな陰湿な事件がおこってもおかしくない韓国の農村の様子。不謹慎とは思うが、サスペンスの舞台としては非常に魅力的である。
で、本作の原作は、実際にあった華城連続殺人事件が元になっているらしく、犯人は捕まっていない。実際の事件では10人が被害者になっているが、初めの被害者が71歳で、下は18歳。こういうシリアルキラーは、犯行手順が洗練されていったり、エスカレートしたり、サイクルが短くなったりするものだが、それには当てはまらない。むしろ不自然なインターバルが空いているので、別の事件で収監されていたとか、犯人が複数だとかが考えられるのだが、それ以前に、近隣で他の被害者がいないかどうかがよくわからないので、何とも言いようが無い。私の見立てでは、全部が全部、同一犯人かは甚だ怪しいと考える。
(以下ネタバレ)
結果的には本作も犯人は捕まらずに終わる。そりゃあ、勝手に犯人に当たりをつけるわけにもいかないからね。
で、ソウルからやってきたデュープロセスを守ろうという刑事と、思いつきで容疑者の権利や証拠主義なんかまったく無視の刑事がぶつかる。異様な世界で繰り広げられるぶつかり合いが非常におもしろいのだが、残念なところが一点。
この、両者の行動様式がクロスフェードしてくのが、演出上の見せ所のはずなのだが、徐々に…とか、こういうきっかけで…とかじゃなく、急にソ刑事が粗暴になってくのが芸がないと思う。
勘と自白強要に頼る地元刑事を批判しつつ、自分は理詰めで責めているにもかかわらず、結果的に犯人のいいようにやらる。格好つけたって、ドブみたいな韓国じゃあどうしようもない…と追い詰められていく、そんな様子をもっともっとジリジリと表現すべきだった。ポン・ジュノ監督の踏ん張りが足りなかったと思う。
韓国人自身が一番韓国が嫌いというのがよくわかる作品。ラストシーンの余韻も、もうこんな国いやだわ…ということを共感し合って終わっているのだと思う。『母なる証明』も同じ後味。母親がクスリを売って何もかも忘れて踊る。こんな国いやだ…ってね。この目線があるからこそ、ポン・ジュノ監督の作品は救われていると思うし、我々が観ても、納得できるんだと思う。
未見の人は是非観るべき作品だと思う。絶対に韓国旅行には行きたくないと思うだろうけどね。
#ソ刑事を演じたキム・サンギョンは、ロッチのコカドとハムの人の中間みたい。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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